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生活保護の女子高生、奨学金も夢も奪われ今なお終わらぬ葛藤 既婚三股男が傷つけた幼い娘の心、シングルマザー不倫の代償 
http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/857.html
投稿者 酢 日時 2017 年 8 月 05 日 07:57:10: JVuupfBNpkXsE kHw
 

2017年8月5日 みわよしこ :フリーランス・ライター
生活保護の女子高生、奨学金も夢も奪われ今なお終わらぬ葛藤

http://diamond.jp/mwimgs/e/9/600/img_e9301a6e35abea9fe2471ac34e6cd25e137469.jpg

2014年、福島市の生活保護母子世帯で育つ女子高生が、給付型奨学金の全額を収入認定で失い、学園生活も将来の希望も奪われた。久しぶりに会った彼女の「心の叫び」とは?(写真はイメージです)
あの女子高生はいま?
奪われた学園生活と希望

 2014年4月、福島市の生活保護母子世帯で育つ高校1年生の少女が、自らの努力によって獲得した給付型奨学金の全額を収入認定(召し上げ)された。約1年半後の2015年8月、厚労省は福島市の決定を不当とする厚労大臣裁決を下した。さらに給付型奨学金およびアルバイト収入を塾代などに充当することを認める通知を発行し、用途の制限を緩和した。

 少女はその後、夢へ向かって歩みつづけているのだろうか。

 2017年7月、私は2年ぶりに彼女・アスカさん(18)と対面した。

 2015年のアスカさんはシャープなイメージを漂わせ、ハキハキとした口調でこれまでの歩みと将来の希望を語る、建築家志望の聡明な高校2年生だった。そのときすでに、高校生活の困難から、アスカさんは大学進学を断念していたが、建築家への次の歩みとなる就職のために努力し続けていた。

 目の前のアスカさんの顔立ちや表情からは、2年分の成長が感じられる。しかし2年前の明るさは全くない。大学進学を断念し、夢に近づく就職も断念したアスカさんは、結局は入学した高校での学校生活と卒業まで断念することになり、現在は通信制高校に在学している。また精神的な健康も失われ、心療内科で治療を受けている。

 アスカさんのかつての高校の同級生たちは、この3月に卒業し、今は大学進学など次のステップに進んでいる。

 アスカさんに何が起こったのかを理解するためには、アスカさんと母・ミサトさんのこれまでの歩みを知ることが、どうしても必要だ。やや長くなるが、その経緯を紹介したい。

「前例」「均衡」を理由として
理不尽に奪われた給付型奨学金

 アスカさんと母・ミサトさんが生活保護で暮らし始めたのは、アスカさん小学6年生の夏だった。それまで、母娘はあらゆる面で不安定な生活を余儀なくされてきたのだが、ミサトさんが心身を病み、生活保護以外の選択肢がなくなったのだ。2015年、高2だったアスカさんが語ったところによれば、小学6年の時に生活保護で暮らすことになって、「少し落ち着いたかな? という感じになりました」ということだった。

 中学生になったアスカさんは、「建築家になりたい」という夢を抱いた。落ち着いた勉学どころではない環境にあったアスカさんの成績は、中の下というところだった。しかし「夢に向かって進むことをやめたらダメになる」と始めた猛勉強は、成績の急上昇に結びついた。中学3年のときには給付型奨学金に応募し、高校3年間にわたって年間17万円を獲得できることになった。ちなみに、高校生活を送るにあたって学費以外に必要な経費の平均は、年間41万円である。

 アスカさんはさらに、志望校であった公立高校にも合格し、建築家への夢へと近づいた。実習や遠隔地への視察旅行など、普通科の高校生より多くの費用を必要とする高校生活は、自らの努力によって獲得した年間17万円の給付型奨学金によって、大きな問題なく送れるはすであった。

 もちろん、給付型奨学金の選考に合格したことや年間の給付金額などは、その時点で担当ケースワーカーに報告していた。

 ところが、希望の高校に進学した直後の2014年4月、担当ケースワーカーは、給付型奨学金を全額「収入認定」することを母娘に告げた。

 生活保護世帯は、生活保護基準の範囲で生活を営む義務があるため、それ以上の収入は、原則として「収入認定」、つまり召し上げられてしまうのだ。しかし、生活保護の目的の1つである「自立の助長」のために使用するのであれば、「収入認定除外」(召し上げない対応)とすることが望ましい。このことは厚労省も通達などで繰り返してきている。しかし、福島市のケースワーカーが述べた理由は、「国の規定」「一般世帯と均衡が取れない」「前例がない」だった。

