http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/207.html
Tweet |
フィンテック関連の新会社を設立する、みずほフィナンシャルグループ。出資比率を15%未満にとどめ、銀行と異なる環境で技術革新を目指す Photo by Takahiro Tanoue
みずほ、IT新会社設立の狙いは「銀行の減点主義」からの脱却
http://diamond.jp/articles/-/131545
2017.6.13 週刊ダイヤモンド編集部
金融とITの融合を表すフィンテック。2017年、この領域をめぐる銀行間の競争が激しさを増しそうだ。
大手銀行の中で新たな動きを見せたのが、みずほフィナンシャルグループ(FG)。6月末をめどに、ベンチャー投資会社WiLとIT系合弁会社を設立し、フィンテックのみならず、農業や小売りといった異業種の分野でも先端IT技術を生かして事業化を目指す。
社長には山田大介・みずほFG常務が就任。「フィンテックの専任なので、退路を断って取り組む」(山田常務)と、鼻息は荒い。
無論、みずほだけではない。今年に入り、他のメガバンクもフィンテック推進の役員ポストを新設。三井住友FGは太田純副社長が、三菱UFJFGは亀澤宏規常務がその職に就いた。2人とも、次期トップ候補として名前が挙がる実力者で、本気度がうかがえる。
減点主義の打破が課題
さらに、銀行を取り巻く状況にも追い風が吹いている。フィンテックを推進する上で、足かせとなっていた銀行法が、2年連続で改正されるのだ。
今年4月に施行された改正法では、銀行や持ち株会社による出資制限が緩和され、フィンテック企業などの買収や出資、新設がしやすくなった。
早速、動いたのが三井住友FGで、4月にフィンテック企業の設立を金融庁へ申請。改正法の第1号案件として認可された。指紋や声によって本人確認ができる生体認証技術の提供を目指す。
5月にも新たな改正法案が可決。来年4月から、銀行には口座情報への接続開放を促す一方、フィンテック企業には登録制を導入し、情報管理や財務の健全性を求める。利用者保護と新サービス創出の両面が補強される見通しだ。
だが、問題なのは法制度だけではない。それは、IT業界の特徴である“多産多死”とは決定的に相いれない“銀行の減点主義”というあしき慣習だ。
一度“バツ”が付いたら最後、出世競争から脱落する──。昔から、銀行には失敗は許されないという文化が根付いている。
それに対するみずほFGの対策が、前出のグループ“外”での会社設立というわけだ。「リスク管理の面から、銀行の中で行うと制限がある」(山田常務)ため、出資比率も15%未満にとどめ、あえて距離を置くことを選んだ。
佐藤康博・みずほFG社長は、フィンテックでの挑戦をプロ野球・日本ハムファイターズの大谷翔平選手との対戦に例え、山田常務に対して「ホームランを打て」と指示したという。「そのためには何度でも打席に立つ」と、山田常務は失敗を恐れない姿勢を見せる。
減点主義が染み付いたままでは、イノベーションは程遠い。フィンテックの成否は、銀行業界の“体質”をいかに変えられるかに懸かっている。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 田上貴大)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民122掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。