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ソフトバンクの大規模M&Aに肩入れする、みずほFGの狙いと算段
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52108
2017.06.24 歳川 隆雄ジャーナリスト 「インサイドライン」編集長 現代ビジネス
■M&A攻勢に「肩入れ」する大手行CEO
最近、孫正義氏が率いるソフトバンクグループの積極的なM&A(合併・買収)攻勢が際立っている――。
6月に入ってからだけでも、同グループは9日にグーグルの持ち株会社アルファベットからロボットの開発会社ボストン・ダイナミクスを買収(買収額は非公表)、さらに13日には筆頭株主のインドの電子取引会社スナップディールを同国ネット通販最大手のフリップカートと合併させることが明らかになった。
米国では傘下の米携帯4位のスプリントが同3位のTモバイルUSと経営統合を目指していることは周知の通りだ。また、中国でも出資先の配車大手・滴滴出行が米ウーバー・テクノロジーズから中国事業を買収したばかり。
こうしたソフトバンクグループのM&A攻勢の背景には、孫社長がサウジアラビアの脱石油・国内改革を主導するムハンマド副皇太子(当時・21日付で皇太子に昇格)と図って立ち上げた「10兆円ファンド」という巨額な”財布”が存在するから可能なのだ、という解説がある。
一方、みずほフィナンシャルグループの佐藤康博経営最高責任者(CEO)の強力な肩入れがソフトバンクグループの広範なM&Aを可能にしているという指摘も少なくない。
事実、昨年の7月にみずほ銀行が英半導体開発大手アーム・ホールディングスの買収資金として最大1兆円を融資すると発表、金融業界で大きな話題となった。というのも、買収後に借り替えるブリッジローン(繋ぎ融資)で、単独の民間企業への融資としては過去最大級であったからだ。
故に、孫正義社長に取り込まれた佐藤康博CEOは無謀なリスクを引き受けたことになると取り沙汰された。では、本当にみずほフィナンシャルGは「乾坤一擲の勝負」に賭けたのか、それとも孫社長に上手くしてやられたのだろうか。
■ノーリスクで100億円以上を手に入れる
結論を先に言えば、実はそうではない。2012年の米スプリント買収に伴う銀行収益を検証してみる。非公表なので、推測の数字である。M&A(助言)フィー:110億円、ブリッジローン:30億円、為替ヘッジ:40億〜60億円、大型案件を呼び込む他の新規ビジネス:50億〜100億円、宣伝効果:10億〜20億円――。
買収に関わる助言料は概ね0.5〜1.0%とされ、これは資本を一切必要としないノーリスクの収益。案件を獲得できる要因は様々だ。(1)信頼関係、(2)助言力、(3)融資・資金力、(4)ランキング・プレゼンス、などが挙げられる。M&Aにとって最重要事項は資金・融資である。融資に積極的な金融機関がM&Aアドバイザーに指名される可能性が高い。大型案件の実績は経験とノウハウを強化、将来、他の企業からの案件を掌中にする。
もう一つ重要なポイントはブリッジローンである。文字通り長期の資金調達(通常は社債発行)までの一時的な繋ぎ融資である。通常3カ月、長くても1年程度であり、ソフトバンクグループが1年で破綻することはない。そして資金を提供する銀行に交渉権が強まり、為替など付随するビジネスも取り込めるのだ。
通常、為替を受け持つ手数料(口銭)として0.01円支払われる。このスプリント買収案件の場合、全くのノーリスクで2億円。実際にはもっと高額な「サヤ」が獲られているのだ。
孫社長は同年1月末に対ドル円レート82.2円で調達したと発表したが、みずほ銀行が実際に購入したコストはもっと安かったはずで、そこで20〜39銭抜ければ40億〜60億円の収入となっていただろう。同社買収発表は10月15日だったが、みずほ銀行は為替レートが78円前後の9月末からドルを購入していたと見られる。
要は、ドル買い・円売りの「玉」が入ると分かっていれば事前にポジションをとって相場の流れに乗る・先取りできるということである。こうした案件をテコに海外のヘッジファンドとの取引を増やしている。1兆円の融資を単独で行っても同行からすれば大きなリスクではなく、むしろビジネス・チャンスなのだ。
そもそも今の時代にメガバンクが軽はずみに博打などやれるはずがない。我々の想像を超えて、したたかなのだ。従って、佐藤CEOは孫社長に誑かされたのではなく、そのM&A路線に上手く乗ったと言っていいのではないか。
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