 なお、給付型奨学金の趣旨を考慮し、高校生自身が全額使用できるようにしてきた自治体は、2015年当時も他地域にはあった。「前例」はあったし、それを可能にする厚労省の運用規則もあった。しかし、福島市のケースワーカーたちは知らなかったのだ。

突然の体調変化で朝起きると嘔吐
「収入認定」による人生のつまずき

 重く固い表情、顔を伏せたまま口を開けずにいるアスカさんの横で、母・ミサトさんがアスカさんの高校生活について語り始めた。

 2014年4月、母娘に対して、高校に進学したばかりのアスカさんの給付型奨学金が収入認定されることが告げられた。アスカさんは「は? なんなの?」と怒ったという。

 翌月の5月から、アスカさんの体調に変化が現れた。朝、起きると嘔吐。学校でも嘔吐。しかし内科的な疾患はなかった。結局、ミサトさんが現在も通い続けている心療内科で、アスカさんは「身体化障害」という診断を受けた。ストレスによる身体の変調だ。ついでアスカさんは「人と接するのが怖い」と言い始めたという。

「中学までは特に問題はなく、お友達ともお付き合いできていました。『なんで? 急にどうしたんだろう?』と思いました。ただ、理由は……なんとも言えません。高校に進学して環境が変わったせいなのか、専門家としての将来や進学を目指しているクラスメートたちに囲まれてなんとなく居づらかったのか」(ミサトさん)

 高校生活と次の進路を考えるにあたっては、今日も明日も明後日も来週も来月も、進学や就職が具体的な課題となる近未来も、高校での学校生活と家庭生活が大きな問題なく営めるという前提が必要だ。周囲のクラスメートのほとんどが、その前提を疑わずにいられる中で、せっかく努力によって獲得した給付型奨学金を使えなくなったアスカさんにとって、高校の教室の風景や同級生たちの笑顔は、どのようなものであっただろうか。

 クラスメートにとって重要な「当たり前」が、クラスメートと同じ制服を着て同じ教室で同じように学んでいるアスカさんには「当たり前」でない。しかも、アスカさんが努力によって獲得した給付型奨学金があれば、まだ「当たり前」に近い状況でいられたはずなのだ。

「アスカの具合が悪くなったのは、収入認定された直後でした。言われてみると、少なからず影響はあったのかなあ? と思います。やはり、やる気をなくしている状態でした。高校の次を目指してテンションが高くなっている同級生たちの中に、アスカが1人だけいれば、浮くような感じになってしまうでしょうし」(ミサトさん)

 それでもアスカさんは、真面目に高校に通い続けた。実習に必要な用具が少し壊れても、消耗部品がなくなっても、修理も交換もできなかった。それでも実習をこなし、課題を提出した。

 高校2年だった2015年の8月、厚労省は福島市の給付型奨学金に対する収入認定を不適切とした。そのとき、アスカさんはすでに大学進学を断念していた。「せめて残り半分の高校生活は、クラスメートと同様に送れたであろう」と期待したくなるのが人情だろう。しかし現実は残酷だった。

 アスカさんは高校2年の後半から、高校を欠席しがちになった。進級や卒業に影響が及ぶほどの欠席日数ではなかったが、高校3年の夏休みが終わるころ、アスカさんは「もう高校に通い続ける自信がない、怖くなった」と、通信制高校への転校希望を口にした。ミサトさんは「無理させるつもりはありませんでした。今まで、毎日毎日、1日に何回も嘔吐しながら高校に通っていたのを見てきていたので、『いいよ、これ以上頑張らなくて。あなたの好きにしなさい』と」と語りながら嗚咽に声を詰まらせ、「逆に、無理させてしまったんじゃないかと」とつぶやく。

 今、アスカさんは、心療内科での治療を受けながら通信制高校に在学している。残りの単位は10単位ほどだが、スクーリングが近づくたびに不安になる。それでも、今年度中には卒業できそうだ。

現金という「補装具」があれば
障害は困難につながらないかもしれない

 最近になって、アスカさんは「アスペルガー症候群」と診断された。2年前、2015年9月に会ったアスカさんを思い出すと、言われてみれば「アスペルガー症候群の影響だったのかな?」と思い当たる節がなかったわけではない。しかし、特に困難や問題として表面化している印象は受けなかった。アスカさんのギリギリの頑張り、あるいは大人の他人である私に弱く苦しいところを見せずにいようという心遣いであったのかもしれないけれど――。

 そもそも、自分で「ちょっと大変」「なんだか疲れる」と思いながら、あるいは周囲に「ちょっと変わってる」と思われながら、大きな問題なく学校生活や職業生活を送っている発達障害や精神障害の人々は、どこにでもいる存在だ。

