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少子化を受けて、かつてのような教室形態の授業は減少、個別指導へとシフトしている(写真/時事通信社)
学習塾講師のブラックな実態――授業料は高くても低賃金。講師が営業まで兼務する…
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170706-01351737-sspa-soci
週刊SPA! 7/6(木) 8:50配信
飲食店員は涙を流し、運送業界は悲鳴をあげる……昨今、人手不足や薄給による労働問題は枚挙にいとまがない。しかし、待遇は安定、人員も潤沢な業界からも「ウチもブラックだ」と怨嗟の声が聞こえているのだ……
◆高い授業料も低賃金。講師が営業まで兼務、ベテランは雇い止め
小学生の46%、中学生の61%(ともに文科省’16年調べ)、高校生の27%(ベネッセ教育総合研究所’15年調べ)が学習塾や予備校に通うご時世である。「第2の学校」の市場規模は少子化の波をかき分けて毎年微増を続けており、1兆円に迫る勢いだ。教育関連支出を惜しまない親心に支えられた、手堅いビジネス環境と言えるだろう。
ところが、学校の教師とともにわが国の教育を担う学習塾講師の状況は過酷だ。大手学習塾講師の並木創一さん(仮名)は、25歳から1年ごとに有期雇用契約を更新してきたベテランだが、勤続四半世紀の節目、51歳を機に雇い止めを通告された。
「子供や親とのジェネレーションギャップが生じるからだと会社は説明していましたが、賃金の安い若手講師に入れ替えたいというのが本音でしょう」
学習塾は全国で4万8572軒あり(経産省’15年調べ)、コンビニ大手3社の店舗数合計と並ぶ。この過当競争を背景に、最大のコスト要因である人件費には絶え間ない削減圧力がかかる。並木さんの月給はピークだった’00年と比べて6割程度に落ちた。しかもそれでいて、本来は管理部門が担当すべき業務までもが、現場の講師に押し付けられているという。
「講師の評価基準は、@生徒をやめさせない、A生徒を新規獲得する、B生徒を第1志望校に合格させることと私たちは聞かされてきました。Bはともかく、@Aの営業をやらされることに講師たちは苦労しており、これを授業時間中にやるのは、本来の講師の業務とは異なるかと思います」
ひと昔前までは集団授業が中心だったこの業界にあって、各社とも力を入れているのが、個別指導だ。売上高の比率で見れば、いまや全体の8割を超えている。
だが、塾業界の成長エンジンを担っているこの業態には疑問の声が多い。個別指導塾事務局長の坂倉昇平氏もその一人だ。
「学生を低賃金で働かせて、高い授業料で利益をあげるビジネスモデルです。集団塾講師の時給は2000円を超えますが、個別指導塾講師では1200円程度。マニュアル通りに生徒に付き添っていればよく、学歴も問われません。高度な勉強を教えることは求められず、子守に近い場合まであります。勉強したい生徒が多いわけではないので、丁寧に教えようとすると、かなり大変です」
学生時代に個別指導塾講師のアルバイトを経験し、今春から正社員の塾講師として働き始めた戸山彩さん(仮名・24歳)にも話を聞いた。
「学年も性別も違う生徒2〜3人の授業を講師1人で担当するので、ある程度生徒の能力を把握していないと授業にならない。授業準備には給料が出ないのに、始業の1〜2時間前に出勤するのが常態化していました。しかも自分の担当授業が終わっても、他の全生徒の授業が終わるまで帰れない。時給換算すると500円くらいでした」
わずかワンコインで自分の時間を切り売りさせられている人間を、親も生徒も「師」と仰ぐ。そんな世界はまともだろうか。
<ブラック化する3要素>
・経営側からの人件費削減圧力強化
・講師への「営業力」要求
・低賃金形態への急転換
― [教師・警察官・僧侶]のブラック労働が止まらない ―
日刊SPA!
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