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東芝ブランドを捨ててでも半導体でサムスンに勝つことが重要だ
http://diamond.jp/articles/-/130068
2017.5.31 週刊ダイヤモンド編集部
東芝の元副社長の齋藤昇三氏は、2000年代のNAND型フラッシュメモリー急成長の立役者の1人。2001年に東芝がDRAM撤退を決定したことで、齋藤氏は、自ら育てたDRAM事業を売却し、NAND型フラッシュメモリーへの集中投資を推し進めた。
齋藤氏には、東芝のフラッシュメモリー事業の拡大のけん引役となった旧サンディスクとの提携の狙い、ウエスタンデジタル(WD)と東芝が対立している現状、さらには、自身が育ててきた東芝メモリを売却する動きについて聞いた。
――東芝は2001年のDRAM撤退の一方で、NANDに投資を集中して成功しました。
さいとう・しょうぞう/1973年早稲田大学理工学部卒、東芝入社、2004年メモリ事業部長、2007年セミコンダクター社社長、2012年副社長、2013年退任。66歳
当時、私はDRAM統括部長を務めていて、私自身が育てた事業を自ら売却することになりました。米国のNAND型フラッシュメモリー工場(旧ドミニオンセミコンダクター社)を米マイクロン・テクノロジーに売却して、DRAMの技術者をすべてフラッシュメモリーに振り分けるところから始めました。NANDはまだまだ小さな事業だったけれど、DRAMの二の舞は演じないという強い思い持っていた。それが成功した力ではないかと思います。
――東芝のNAND型フラッシュメモリー事業の成功は、1999年に結んだ米サンディスクとの提携が、大きな役割を果たしたと指摘されています。
契約当初は、当時の社内で「外資企業が東芝の工場に入ってくるのはいかがなものか」と色々なことを言われたものですが、棟ごとに共同投資する合弁契約を結んで、土地と建物は東芝のもの、そして最も投資資金が必要な製造装置だけを両社で分け合うという提携を上手く結ぶことができて、市場の伸びにうまく合致したと思います。
――巨額投資の負担をライバルと折半するというアイデアは画期的でした。
サンディスクとは「サムスン対抗」という目標で一致しました。東芝にとって良かったのは、装置の所有権の半分はサンディスクでも、オペレーションの全ては東芝がやることにして自由度を高めたということです。当時のサンディスクはまだまだベンチャー企業。工場を持っていなかったけれど、東芝の工場に投資すれば確実にチップが調達できる。互いにメリットがある提携でした。
――サンディスクとは蜜月でやってきましたが、2016年にウエスタンデジタル(WD)に買収されてから1年経過し、東芝と対立していますが、どうみていますか。
両者の関係は変わってしまった。でも、四日市工場の製造装置は、互いの所有物が同じ場所に複雑に入っている状態で、もはや切り分けることは不可能です。
WDにとっては、オペレーションの全てを東芝に握られているので、四日市工場に新しい資本が入ってきたらどうなるかわからないという不安があるのでしょう。NANDの将来性は大きいので、彼らも必死だと思います。
サンディスクを創業したエリ・ハラリは策略家な面はあったが、純粋なエンジニア。東芝とはよく喧嘩したが、技術者同士の前向きなぶつかり合いだった気がする。今のWDはエンジニアではなく「経営者」という感じで、まるで子供が一気に大人になったような印象はあります。
東芝ブランドが外れる
ことにはメリットもある
――東芝本体の経営危機で、東芝メモリを売却することになってしまいました。
東芝のブランドが外れるのは辛いことだけではありません。これまでは東芝の傘の下で、そのキャッシュフローの範囲内でしか投資できなかった制約が外れて、色々な投資ができる可能性は広がります。新規のメモリーを開発したり、新領域に参入する開発投資もできることになればメリットです。
これまで、サムスンに対抗するという目標を持ち、その実現のためにサンディスクという他社を工場に入れてまでやってきたわけです。そして今度も、サムスンに対抗するという目標はぶれずに、そのために東芝の傘を捨ててもやり遂げるという気持ちが必要です。
ブランドが東芝であってもそうでなくても、勝つということが最終目標です。私は東芝の名前がなくなることにこだわりはありません。もちろん外資系だから嫌だという考えもない。むしろ恐れているのは、今までこだわってきた目標がぶれてしまうような投資家が入ってくることです。サムスンに負けてしまような運営しかできないような投資家が入ってくることは、避けるべきではないでしょうか。
――四日市工場の増産投資を継続することが重要ということでしょうか。
いま、四日市工場はほぼ1年に1度のペースで新しい建屋が建っており、今は第6棟が建設中で、年内には完成します。さらに、2020年に向けてメモリーの需要はまだまだ増えるので、それを満たすには生産拡大を継続的にやらなければなりません。四日市工場には広大な土地があるので、次の建屋を建てて生産能力をさらに増強させることが必要ですが、その投資を継続できるだけの投資家が入ってくることが何より重要でしょう。大事なのは、こうした投資を継続して、最終的に「勝つ」ことでしょう。
(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 村井令二)
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