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日本のタワーマンションは大丈夫だろうか Photo by Akio Fujita
タワマン火災は東京でも10年間に83件、古い建物は要注意
http://diamond.jp/articles/-/131943
2017.6.14 週刊ダイヤモンド編集部
ロンドンのタワマンで大火災
多くの死傷者が出ているとの情報も
英国・ロンドンで14日(日本時間14日午前9時)に発生したタワーマンション火災。多くの死傷者が出ているという現地情報も流れる中、気になるのがタワマンの林立する日本の防火対策だ。
5年に1度実施される「住宅・土地統計調査」(総務省)によれば、15階以上の高層の「共同住宅」は2003年時、日本全国で約33万棟だった。それが直近の12年調査では約85万棟へと2.5倍以上に増えた。
この間、タワマンでの火災も幸い死者こそ出なかったものの、その件数は2倍以上に増加した。
とりわけ、タワマンが集中する東京都では、10年間で83件の火災が発生。これは隣接する横浜市(12件)や川崎市(2件)、千葉市(5件)、さいたま市(1件)を大きく上回る件数となっている(東京消防庁火災予防審議会資料)。
日本のタワマンは、消防法を始めとする規制により、建築物の高さや階数などに応じて、スプリンクラーのほか、ヘリの離着陸場所や非常用エレベーターといった、厳しい防火対策、防火設備の設置が義務付けられている。
このため、「出火原因が分からないので正確なことは言えないが、感覚的にはロンドンの火災のように、一気に燃え広がるようなことは日本のタワマンでは考えづらい」と、大手不動産関係者は口をそろえる。
古いタワマンの防火対策は
「正直なところ分からない」
だが、古いタワマンについては「正直なところ分からない」(大手不動産関係者)とも言う。
ロンドンの火災を起こしたマンションが竣工したのは1974年。日本にタワマンの歴史が始まったのは、それより3年古い71年のことだからだ。
古いタワマンは、その時どきの規制に応じて作られており、その後は大規模改修の際に新たな規制に基づいた防火対策、防火設備の導入を行っている。
だが、改修には多額の費用が掛かるケースもあることから、「最新のタワマンと同等の防火機能を本当に担保できているのかは分からない」(同じ関係者)という指摘も出ている。
ロンドンの火災被害は現時点でどの程度になるのかは分からないが、日本でも同様の被害が出ないことを祈るばかりである。
(週刊ダイヤモンド編集部)
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