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日米の中央銀行の動き
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52964939.html
2017年06月17日 在野のアナリスト
日米の金融政策がでてきました。米FOMCは政策金利を0.25%引き上げ、1〜1.25%とし、また資産圧縮にむけた工程表を示しました。市場では年内にもう一回の利上げ、来年も2、3回の利上げを予想しますが、米国では期待インフレ率が1.6%まで急低下しており、3回も利上げすれば上限が期待インフレ率を越えてしまう。金利を上昇させるより、資産の圧縮に舵を切った金融引き締めに転じる、そう考えた方が今後の理解しやすいのでしょう。
日銀の金融政策は現状維持でした。会合後の黒田総裁の会談は、緩和の出口について言質を得ようとする記者と、黒田氏の化かし合いといったところで、ふわふわとした印象です。ただし黒田氏の発言には、奇妙な点が多い。デフレマインドの転換に時間、と述べますが、昨年度も大企業の賃金はマイナスです。人手不足から中小企業の賃上げは強い、と述べますが、業種によっては大企業の半分、という事態が異常なのであって、それが正常化しているとは言えますが、物価を押し上げるほど強くはない。生活に余裕のない家庭に、多少の余裕がでたからといってインフレになるわけではないのです。
イオン会長の「インフレはイリュージョン」発言にもあるように、デフレが事実上はじまっている。つまりマインド転換どころか、現状はすでにデフレに転換している。日銀は消費者物価の低下を、原油安などの資源価格低下を理由にしますが、消費者の購買意欲の低下が最大の原因です。なぜなら資源が下がっても、強気の価格設定をしていればいいのに、それでは売れないから価格を下げるのです。
出口において国債価額の低下により、損失がでるとの懸念については通貨発行益が継続してでるので、円の信認は揺らがない、と述べます。しかしこれはおかしな理論で、通貨発行権をもつ日銀が多額の負債を抱えれば、その時点で通貨の信認が崩れます。すると通貨発行益も低下する。つまり円が暴落すれば、そこから得られる利益も低下する。卵と鶏の話ではありませんが、国債と円、どちらの信認が先に崩れても、日銀には大きな問題が生じるのです。保有する国債が大きく毀損しても問題ない、長期で利益がでるから、などという理屈が成り立つなら、企業の倒産はもっと減っているでしょう。
ETF買入れについては、物価目標達成前でも縮小の見通しを示しましたが、流動性供給が物価上昇に寄与しない、と判明している現在、つづける意味は株価の高値誘導しかありません。しかし最近気になるのは、週末になると日系が先物に大口買いを入れ、高値維持に努めている。安倍政権が世論調査を気にして、週末だけは上げて終わるよう指示をだしているのでは? などと陰口を叩かれるほどで、今週末は売り方との打ち合いになり、売買高も膨らんでしまった印象です。流動性供給どころか、不浄な取引を供給しているようで、もはや国債ばかりでなく、ETFの下落さえ日銀は損失拡大に怯える。政府と一体となった株価維持策も、いずれ弾が尽きれば、その後はどうなるか分からなくなっているのです。
日銀はこっそり国債の買い入れ枠を減らしている、とされます。事実上、買える国債が減っており、テーパリングを始めざるを得なくなった。それを映したのか、英中銀の利上げ支持派の拡大によりポンド安を引き起こしたことに連想したのか、少し円安にふれています。最近、英国の日本化も囁かれており、それは米欧の経済圏とは距離をおく、という意味の位置づけであり、英国の動きは日本に直撃しやすくなるのかもしれません。
日銀と国債、株式、為替市場との腹の探り合いも、ここにきて極まってきた感もあります。それはもう限界を迎えているはずの緩和を、いつまでも続けるとする日銀に対して、呆れ始めているということでもある。日銀による市場との対話、今では化かし合いどころかバカ試合として、日銀の敗北が決定的になりつつある、ということでもあるのでしょうね。
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