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お金を払って大丈夫? 「悪質クラウドファンディング」の見抜き方 「そらゆめ」破綻に学ぶ要注意ポイント
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52338
2017.08.05 荘司 雅彦 弁護士 現代ビジネス
夢のあるプロジェクトに、みんなで少しずつ資金を出して、成功に導く「クラウドファンディング」。うまくいけば、これまで世の中になかったおもしろい商品が手に入る――。
気軽に参加でき、心も躍る新しいサービスとして急速に広がる一方、そのリスクはまだまだ知られていない。今年破綻した「そらゆめ」の例から、クラウドファンディングとの付き合い方を弁護士の荘司雅彦氏が解説する。
■「クラウドファンディング破綻」の衝撃
モバイル向けゲームコンテンツの企画・開発を手がけ、人気ゲーム「ひぐらしうみねこカードバトル」などを提供していることで知られる「株式会社そらゆめ」が倒産し、破産手続き開始決定受けていることが話題になっています。
破綻した「そらゆめ」のHP(現在は削除)。トップ画面の目立つ場所にクラウドファンディングへのリンクが張られていた
負債総額2億4100万円と、決して大規模倒産でもなければ、一般的な有名企業でもない企業の倒産が注目を集めている理由は、同社が「CROSSクラウドファンディング」というクラウドファンディングのプラットフォームを運営しており、同プラットフォームも破綻してしまった点にあります。
そもそも、クラウドファンディングとはどのようなものなのでしょうか?
あらたまって言えば、クラウドファンディングとは「ある目的を持った事業法人や個人に対し、インターネット上のプラットフォームを使用して、不特定多数の出資者が集まって資金提供を行うこと」を指します。
このように定義されてもピンとこない方もたくさんいると思われますので、参考として、大手のプラットフォームであるレディーフォー(READYFOR)のサイトを見てみましょう(外部リンク:別ウィンドウが開きます→https://readyfor.jp/)。
同サイトには、様々なプロジェクトが紹介されており、「支援総額」「残り日数」そして「達成率」が表示されています。
これら、クラウドファンディングのプロジェクトは、大きく分けて「寄付型」「購入型」「金融型」の3種類があり、金融型の中には「貸付型」「ファンド型」「株式型」があります。
「寄付型」というのは、災害援助のために寄付や事業や人を応援するためにネット上で多数の人々から広く寄付を募るもので、原則として対価としての見返りはありません(「ふるさと納税」のように返礼品がもらえるケースもありますが……)。
「購入型」というのは、制作された商品などを資金提供者が対価として得られるもので、”対価契約”であるという点で「寄付型」と大きく異なります。
「金融型」は、ネット上で広く集めた資金をスタートアップ企業等に貸し付けるものや、集めた資金を同じようなスタートアップ企業等に株式として出資するものであり、銀行等金融機関の業務に近い性格を有しています。
■「そらゆめ」破綻の混乱が大きかった理由
今回倒産した「株式会社そらゆめ」の運営するプラットフォーム「CROSSクラウドファンディング」は、集まった資金の対価として商品を提供する「購入型」クラウドファンディングのプラットフォームでした。
通常、こうした購入型プラットフォームでは、先にご紹介したレディフォーのように、プラットフォームと実際にプロジェクトを遂行するのは別会社で、個々のプロジェクト遂行者がプラットフォーム側の審査や援助を受けながら、商品や内容がアップされます。
そのような場合、プラットフォームの「利用規約」を見ると、プラットフォーム(先の例だとレディフォー)は、出資者とプロジェクト遂行者とをつなぐ場の提供を行っているだけで、支援者とプロジェクト遂行者との間のトラブル等の責任は負わないとされています。
ですから、プロジェクト遂行者の提供した商品やサービスに問題があったような場合は、支援者とプロジェクト遂行者の間で解決することになります。
「CROSSクラウドファンディング」の利用規約。オレンジ色の枠で囲んだ部分に、販売サービスに関する一切の責任はプロジェクト遂行者の側にあると定めた文言がある(色枠は編集部が追記)
