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“日経平均2万円超え"の背景にある「謎の月初高」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170605-00174839-shikiho-biz
会社四季報オンライン 6/5(月) 21:41配信
日経平均が2万円に乗せてきたが、まさかこのタイミングで大きく上昇するとは思わなかった。「好調な決算発表」や「円安」で買われるなら理解できるが、特に米国株が大きく上昇となったわけでもないのに、これまで抜けきれなかった2万円という水準をいとも簡単に抜けてきた。
実は全く同じようなことが先月もあった。「連休の谷間」で特に材料のないなかで、節目とみられた1万9500円水準まで上昇し、連休後に一気に抜けてきたのだ。そしてよく見てみると、月初めに買われるという展開は昨年7月から続いている。
特に買い上がる手掛かりがあったわけではないのに大きく上昇、下落するということは、ここ数年みられることだ。しかし、先月の上昇、そして今月の上昇となると明らかに空売りの買い戻しなども影響していると思われる。ここ数年の急落急騰も目先の需給要因によるものが多く、オプションやETF(上場投資信託)、特に株価指数に絡むレバレッジの効いたETFの影響が大きいのではないかと思う。
■ 短期売買が相場の動きを加速する
もちろん、突然の上昇・下落の要因は様々で単純に需給要因という見方もできるが、いわゆる「アルゴリズム取引」や「HFT(超高速売買)」などが主体となって相場の動きを加速しているのだろう。そして、本来であれば、あくまでも株式の派生商品であるETFや先物、そしてオプションといったものがさらに相場を動かす要因となり、上昇下落の幅を一気に広げている。
これらの相場変動機能は動いた方に動くということになり、逆に動かないときには流動性が減少、値動きはさらになくなる。特に「節目」を抜けるときは、オプションが絡んでいるケースが多い。
細かい説明は省くが、オプションの戦略の中で、日経平均が1万9000円と2万円の間にいる場合は利益になるというポジションがある。こうしたポジションは2万円を超えてくると大きな損失となるということもあり、そのヘッジとして先物を買う。一方で、先物が買われると先高期待が高まり、さらに先物が買われて相場全体が押し上げられるということも起きる。
もちろん、これだけではなく様々なポジションが存在するが、こうした一つのポジションだけでも先物が買われたり、売られたりする。加えて、「日経平均レバレッジ上場投信」のように、日経平均の指数以上に変動するETFも先物の大きな変動要因となる。日経レバレッジの売買が盛んになったり、信用取引での売りが増えたりすると、相場の変動を加速することになる。
先物やオプション、それに加えてETFなどが絡んで指数を動かす要因が多くなり、動き始めると大きく一方向に動くことが増えている。そして、米国の利上げによって、米国債の変動なども「債券と株式のバランス」を見るような投資家のポジションを変動させる要因であり、相場の動きを加速させる要因となる。
■ 相場の動きが加速されるときの対処法
では、月初めの指数先行型の相場変動に対処するには、どうしたら良いのだろうか? 相場全体が動き出すと大きく動くということであり、短期での取引を好む投資家(投機家? )であれば、目先の動きについていくだけでいいということになる。「逆指値注文」などをうまく利用して、「動いた方に付く」という戦略で良いだろう。ただし、気をつけなければならないのは、あまり欲張らず、「動いた方の動き」が止まったとすれば早々と撤収する必要があるということだ。
長期投資の場合は、上昇した場合であれば売り場を考えるということになる。「いったん止まったところ」なのか、「上昇から下落に転じるところ」なのかをしっかり見極める必要ありそうだ。
ただ、見極めるということは簡単ではないため、いったん利益を確保して再度動きが出るところで買い直すという手法が使える。そして、売りが加速されながら大きく下落するところでは、あくまでも「落ちるナイフを掴みに行く」のではなく、ナイフが落ちたところ、あるいは床に突き刺さったところで拾うということが大切だ。
日経平均はいよいよ2万円の大台に乗せてきたが、前回一昨年の夏に2万円を超えていたところでは為替が1ドル=120円台であり、その後の円高などで急落となった。今回は1ドル=110円台でも2万円を保っているということで、多少の円高では相場が崩れなくなったということかもしれない。
そうなると「円安メリット銘柄」というような考え方ではなく、ごくごく単純に業績面からみて割安感が強い銘柄に注目しておくということで良いだろう。そして指数先行型ということであれば、指数に影響の大きな銘柄に分があるということになるのである。
ここから想定される相場展開は、いったんは日経平均も2万円での「値固め」となるかどうかを確認することになるのだろう。目先の需給要因で上昇したのだとすれば、先月と同じように先物・オプションのSQ(特別清算指数)算出まで高いということになりそうだ。
今週いっぱい強含みに推移するとすれば、2万円前後から2万0200〜2万0300円水準での動きもありそうだ。先週末で買い戻しが一巡となり、オプションのヘッジのための買いも終わったとなれば、ここから下値の1万9700円〜1万9800円水準まで再度調整ということになるのだろう。
注目される銘柄群とすれば、引き続き単純にPER(株価収益率)などの指標から割安感が出ている三菱商事(8058)などの商社株、みずほフィナンシャルグループ(8411)などの銀行株が挙げられる。さらにナブテスコ(6268)などのROE(自己資本利益率)の高い製造業なども、買われ過ぎていないところで注目しておきたい。
清水洋介/大和証券、マネックス証券、リテラ・クレア証券など経て、現在アルゴナビスでフィナンシャルコンシェルジュ
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
清水 洋介
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