 特に学校では、1つ2つの得意科目や「一芸」を評価されていれば、それほど大きなストレスを感じずに学校生活を送ることができるだろう。職場でも、「発達障害? ああ、言われてみれば確かに。でも、彼女の専門分野の知識と技術とセンスの代わりになれる人は、そう簡単に見つからないし、悪気があって空気を読まないわけではないのはわかるから」と評価されて幸せな職業生活を送れる人々はいる。

 アスカさんも、高校生活が始まったときから問題なく給付型奨学金を使えていたら、そういう風に高校生活を送り、次のステップに進めていたのではないだろうか。そう問いかける私に、母・ミサトさんは「……それは、思わなくもないです」と重い口調で語る。

苦痛とダメージへの思慮が
見られない福島市の対応

 現在、元高校教員を中心とする理解者たち、アスカさんの身の上に起こった残酷な出来事が二度と誰にも起こってほしくないと望む弁護士たちの支援によって、損害賠償を求める訴訟が継続中だ。訴訟は給付型奨学金を収入認定された翌年、福島市の収入認定処分の取消しと損害賠償を求めて開始された。

 原告は、高校2年だったアスカさんとミサトさんだ。「損害賠償」と言えばすぐ「カネ目当て」という批判が現れるのは日本の常だが、失われた機会や心理的苦痛を司法の場で問題にする手段は、損害賠償請求訴訟しかないのである。

 なお訴訟に先立ち、2人は福島県に対して審査請求・再審査請求を行った。アスカさんが高校1年だった時期である。この時期、福島市は収入認定した給付型奨学金を少しだけ返還したりしていたのだが、すべて使えるようになったのは厚労大臣裁決が行われた2015年8月以後のことで、アスカさんはすでに高校2年になっていた。

 しかも、奨学金はいったん福島市が全額を預かり、アスカさんが「申請して使わせていただく」という形だ。ときには、何に何円が必要になるかわからない将来の支出について、明細を要求されたりもしたという。現在も続いている訴訟において、福島市は「給付型奨学金は使えるようにしたんだから、もう自分たちに責任はない」という主張を一貫させており、それまでのアスカさんの1年半の高校生活に与えた苦痛とダメージへの思慮は全く見られないという。

 成り行きと現状について、ミサトさん、支援の中心になっている元高校教員、弁護士、そして私が会話し、憤慨していたとき、黙って耳を傾けていたアスカさんが、伏せていた顔を上げて語り始めた。

無残にも潰された希望が
再び芽吹く将来を求めて

 アスカさんは「今でも、『こんなはずじゃなかったのに』と思うときがあるんです。福島市が全然反省してなくて、私の辛さをわかっていないのが、すごく悔しくて」と語り始め、涙を流し始めた。

「誰にも自分と同じ目に遭ってほしくないから、母と一緒に審査請求を行い、訴訟の原告になったんです。最初は、4年も長引くと思っていませんでした。『間違ってました、ごめんなさい』と謝って、今後こんなことがないようにしてほしい、と思っていました。でも全然、そんな様子が見られないんです。これがいつまで続くんだろうと……」

 嗚咽し始め、しばらくして嗚咽が止んだアスカさんに、「酷な質問かもしれない」と思いながら今後について尋ねると、「……やはり、進学というのは、もう考えられないです。そうなると、『就職しなきゃ』と思います」という答えが返ってきた。

 就職についての希望を問うと、しばらく言葉を探した後、アスカさんは「もう、建築を仕事にしている自分は想像できないです」と答えた。幼少時から数え切れないほど繰り返してきた紙模型づくりやイメージスケッチが、全くできなくなってしまったという。

 なぜ、そうなったのか。アスカさん自身にその場で問いかけることは憚られたので、自分なりに想像を巡らせた。そして、「それはそうだろう」という気持ちになった。

 大好きな○○への情熱が、「○○を職業にしている自分の将来」という夢につながり、努力の一歩へと踏み出させ、成績を上昇させ、給付型奨学金獲得と、夢に近づける高校への合格につながった。

 ところが、給付型奨学金がいきなり召し上げられ、○○を職業とする将来への道であったはずの高校での学びや学校生活が、思うに任せない状況となった。1年半の困難な高校生活の後、給付型奨学金は自分の手元に戻ってくることになったが、失われた機会や時間、心身へのダメージ、将来への希望を完全に修復することはできない。給付型奨学金を使えることになり、1年半の間に失ったものを引きずりながら、1年半遅れで普通の高校生活が送れるようになった本人に、奨学金を召し上げた本人たちが「私たちは機会を奪わなかった」と主張しているわけである。

