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安倍ノミクスについて考える。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52994673.html
2017年08月20日 在野のアナリスト
昨日の選挙、という話に関して、これまでの安倍政権は常に安倍ノミクスを争点にしてきました。前回の参院選では「安倍ノミクスは道半ば」でしたから、もし年内に総選挙になれば「安倍ノミクスの集大成」とならなければいけません。5年も経って一体何が変わったのか? について少し考えてみます。
2012年度に比べて、名目GDPは40兆円以上増え、昨年度は速報ベースですが537兆円でした。しかしリーマンショック、東日本大震災とつづいた経済下押し要因の色濃く残った2012年度は、それまで500兆円をこえていたGDPが、それを切っていた年です。つまり、40兆円の内訳は復興の部分が大半であり、5年かけて戻った、というに過ぎません。
しかもその間、一般会計は7兆円拡大しています。それは歳入面で、大体15兆円の税収入が増加しており、公債金による調達を減らした中で、歳出を増やす分に割り当てたのが7兆円ということになる。しかしここにはからくりもあって、消費税増税がその間に行われており、年金負担が増えた分を公債で賄い、特別会計に回していたものが減った、ということです。そう考えると、実質的には消費税増税の7兆円を除くと8兆円程度の税収入分を、そのまま歳出に回していることになり、増税以外の財政として考えると、ほとんど改善はされなかった、ということになります。
ではその間、円は対ドルで85円から一時的には120円まで低下しているので、実に3割も価値を低下させている。法人税収の増も、海外売上の円ベースでの上昇を考えると大体説明がつきます。しかもその間、日銀はマネタリーベースの拡大をつづけ、当座預金残高は47兆円から370兆円へと一気に拡大した。つまり5年間で平均しても、毎年60兆円以上を市場にお金をばらまきつづけたのに、GDPはたった40兆円しか増えていない、となるのです。
結論をいえば、日銀の大量の資金供給と、増えた歳入を歳出に回す、という経済成長をモデルを描いた安倍ノミクスは、そのかけたコスト分ほどの効果が出ていない。どころか、そのかけたコストは日銀の信用を犠牲にして成り立つもの。それを代償として得られた果実はまったく小さかった、となります。一言でいえば失敗、個人的には大失敗、というのがその本質でもあるのでしょう。FRBは資産圧縮の工程に入りますが、日本はそれすらできない。資産を圧縮した途端、経済規模はみるみる急減速していくからです。
では、安倍ノミクスで成功とされる雇用について、毎月勤労統計でみると12年12月は4600万人、17年5月は5000万人と400万人の増にすぎません。しかもアルバイトなどの短期就労が入っていないことを考えると、アルバイトをパートなどに切り替えたり、働き方の多様化で2社、3社で働いていることなど考えると、実は微々たるものでしかない。
さらに季節調整を考え、13年5月と17年5月の現金給与総額を比べると、26.7万円と27.0万円。わずか3000円の上昇でしかないのです。これでインフレになどなるはずもなく、安倍ノミクスの「脱デフレ」の試みは完全に失敗した、ともいえるのでしょう。しかし常用雇用が増え、賃金も僅かながら増えたなら、家計は潤っているのでは? とも言えますが、その分は消費税増税で吸い上げられており、また年金支給の遅れ、介護保険の増などと相殺してしまう分もあり、恐らくこれが日本の景気がよくならない原因、とも考えられます。
総論として、安倍ノミクスは国家総動員法のように、老人は死ぬまで働け、女子供も時間を見つけて働け、日銀は金をばらまけ、といった戦時の緊急事態のような施策により、経済を下支えしてきたものの、その限界が近づいている、ということになるのでしょう。間違いなく「安倍ノミクスは道半ば」ではなく、「安倍ノミクスは無知なバカ」によって日本を危機に貶めるだけの愚策だった、ということになるのでしょうね。
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