ところが、「株式会社そらゆめ」は、プロジェクト遂行者でありながら自らプラットフォームを運営していたという点が大きな問題に発展したのです。
■働かなかったチェック機能
プラットフォーム運営会社だけが破綻して、プロジェクト遂行者に問題なければ、支援者としてはプロジェクト遂行者に対してプロジェクトの遂行を直接要求することができます。
仮に、プロジェクト遂行者がプラットフォーム運営会社から支援金(正確には支援金からプラットフォーム運営会社の手数料を差し引いた金額)を受領していなくとも、それはあくまでプロジェクト遂行者とプラットフォームの内部関係なので、支援者に対して「お金を受け取っていないので商品やサービスは提供できない」と言うことはできません。
逆に言えば、資金を出す支援者は、プラットフォームが破綻してしまっても、入れた資金に見合う商品やサービスを受け取る権利があるわけです。
一方、プロジェクト遂行者が破綻してしまったような場合は、プラットフォームの「利用規約」にあるように、プラットフォーム運営会社は責任を負わないので支援者が損失を被ります。
支援者のなかには、「自分がお金を出したのはプラットフォームを通じてだし、プラットフォームがきちんと審査しているからなにかあったら責任を持ってくれる」と思っている人もいるかも知れませんが、これは誤解ですから、注意が必要です。
もちろん、プラットフォーム上のプロジェクト遂行者が破綻すれば、プラットフォームの信用にも関わるので、法的な責任がなくともプラットフォーム運営会社もダメージを受けることは間違いありません。
こうしたイメージダウンになる事態を避けるためもあって、通常の「購入型」クラウドファンディングでは、プラットフォーム運営会社が自らのプラットフォームの信用を維持するためにプロジェクト遂行者をサポートし、業者が信用できるかどうかを出資者に代わってモニタリングしています。お互いに緊張関係があるわけです。
ところが「株式会社そらゆめ」の場合は、プロジェクト遂行者であると同時にプラットフォーム運営会社であったため、モニタリング機能が全く働かなかったものと考えられます。ここが大きな問題なのです。
■リスク管理のためにチェックすべきポイントは
支援者に変わってプロジェクト遂行者をモニタリングすべき(別個の)プラットフォーム運営会社の不在が、「株式会社そらゆめ」破綻による混乱を招いたと私は推測しています。そういう意味では、本来緊張関係にあるべきプラットフォームの運営会社とプロジェクト遂行者を同一にしていた「株式会社そらゆめ」の社会的責任は重大であると考えます。
もし、「株式会社そらゆめ」が運営していた「CROSSクラウドファンディング」のプラットフォーム上で「株式会社そらゆめ」とは別個のプロジェクト遂行者に支援した人がいたとすれば、(同プラットフォームの「利用規約」の内容にもよりますが)プロジェクト遂行者に直接商品やサービスの提供を請求できる可能性があるので、プロジェクト遂行者に直接連絡してみて下さい。先述したように「代金を受け取っていない」という理由で商品やサービスの提供を拒否することはできません。
以上のように、クラウドファンディングは日本ではまだまだ新しいシステムなので、リスクをしっかり認識しながら利用する必要があります。
まず、プラットフォーム運営会社とプロジェクト遂行者が別個であることを確認したほうがいいのは言うまでもありません。そして、プラットフォーム運営会社の評価や過去の実績だけでなく、プロジェクト遂行者が、きちんと正式名称や住所を記載しているか、独自のHPがどうなっているかなどもしっかり確認すべきでしょう。
また、とりわけ「購入型」のクラウドファンディングには、「プロジェクトをネット上に公開したとき、多くの人々の支援を受けることができるか」をスクリーニングする機能があるということも忘れてはなりません。「そんな商品あったらいいな」と感じる人がたくさんいることによって、プロジェクトは成功に導かれるのです。
ところが、時として、プロジェクト遂行者やその関係者が、多くの支援が集まっていないにもかかわらず、支援金の達成率を意図的に上げてみせていることもあります。本当に多くの人が応援しているプロジェクトなのか、支援人数もチェックすることをお忘れなく。
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