 これほど、人間を人間と思っていない扱いがあるだろうか。しかし相手と自分には、最初から圧倒的な力の差がある。結局のところ、自分を前進させてきたはずの「○○」が、自分を再起困難なほど打ちのめしてしまったのだ。打ちのめしたのは「○○」そのものではなく相手たちなのだが、相手たちの強大な力は最初からわかっていることだ。そんな中で思いと考えをグルグル回りさせていると、「○○」がトラウマの源に見えてくるのは、むしろ当然ではないだろうか。

 どうか、自分の生きがい、自分の支えとなってきた何かを「○○」に起きかえ、我がこととして考えてみていただきたい。私にも、かつて自分を導いてきた何かを最も遠ざけるようになってしまった経験が、何回もある。

女子高生から「自立の助長」を
遠ざけたのはどこの誰なのか


本連載の著者・みわよしこさんの書籍『生活保護リアル』(日本評論社)好評発売中
 アスカさんは今、子ども時代に建築と同じくらい好きだったものを、1つ1つ思い起こしている。今は、穏やかに暮らしながら心身の治療を行うことが最優先課題だが、いずれは治療が効果を上げて健康を取り戻し、通信制高校も卒業し、職業生活に就く日がくるだろう。そのとき、自分の希望が少しずつでも叶う職業であるように。アスカさんは懸命に、自らの希望を、再び作り上げようとしている。

 もしもアスカさんが高校入学時から問題なく給付型奨学金を使えていれば、今頃は大学生として建築を学んでいたかもしれない。あるいは、建築の実務の現場で職業人としての一歩を踏み出していたかもしれない。

 生活保護の目的は「最低生活の保障」と「自立の助長」だ。アスカさんから「自立の助長」を遠ざけたのは、どこの誰なのだろうか。答えは、言うまでもないだろう。

(フリーランス・ライター みわよしこ)

(参考)

・生活保護のリアル〜私たちの明日は?「高1女子に奨学金を返還させた福島市の非情」(2015.9.25)

・生活保護のリアル〜私たちの明日は?「生活保護世帯の高校生は夢を持ってはいけないのか」(2015.10.9)
http://diamond.jp/articles/-/137487


2017年8月5日 露木幸彦 :露木行政書士事務所代表
既婚三股男が傷つけた幼い娘の心、シングルマザー不倫の代償(上)


シングルマザーの不倫は最悪の結末を迎えることとなりました(※写真はイメージです)
先週、今井絵理子参議院議員と橋本健神戸市議の不倫が報じられました。今回の騒動ではあまり取り上げられることはありませんが、シングルマザーの恋は、恋をした女性だけでなく、子どもに多大な影響を与えてしまうケースがあります。シングルマザーの環奈さんは彼の「妻と別れて結婚する」という言葉を信じて、既婚男性と不倫してしまいます。自宅に居場所がない男性は環奈さんの実家に入り浸り、やがて幼い娘さんは彼をお父さん的に慕い、懐きます。ところが彼には妻だけでなく、第三の女性がいることが明らかになり、一方的に別れを告げられてしまうのです。(露木行政書士事務所代表 露木幸彦、文中すべて仮名)

 先週は今井絵理子参議院議員と橋本健神戸市議の不倫疑惑が大きな話題になりましたね。両名は早々にコメントを出したのですが、「2人が一線を超えたかどうか」「橋本氏と妻の婚姻関係が破綻していたかどうか」「略奪不倫なのかどうか」など恋愛的な部分に終始しています。しかし、本当に大事なことをすっかり忘れていませんか?

 それは「子どもの存在」です。今井さんに聴覚障がいを持つ息子さんがいることは周知の事実ですが、「シングルマザーの恋」は始めるにしても終わらせるにしても子どもへの影響は不可避です。

シングルマザーが引っ掛かりやすい
「離婚するする詐欺」

 体力的、時間的、そして精神的に追い詰められたシングルマザーが「癒し」を求める。そして妻と上手くいっていない既婚男性が「すぐに肉体関係をもてそうな女性」を見つけると、「妻とは離婚するつもり」という口説き文句で熱烈アプローチをするというシチュエーションは決して珍しくありません。

 この手の不倫は決まってトラブルに発展するので私のところへ相談しに来る女性は非常に多いです。「妻との離婚」をエサに女性を口説くことを私は「離婚するする詐欺」と呼んでいますが、なぜシングルマザーは詐欺に引っかかりやすいのか、実例をもとに見て行きましょう。

