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東京・湾岸エリアにはタワーマンションが立ち並ぶ(撮影:今井 康一)
持ち家を苦労して買った人が将来抱える爆弾 東京・湾岸マンションはかつてないほど高騰
http://toyokeizai.net/articles/-/183374
2017年08月07日 山川 清弘 :東洋経済 記者
東京・豊洲駅周辺は6061万円で前年比2.4%値下がり、同・勝どき駅など晴海エリアは8062万円で同0.6%値上がり(2016年と2017年1〜6月の70平方メートル台の中古マンションの平均価格、カウル調べ)。
タワーマンションが人気の東京・湾岸エリア。品川やお台場に続いて、いま最も関心を集めるのが月島、勝どき、晴海を中心とした、住所が「東京都中央区」となる地域だ。豊洲など江東区の開発が一服ぎみなこともあり、大手デベロッパーが供給する新築物件の主戦場となっている。
一番人気は、三井不動産レジデンシャルや鹿島が事業主体となったタワーマンション「KACHIDOKI THE TOWER」だ。築地市場から勝鬨橋を渡った勝どき・晴海地域はまだまだ開発途上で商業施設が少ないのだが、晴海の「DEUX TOURS」(ドゥ・トゥール)の1階にスーパーが入居したことなどで住環境も向上してきており、新築計画が目白押しだ。
■旧価格に「×」をつけて値引きするチラシも
「KACHIDOKI THE TOWER」は、モデルルームや販売事務所だった部屋を他社が買い取り再販する際に値付けを見誤ったため、旧価格に「×」をつけて値引きするチラシが出回ったりもしているが、ほかの部屋や周辺物件に悪影響は出ていないようだ。
『週刊東洋経済』は8月7日発売号(8月12・19日合併号)で「親の住まい 子の住まい」を特集。全国主要駅での戸建てとマンションの価格データを公開し、高齢者の終の住処(ついのすみか)としての自宅、サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)、老人ホームの優劣も比較している。
建築費の高騰や地価上昇で、新築マンション価格が高水準になり、サラリーマン世帯には手が届かなくなってきた。湾岸地域に限らず、東京駅や大手町駅にダイレクトに乗り入れる路線(たとえばJR京浜東北線、東京メトロ東西線など)の主要駅に隣接した駅近物件は6000万円台、7000万円台がざらだ。
数年前から、持ち家が必ずしも新築であることにこだわらない世帯が増えており、中古マンションが売れている。2016年にはついに、首都圏の中古マンション成約戸数(3万7189戸)が、新築マンション供給戸数(同3万5772戸)を初めて逆転した。
大手デベロッパーは新築マンションの急激な値崩れを防ぐ目的もあり、手持ち在庫を一気に放出せず、開発エリアも需要の見込める駅近立地に絞り込んでいる。消費者は高価格に加えて、自分の望む立地に手ごろな物件を探しにくくなっている。
このため、同エリアなら2000万円ほど安い中古マンションを買い、1000万円ぐらいかけてリフォームして住み替えるというような需要も出てきている。全国的にも新築マンションの平均価格が新築の戸建て住宅の平均価格を上回る駅が続出しており、若い世代でもマンションから戸建て購入へシフトする動きがある。
■高齢者は郊外戸建ての処理に悩む
一方、苦労して都心に新築物件を手に入れた現役世代には将来、別の悩みが待ち受ける。
戦後から高度成長期にかけて、住む家の少なかった日本では戸建てやマンションが大量に供給された。東京で働くために、多くの人が地方から移り住んだ。日本では一貫して地価が上昇したため「土地神話」を生み、持ち家志向を決定づけた。
バブル期までの地価上昇で、都心部で家を持つことが困難になり、宅地開発は首都圏の奥に広がった。ニュータウンが国道16号線を越えて外へ外へと開発されていった。自立して都心に世帯を構えた現役世代は、共働きであることも多いため、郊外の駅からバスに乗らなければたどり着けない実家に戻ろうとは思わない。
バブル崩壊で地価は下がり、築20〜30年を超えた建物は評価額がゼロになってしまうため、売却すれば損が出てしまう。年老いた親は介護施設へ移ることもあり、放置された実家はやがて空き家になる。取り壊せば費用がかかるし、兄弟姉妹で相続するのも面倒だ。
高度成長時代、サラリーマンの「住宅すごろく」では、東京の企業に就職した若者は勤務先からほどよい距離にアパートを借り、独身生活を始める。やがて結婚・出産で家族が増えると、手狭な部屋からマンションや戸建てに引っ越す。それもまだ賃借なのだが、出世とともに収入が増えていくと、郊外に戸建て住宅を購入する。昭和世代の「一国一城の主」の完成である。
ところが平成の住宅すごろくはこれで「上がり」にはならない。野村総合研究所の試算では、2030年度の新設住宅着工戸数は持ち家が18万戸、分譲11万戸、貸家25万戸の計55万戸にまで縮小する。ちなみに2016年度の実績は約96万戸。今から4割近く減る計算だ。バブル後のピークだった1996年度の163万戸と比べると3分の1以下だ。加えて、既存住宅の除却や、住宅用途以外への有効活用が進まなければ、空き家率は現在の15%程度から2033年には30.4%へ倍増するという。
親の世代がせっかく苦労して手に入れた実家のマイホーム。数十年を経て、現役世代にとってやっかいな将来の爆弾となるケースも増えていきそうだ。
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