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ライザップが相次ぎアパレル買収、ユニクロを脅かす日は来るか
http://diamond.jp/articles/-/134961
2017.7.12 森山真二:流通ジャーナリスト
RIZAP(ライザップ)グループは「ユニクロ」に迫れるか――。テレビコマーシャルで次々に肉体改造したゲスト(体験者)を登場させ、痩身美容分野では今や飛ぶ鳥を落とす勢いのライザップ。パーソナルトレーニングジムという新たなメソッドで急成長しており、売上高、利益は倍々ゲームだ。そのライザップが次に狙うのは強力なブランド力を武器したSPA(製造小売業)事業。相次いでジーンズ専門店や和装商社を傘下に入れ、基盤づくりを急ぐ。SPA大手のユニクロを脅かす日は来るのか。(流通ジャーナリスト 森山真二)
アパレルや流通業を
相次いで買収
今年5月下旬以降、株式市場はちょっとした“ライザップ祭り”の様相を呈した。ライザップが、ヤマノホールディングス傘下だった和装品中心の繊維商社堀田丸正を子会社化すると発表して以来火がつき、相次いでライザップグループの銘柄が高騰した。
傘下のジーンズメイトなど流通業の業績改善なども追い風となって、連日高値が続く状態だった。
「ライザップがSPA?なぜ?」と思う向きも多いとみられるが、ライザップは至って本気のようだ。
ライザップはアパレルや流通業などを相次いで買収している。ファッション衣料通販の「夢展望」、補正下着の「マルコ」、カジュアル衣料専門店の「ジーンズメイト」、そして「堀田丸正」などを矢継ぎ早に買収した。上場、非上場合わせてアパレルや流通業者など実に7社目となる。しかも、ほとんどが業績不振の企業ばかり。債務超過の企業もあったほどだ。
例えばジーンズメイトは、創業50年の老舗カジュアル衣料専門店。2000年3月期には売上高が約250億円あったが、17年2月期は93億円まで減少。ピーク時の半分以下という苦境である。
業績改善を見込む
シーンズメイト
カジュアル衣料専門店はユニクロが台頭、海外からも「ザラ」や「H&M」に代表されるファストファッションの衣料専門店が上陸して店舗を増やしており、ジーンズメイトも競争激化で消費者から選別され、売り上げを落としてきた格好だ。
しかし、ジーンズメイトは今年2月にライザップ入りして以降、リブランディングに着手。ストアデザインやロゴの見直しだけでなく、オリジナル商品の再開発や素材を見直し、着心地の良さを追求した結果、連続して赤字だった営業損益が、18年2月期には通期で黒字を見込めるまでになっている。
同じように東証マザーズ上場の夢展望は17年3月末で債務超過に陥ったため、上場廃止の猶予期間入りと発表されたが、ライザップ傘下で進めてきた改革が軌道に乗り収益が改善、18年3月期第1四半期(4〜6月期)には債務超過を解消する見込みと発表した。女性用補正下着販売のマルコはライザップグループ入り後、わずか数ヵ月で赤字体質から脱却。3期ぶりの黒字化を果たしている。
不振企業を安く買って再生
人材もその道のプロを手当て
株式市場では、こうした相次ぐ体質改善を手がかかりに6月下旬に夢展望をはじめとするライザップ銘柄が再び連日の高値追いを続ける。なかでも夢展望の株価はそれまで500円前後で出来高も少なかったが、7月4日は高値2500円まで買われる場面があった。
不振企業を安く買って、再生することで価値を上げていく。いわゆるオーソドックスなM&Aの再生ビジネスモデルといえそうだが、投資家のハートをがっちり掴んでいるのだ。
ライザップでは傘下に入れた企業を再生して終わりではない。次のステップとしてSPA化を目指すが、一体どう展開するのだろうか。
まずその道で鳴らした人材を手当てしている。例えばSPA展開にあたっては、ファーストリテイリングから執行役員でCIO(最高情報責任者)だった岡田章二氏、またオリンピックで日本選手団公式のユニーフォームを手掛けたことのある宇山敦氏が入社している。柳井正ファーストリテイリング社長の下で、製造小売業とは何かを学んだ二人だ。
タカキューやジーンズメイトにいた経験がある濱中眞紀夫氏が夢展望の社長に就任しているし、スタイライフの創業者である岩本眞ニ氏がエンジェリーベの社長に就いているのだ。
次のフェーズは
「SPA企業化」か
企業経営や事業運営のエキスパートを集め、まず不振に陥った企業を救済する格好で構造改革により再生するのが第一フェーズだとすれば、次のフェーズが「SPA企業化」だ。
SPA化では堀田丸正が生産の中心的な役割を果たすと見られている。堀田丸正が保有する中国現地法人を拠点として、ライザップのグループが進める生産体制の強化に向け連携する。そして、ライザップグループのアパレル子会社の商品を生産調達したり、中国・アジア向けの販売拠点として活用するというのだ。
ユニクロはアパレル生産技術力が上がってきた中国で生産し、海外に輸出しているが、それと同じようなビジネスモデルを構築する考えといえそうだ。
ライザップグループのネット販売の状況を見ると、現在、ジーンズメイトが実店舗を持ちネット通販にも参入、さらに夢展望が若年層向けのネット通販、エンジェリーベがマタニティー向け、ベビーウエアに特化した形のネット通販を展開している。
ライザップは今後のSPAの具体的な構想を体系的に発表していない。このためSPAの事業戦略の全体像が分かりにくいが、堀田丸正の中国の拠点を生産基地とし、トータルな「カジュアル衣料」、「若年層向けのカジュアル衣料」、「マタニティー、ベビー衣料」などとカテゴリーを広げている。どちらかというと、ユニクロというよりも現在の「しまむら」のグループ形成に近い形を目指すとみられている。
もちろん、ファーストリテイリングでSPAのノウハウを蓄積した人材を引き入れたり、企業経営のエキスパートを採用したりして、十分にSPA化に勝算があると見ているに、違いない。しかし、SPAにしても、しまむらのような仕入れ方式にしても、一朝一夕に現在の地位を築けたわけではない。
「肉体改造」の次は
「衣料品改造」を目指す!?
ユニクロは84年に1号店を広島市に開いている。以降、苦節30年以上、SPA一本やりである。フリースがブームになって急成長を遂げるまで、1号店の開業から、実に14年の歳月を要している。
ライザップの経営者はネット通販から身を起こした瀬戸健氏。ダイエットクッキーの販売から現在のライザップメソッドともいえる肉体改造手法を編み出した人。そのオリジナリティは称賛すべきものがある。
同氏はオリジナリティの重要性や、ライザップの効果のように人から称賛される服の製造を説いているから、肉体改造の次は衣料品改造、SPAのアパレルということになるのだろう。
ブランド力は抜群である。有名人が相次いでライザップのメソッドを実践、成功させたことをTVCMで放映、強烈な印象としてブランド名と成功体験が焼き付いている。しかも、M&A企業の事業再生を成功させている。
ひょっとしたら、ライザップグループは数年後にはユニクロやしまむらを脅かす?存在になっているかもしれない。
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