<登場人物>
福井環奈さん(34歳)⇒専業主婦
福井凛香ちゃん(4歳)⇒幼稚園児
高橋良雄氏(42歳)⇒会社員

「奥さんと子どもに不満があって家に帰れなくなって1人で寂しいから私と付き合って、私の実家に入り浸り。でも、奥さんとよりを戻すから、“私たち”が必要なくなったって!?私の気持ちも身体も弄んだ彼が憎いです!結婚する気もないのに『もう少し待って』と言い続け、“私たち”を縛って自由を奪って都合が悪くなったらポイ捨て!どんな思いで私と娘が彼のことを頼りにしていたか……絶対に許せません!」とありったけの怒りを私にぶつけてきたのは福井環奈さん(34歳)。

 環奈さんは3年前に元夫と離婚。シングルマザーとして4歳の娘さん(凛香ちゃん)を育てています。環奈さん1人で娘さんの面倒をみるのには無理があるため、実家で暮らし、母親、そして兄夫婦の協力を得ることで何とか日々をやり過ごしていたのです。

 育児だけに時間、体力、そして気力を取られるなかで知り合ったのが高橋良雄氏(42歳)。環奈さんいわく彼の第一印象は「背が高く格好いいタイプ」だったそうで、張りつめた毎日のなかで癒しを求めていた環奈さん。当然、彼が独身だということを微塵も疑うことなく、付き合い始めたそうです。

独身だと信じて体を許した彼に
奥さんと2人の子どもがいた!

「結婚するつもりじゃなければ体の関係は持ちたくない。遊びというわけにはいかないから」

 環奈さんはそう言って彼からの(肉体関係の)求めを断ってきたのですが、離婚後、環奈さんは子育てに追われ、お酒を飲むような時間的な余裕はありませんでした。しかし、彼と付き合い始め、お酒を勧められるようになり、今までアルコール耐性がほとんどなかったため、ハメを外してしまったのでしょうか。少量のお酒で酔っぱらってしまい、彼からの求めに応じてしまったのです。

「環奈ちゃんとの子どもは欲しいけど、念のため、避妊はしておこうか」

 性交渉の最中、彼からそう言われたことは覚えているそう。しかし、2人の蜜月も長くは続かなかったのです。

 環奈さんが彼の家を訪ねたところ、4人分の傘が置かれていたので、「おかしいじゃないですか?」と問い詰めると「いや、もう引っ越したんだ。表札を変えていなかっただけで」と苦しい弁明をしてきました。さらに「本当のことを知りたいの!」と追及すると、彼は独身ではなく既婚で、同じ歳の妻と8歳、6歳の子どもがいることを白状したのです。

 彼は妻子の存在を明かした後も、環奈さんを何度も食事に誘ってきました。環奈さんはシングルマザーとはいえ、既婚者との交際は「不倫」なので、最初のうち、彼からの誘いを断り続けていたのですが、彼が「嫁とは離婚するから!」と約束したので会うことにしました。

「環奈ちゃんと別れるつもりはない!僕を信じてついてきてくれ、待っていてくれ!将来的には僕と結婚して子どもを産んでくれ!!ずっとそばにいるから」

実家に入り浸る彼に懐く幼い娘
彼と再婚を強く意識

 シングルマザーの相手をしてくれる男性は自分くらいという気持ちもあったのかもしれません。結局、環奈さんも情に流れてしまい、その日の夜も彼に抱かれてしまったのです。実際のところ、彼は妻と上手くいっておらず、妻に追い出されるような形で帰る場所を失い、環奈さんの家に入り浸り、環奈さんの家から出勤することが増えていったのです。

 彼の家庭はいわゆる「こづかい制」で、彼は妻に給料を全額渡し、妻から毎月3万円のこづかいをもらうという弱々しい立場。3万円のこづかいを使い切ってしまえば手元には何も残らず、それでも足りなければアルバイトをするしかないという有様。彼はラブホテルに行くお金もないので、環奈さんの部屋がラブホ代わりでした。

「嫁は家政婦だから気にしないで欲しい。周りの友人は子どもがいても別れている人もいるから、そんなに離婚が大変だとは思わないさ」と彼は事あるごとに離婚を匂わせました。例えば、環奈さんが「奥さんが離婚に反対したら」と聞くと、彼は「理由が経済的なものなら自立できるようサポートするつもりだから」と言い、また環奈さんが「いつまで待てばいいの?」と不安そうな顔をすると、彼は「もう嫁は離婚に納得してくれているんだ。あとは子どものこともあるから、金の話だけさ」と熱く語り、彼が妻と離婚し、環奈さんと本気で一緒になるつもりだと信じて疑わなかったのです。

>>(下)に続く
2017年8月5日 露木幸彦 :露木行政書士事務所代表
既婚三股男が傷つけた幼い娘の心、シングルマザー不倫の代償(下)

