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賃上げを求める連合の春闘集会 (c)朝日新聞社
新卒年収500万円も! 企業がエンジニア確保に躍起なワケ〈週刊朝日〉
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170823-00000056-sasahi-soci
週刊朝日 2017年9月1日号
求人倍率が上昇し続け、もはやバブル並みの人手不足である昨今、新卒の学生の就職活動も「売り手市場」だ。企業はあの手この手で採用アピールを繰り広げているが、中でも初任給の動向が見逃せない。
主な業種別にみた平均年間給与と年代別平均年間給与(週刊朝日 2017年9月1日号より)
若いころは業界間の年収差は比較的少ないが、中高年になるにつれて開いていくのが一般的だ。ただ、業種・職種によって、破格の高額な初任給を出す企業も増えている。
特に高額なのは、IT(情報技術)系のエンジニア職。IT系の新卒採用を支援するローカルイノベーションの工藤嵩大社長は「ウェブサービスが増え、エンジニアの需要が増えている。さらに、最近は人工知能(AI)の開発やビッグデータの解析などのスキルを持った学生の需要が高まっている」と指摘する。
ゲームアプリ開発などのディー・エヌ・エーは、エンジニア職を年俸500万円で募集。今年からAIやビッグデータ関連の技術を持つ人材も募り、600万〜1千万円を掲げる。採用担当者は「この分野を研究している学生は少なく、市場価値が高い。決して高い給与ではない」という。
ソフトバンク・テクノロジーは、大卒初任給が月22万5千円。ただ、ビッグデータ解析などの技術を持つ学生は、最大30万5千円まで上げる「グレードスキップ制度」を今年から導入した。「他社と同じことをしていては優秀な人材を確保できない」という。
料理レシピサイト運営のクックパッドも、エンジニア職は年450万円。同社から専門知識を評価されると550万円まで上がる。
なぜこれほど高額になるのか。就職みらい研究所の岡崎仁美所長は「AIなどの人材は争奪戦が激しく、給与水準を押し上げる要因」という。コンサルティングや不動産などの業界も、同様な高額傾向とみる。
戦略コンサルティング会社のドリームインキュベータの初任給は年550万円。不動産のアーバンビジョンの初任給は月40万円だ。
高給で知られるのは外資系企業だが、近年は欧米系だけでなくアジア系も、高額で学生を引き付ける。
就活情報サイト「リクナビ」で6月下旬、中国の通信機器メーカー、ファーウェイ・ジャパンの求人が話題を集めた。初任給は40万1千円。「就職したい」などの声がネット上で広がったが、同社によると、同業の外資系企業と同水準で特別に高くはないという。
日本マイクロソフトグループは営業・技術職の年590万円に対し、開発職700万円。韓国系のLINEも高い技術を持つ人材は600万円以上だ。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、2016年の大卒初任給は前年比0.7%増の20万3千円。エンジニア職中心に一部企業の待遇がいかに破格かわかる。
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