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雑感、米国の小売売上高と個人債務
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52994420.html
2017年08月16日 在野のアナリスト
米国ではNAFTA再交渉が始まります。昨日発表された米7月小売売上高は前月比0.6%増。市場予想(0.4%増)よりよいばかりか、6月も0.2%減から0.3%増に上方改定されていますから、尚強い数字といえます。しかし気になるのは、自動車が7月は1.2%増、6月は0.9%増と、全体の数字よりも強いことで、自動車部品も合わせるともっと強い。つまりその分、一般消費の部分は抑えられているのであり、自動車の強さも、自動車サブプライムローンや販売奨励金の一服で、一時落ち込んでいたものの、ここにきて回復したのはNAFTA再交渉により、輸入車の価格が上がる前の駆けこみ需要ではないか? とみられます。
住宅価格も、カナダからの木材輸入に関税がかかるようになれば上がる、とみられますが、すでにカナダの大規模森林火災があり、NAFTA再交渉がなくても上がっている。住宅は投機マネーも多く、上がる分には購買意欲が下がらない点もあります。一方で、自動車は課税されれば影響は甚大です。しかも、ここにきて売れなくなった自動車の大幅値引きも目立つようになり、一方で中古車市場の崩れもあり、価格は低下している。今が買いやすく、将来に買いにくくなるので、ここで買っている面が強いのではないか? そうなると消費が堅調、との見方も一時的なものにすぎない、ということになります。
心配な情報は他にも、4-6月期の米個人債務が前年同期比5520億$増え、13兆$弱と過去最高となった。住宅や自動車の販売が好調なら、高額消費であり当然増えるものですが、賃金上昇が限られる中で、本当に返済していけるのか? 世界的な傾向として、超低金利が生み出したあだ花、金利上昇局面で、それがどう変化するかは予断を許しません。
米株式市場が割高、と答えた投資家が46%と過去最大、という記事もあります。これまでも指摘してきたように、今の市場は『買うから上がる、上がるから買う』で成り立っています。昨日の日本市場でも『北朝鮮リスクの緩和』として株が上昇しましたが、もう一つ特徴的なのが為替が円安にもどしたこと。今のドル円は108-115円のレンジ相場であり、108円を割って更なる円高にいく動きを拒絶しようとした、そんな動きといえます。
株も為替も、下の動きに一旦傾くと、ロスカットも含めた動きが大きくなることから、それを防ぐ動きが活発です。しかしそれで支えられているうちはよいですが、想定以上に大きな動きとなると、予防保全的な動きの分も下げをきつくしてしまう。今はまだ北朝鮮の問題にしろ、想定の範囲にとどまっているので切り返しますが、いずれこうした動きも限界を迎えます。9月は需給的に下がりやすい月、そのタイミングで何か起こるのか? それともまだまだゴルディロックス相場をつづけるのか?
注意すべき水準とはいえますが、何がキッカケになるかは不明であるため、断言はできません。しかし種々の危険を示すバロメータだけは、どんどん上昇をつづける。いつそれが弾けるのか? 今はそのタイミングだけが問題といえるのでしょう。いつまでも続けることができない形で、市場は上昇をつづけてきました。それが正常化するだけで、下落のキッカケになりかねない。今、気になるのはトランプ政権への見せしめ的な相場の下落であり、企業経営者が逃げ出し始めていることでも分かるように、相場関係者まで逃げだすようだと、米国の終わりの始まりが見えてくるのかもしれませんね。
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