>>(上)より続く

 さらに、環奈さんの娘さんは彼と一緒に食事をしたり、寝たりするなかで次第に、彼に懐いていきました。同居している環奈さんの兄の方が付き合いは長いのに、「(兄と)お風呂に入ったら」と言っても嫌がっていたのですが、彼のことを嫌がる素振りは見せず、娘さんは風呂場で彼の背中を洗ってあげたりしていたそうです。また、娘さんが幼稚園で熱中症になり、病院へ連れて行って、点滴をしている最中も泣きながら「(彼に)会いたい!」と懇願したとのこと。今までママ(環奈さん)にベッタリだった娘さんが心を開いたことを環奈さんは喜び、彼の頼もしさに惹かれ、元夫の代わりに娘の父親になってくれたら……と淡い期待を寄せていたのです。

 実際のところ、環奈さんはわずか4年で元夫との結婚生活に終止符を打ち、乳飲み子を抱えて実家へ出戻りました。日夜、育児に奔走しており、外で働いて稼ぎを得ることは難しいので、実家へ生活費を入れることもできず、兄夫婦にも娘さんの面倒も見てもらうこともあるので心苦しい思いをしていました。

 そのため「自立してできるだけ早く実家を出たい」と常日頃考えており、それを叶えてくれるのが彼との結婚(再婚)だったのです。離婚前から付き合っていれば、離婚成立と同時に結婚(彼にとっては再婚)できるに違いない。

 一刻も早く、そして確実に結婚するための方法「離婚前の交際=結婚の予約」と自分なりに解釈していたようですが、百歩譲って彼が無事、妻と別れることができれば、順序違い(離婚する前に付き合い始める)の罪も多少、カモフラージュできるかもしれません。

 しかし、彼にとって離婚の大きな障害となっていたのは「離婚したら、もう子どもに会わせない」という妻の一言。そうこうしている間に3ヵ月が経過し、環奈さんの目論見通りに事は進みませんでした。

生活費も払わず母と衝突も
第三の女性宛てのメール!?

 さらに一緒に生活を続けるうち、彼のだらしなさも露呈し2人の間で次第に喧嘩が増えていきました。例えば、彼は実家のリビングで寝転がりながらテレビを見たり、夕飯を食べても食器を片付けずに置いたままにしたり、風呂上りにタオル1枚でうろついたり……「娘の彼氏」という立場で入り浸っているだけなのに酷い有様です。彼のだらしなさを目の当たりにして、同居中の母親も見るに見かねて彼に対して苦言を呈したのですが、彼は彼で「はいはい、分かりました」と口先で言うだけ。実際にはほとんど反省しておらず、改めるのは一時だけ。すぐに戻ってしまい、生活態度を根本的に改める気がないのは明らかでしたが、それだけではありません。

 彼は平日の大半を環奈さんの家で過ごし、朝と夜の食事を共にし、さらに昼食の弁当を持たせていたので、また扶養家族が1人増えた勘定です。さらに通勤やショッピングなどに母親名義の車を使用するため、ガソリン代や高速代として毎月1万円ほどかかっていました。

 さすがに赤の他人にタダ飯を食べさせたり、無料送迎車を提供するわけにはいかず、業を煮やした母親が彼に対して食費や交通費を入れるよう頼んだそうです。彼も最初のうちは3万円を生活費として渡していたのですが、3ヵ月目から怠るようになり、生活態度や金銭を巡って彼と母親との間でいがみ合いが絶えなくなりました。

 さらに環奈さんに追い討ちをかけたのは「今日そっちに行ってもいいかなぁ。そろそろ雅恵(女の名前)が恋しいよ」という彼からの違う女性宛てのメールでした。

 最初はメールを見て見ぬふりをし、「結婚するのだから」と自分に言い聞かせましたが、最初の数日間は不眠に陥ってしまったそうです。

彼と結婚を宣言する第三の女性
彼から「子連れは難しい」と一方的な別れ

 そんな矢先、彼の三股状態(妻を含める)を決定づける出来事がありました。環奈さんは彼が見知らぬ家に入るところを目撃しました。普段は職場で仕事をしている時間です。そこで環奈さんは「今どこにいるの?」とカマをかける感じで探りのメールを送ったのですが、彼は平気な顔で「会社にいる」と返してきたのです。そして環奈さんは小1時間、件の家の前で待機していたところ、彼と「謎の女」が出てきたのです。

 環奈さんは彼を女性から引き離して捕まえると、少し距離を置いたところで「本当のことを教えて欲しい」と迫ったのですが、彼は「昔、付き合っていた女だ。相談にのっているだけで体の関係はない」としらばくれるばかり。さらに彼がその場から逃げ去ると、今度は女性が環奈さんに向かって「あんた消えてくれる!私は散々、彼に尽くしてきたの。高級なバイクも買ってあげたわ。奥さんとけじめをつけたら私と一緒になるの、わかった!?」と言い放ったのです。

 環奈さんは女性のあまりにも高圧的な態度に屈し、一言も言い返すことはできずにそのまま立ち去りました。彼は会社をサボって女性の元へ通っていたらしく、彼に裏切られたことから気持ちが不安定になり、相変わらず不眠は治る気配はなく、さらにその日から食事が喉を通らず、神経性の下痢が止まらず、トイレのなかで泣き続けることが増えていったそうです。

 そんな一触即発の険悪ムードが長続きするわけもなく、彼と2人きりで買い物に行ったとき、「環奈ちゃんとはずっと一緒にいたいよ。でも、やっぱり子連れは難しいよね」と彼の方から別れ話を切り出してきたのです。

「納得いかない!結婚前提だから娘にも、母や兄夫婦にも会わせたのに娘がいるから無理だって!?」と環奈さんは悲鳴にも似た声を挙げて、取り乱し、涙ながらに「考え直して!」と懇願したのですが、彼は「ふざけるな!!」と怒鳴り付け、環奈さんの手をほどき、自宅へ戻ると去って行きました。

 翌日、彼は「1人になって考えたいんだ」というメールを送ってきたのですが、それ以降は環奈さんからの電話に出ず、メールに返事をせず、結局、LINEも既読になることもありませんでした。

“初めての父”との突然の別れ
受け入れられない幼い娘


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 彼が家に来なくなってから、娘さんの落ち込みぶりは悲惨なものでした。トイレに1人で行けなくなり、夜も環奈さんが手をつながないと「寂しい」と言って夜泣きをするようになったり、彼の名前を呼んで「会いたい!」と言ったり、環奈さんのスマートフォンに3人で撮った写真が保存されているのを知っているようで、必死に画面をタッチしたり。初めて心を許せる父親のような男性に巡り合ったのに、ある日突然、目の前から消えてしまったのだから娘さんのショックは計り知れないでしょう。

 このように環奈さんの子連れ再婚という目論見は水の泡となったのですが、彼と知り合う前に戻ることができれば、まだマシだったかもしれません。しかし、環奈さんは不眠症や拒食症、そして胃腸の不調に悩まされ、さらに娘さんにも心の傷を負わせてしまったのだから取り返しがつきません。

 既婚男性との交際が「不倫」だということを見て見ぬふりをしたり、実家に迷惑をかけるのに知らないふりをしたり、(彼と女性)の浮気を黙殺したり……彼との再婚が「娘のため」だと自分で自分を洗脳し、娘さんの存在が不倫の免罪符だと思っていたら、それは間違いでしょう。

 シングルマザーの恋愛は、他の恋愛に比べ、失恋のリスクが大きくなります。「子どもがいるのに男にうつつを抜かしてはいけない」とは言いませんが、彼と子どものどちらが大事なのか、きちんと気持ちを整理した方が良いでしょうし、万が一の場合、無関係な子どもを巻き込む危険があることを承知の上で交際を始める必要があるでしょう。
http://diamond.jp/articles/-/137726
http://diamond.jp/articles/-/137518
 

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コメント
 
1. 2017年8月10日 10:22:32 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[729]
2017年8月10日 池上正樹 :ジャーナリスト
がん診断後も治療を拒否、引きこもり続けた40代長男の最期


長年、引きこもってきたある男性が「喉頭がん」のために亡くなった。父親は、個人が救われる仕組みの必要性を訴える。いったい、何があったのか(写真はイメージです)
病院に運ばれ2日後に死亡
長男はなぜ治療を拒み続けたか?

 長年、引きこもってきた長男が「喉頭がん」のために亡くなった。48歳だった。

 長男が「がん」の診断を受けたのは、昨年11月に亡くなる9ヵ月前のことだ。しかし、両親にも病名や余命のことを伝えようとせず、その後は一切の診療も治療も拒み続けた。

 食事はまったく喉を通らない状態が続き、水だけで痩せ細っていくなか、看護師が自宅に入院を勧めに来ても、頑として動かなかった。

 しかし、喘ぎ苦しむ声を聞いた次男が心配して救急車を呼んだ。隊員は説得したものの、中からカギをかけで出て来なかった。「中から声が聞こえなくなったら救急車を呼んで」というのが、本人の意思だった。

 ある日母親は、部屋のカギが開いていることに気づいた。本人は、ほとんど声が出ない状態だった。長男は病院に運ばれた2日後、亡くなった。
 
 そんな長男の最期の話を明かすのは、KHJ全国ひきこもり家族会連合会の「岡山きびの会」顧問で、NPO「津山・きびの会」代表の川島〓三さん(〓の字は火へんに亥)。

「救急車に乗せたとき、後ろ目で私の顔をじっと見るんです。“それでいいのか?”と。そのときが眼が生きていた最後でした」

 これまでも筆者は、同じように絶望の中で生きる意志を持てなくなっている引きこもり当事者たちに何人も会い、話を聞いてきた。今回は父親から見た息子像ではあるものの、川島さんの長男もまた、いずれの支援にも反応することなく引きこもり続けてきた。

「引きこもりというのは、欲望の肥大化を否定する積極的な行為ではないか」
 
 以前から川島さんは、感じるままをそう打ち明けていたものの、周囲はなかなか理解してくれなかったという。

 長男がまもなく40歳になろうというとき、国は「ニート」という用語をつくり、対策を始めた。しかし、なぜ対象者に39歳までという年齢制限を設けるのか、川島さんは理解に苦しんだ。

「39歳を超えても働こうとしない人は、障害者かホームレスとして判断するという暗黙の押し付けがあるのではないか」

 引きこもり当事者と同じ目線にどうしたら立てるのかという思考が欠如していると、川島さんはいう。

「我が家の長男の目線はどこにあるのか?」「対話ができない状況はどうして生まれたのか?」「親の教育が悪かったと言えば、それで済むのか?」
 
 川島さんは、どんな人でも社会全体で支え合うシステムができなければ、人類の未来はない、と考えるようになった。

 もともと長男は都会で仕事をしていた。その後郷里に帰り、ホテルでフロントマンを2年ほど務めた。ホテルを辞めた後、「自分の運命だ」と言って清掃会社に勤めた。しかし、熱心に通っていたのは最初の2ヵ月ほど。そのうち気が進まなくなったようで、完全な「引きこもり」状態になった。

息子の情況を病院に聞いても
「個人情報だから」の一点張り

 川島さんは言う。

「長男はいつも時間的な設定を考え約束をするが、守られたことはない。何かを待っているようにも思われるが、その正体は定かではない」

 長男は喉頭がんに侵されていると診断されているのに、頑として診察を拒み、治療を受けようとはしなかった。こうした状況への周囲の対処は、医療の面から考えてどうすればいいのか。親として心配でも、病院に問い合わせると「本人が同伴しなければ『個人情報』のため、お話しできない」と言われた。(親に打ち明けようとしない)息子の目線を、どのように理解したらいいのか。

 様々な事実を並べると、それなりの推測はできる。しかし、それは推理であって、本当の息子の目線であるかどうかがわからない。

 川島さんは、個人レベルの問題意識と地域レベルの問題意識が様々に交差することが人間社会の常であると説明した上で、次のように考えることが重要だと訴える。

「そこには、様々なレベルの矛盾が渦巻いている。この矛盾は、両親の持って生まれた矛盾を引き受けざるを得ないことが多い。引きこもる人の多くは、両親の矛盾を一身に受けてしまうこともある。引きこもる人は、社会の矛盾を一身に抱え込んでおり、自分だけではどうにもならないところまで来ている。そのために、その人に寄り添うことが何よりも大切になる」

個人が全体として救われる
「第4極」の必要性とは?

 この個人的な問題レベルに、社会が十分に気付いていない。これらの矛盾をどこから解決したらよいのか誰も何もわかっていないとして、川島さんは「第4極」の必要性を提唱している。

 第4極とは何なのか。川島さんの説明によると、第1極は政府のガヴァナンス(行政は全体としてここに属する)、第2極は政府に対する反対勢力(野党、組合などがここに属する)、そして第3極としては社会福祉協議会など、第1極と第2極を調整する機関が考えられるという。

 従来は、こうしたシステムによって社会が動かされてきた。しかし、それぞれのシステムの中で必ず個人としての問題が残り、多くの場合、置き去りにされてきた。それは様々ないびつな問題を残したままになっている。

 そこで、個人が全体として救われるようなシステムが必要になる。それが第4極としての個人の救済機関であり、その救済が徹底することにより社会の健全な発達が可能になる。その第4極が社会システムとして健全に機能したとき、社会はさらに全体として発展することが可能になると訴えている。

「私としては、同じような人間を二度と出したくない、と思っているんです」
 
 そのためにも「まず、引きこもっている人たちの気持ちを理解することから始めなければならない」として、川島さんは「第4極」をこれから社会に呼びかけようとしている。

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