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若くても高年収な職業ランキング・ベスト30!
http://diamond.jp/articles/-/129854
2017.5.30 週刊ダイヤモンド編集部
普段、あまり目にすることのない数字やデータに光を当てて多角的に分析、ビジネスパーソンにとっておきの「お役立ち情報」をご紹介する『ダイヤモンドDATAラボ』。第1回は「若くても高年収な職業ランキング・ベスト30!」と題し、35歳以下の高額所得サラリーマンの実態に迫りました。(週刊ダイヤモンド編集部 小島健志)
年収が最も高いのは
M&A・PE投資業務
35歳以下ですでに年収が1000万円超──。自ら起業して成功すれば別ですが、サラリーマンであっても若いうちから高い給料を稼ぐことができる職種があります。
そこで「ダイヤモンドDATAラボ」では、一般のサラリーマンの給料をはるかに超え、若くして高収入を得ているビジネスパーソンの姿をデータで明らかにします。題して「若くして稼げる職業はこれだ!ベスト30ランキング」です。
今回は、金融・コンサルに特化した人材紹介サービスを展開する「アンテロープキャリアコンサルティング」の協力を得て、同社の保有する約3万人の登録者データから「35歳以下」の若手を対象に分析しました。
まず、高収入の職種を探るため、同社の設定する約100職種別に平均年収を弾き出し、上位30職種をランキングしたものが次の表です。
*アンテロープキャリアコンサルティングのデータを基に週刊ダイヤモンド編集部作成。10人未満の職種は除外し、小数点以下は四捨五入しているが順位は小数点以下を加味している
*アンテロープキャリアコンサルティングのデータを基に週刊ダイヤモンド編集部作成。10人未満の職種は除外し、小数点以下は四捨五入しているが順位は小数点以下を加味している
トップは「M&A・プライベートエクイティ投資」で、なんと平均年収1095万円!その所属先は大手外資系証券会社(投資銀行)やプライベートエクイティファンドが中心であり、徹底した実力主義の世界が年収に反映されているようです。今回の対象は35歳以下ですが、この職種は若くして年収2000万円超えも珍しくありませんし、上は年収5000万円の人もいます。
次いで2位は「リサーチ関連(金融)」で平均928万円、3位は「ファンドマネージャー・アナリスト」の平均903万円が続きます。こうした上位にランクインしている職種は、いずれも大手証券会社や資産運用会社に勤務している人たちが中心です。
少し毛色が違うところでは、8位にランクインした経営・戦略系のコンサルタント。平均828万円で、外資系コンサルティングファームなどに所属している人たちが中心です。
一方で、サービス系の営業職は平均547万円、人事・労務職は平均593万円でした。全体の平均は773万円ですので、いかに上位の金融・コンサルタント系職種が平均年収を引き上げているかが分かります。
一つ断っておきますと、今回のデータは、金融やコンサルタントへの転職を考えている登録者が中心です。一般企業の登録者もいますが、よりハイクラス層のビジネスマンが集まっています。
とはいえ、なぜ若くして職種の違いでここまで差が出るのでしょうか。
アンテロープの小倉基弘代表は「上位の職種は、企業価値の評価をする仕事など非常に高い専門性が必要な職種だからです」と解説します。特に金融系の仕事は企業の収益に直結するとあって、高年収につながっているわけです。
出身大学は東大大学院卒が圧倒
理系が年収も高く優勢
さて、こうした高収入のサラリーマンたちは、どんな大学の出身者なのでしょうか。そこで学歴と年収との関係を見てみたのが次の表です。
1位は「東京大学大学院」の出身者で977万円。2位は「東京工業大学大学院」で970万円、3位は「京都大学大学院」の928万円と、いずれも国立の最高難易度の大学が上位に名を連ねています。
こうした結果について、小倉代表は「外資系、特に米系の会社が採用時に学歴を重視していることは事実です」と解説します。
例えば、外資系コンサルティング会社においては、さまざまな業種のクライアントに対応するため、相当な業務知識を素早く吸収する能力が必要になります。そうした学習能力の高さを、学歴で見ているというのです。また、クライアントの中には、担当コンサルタントの学歴を見てその力量を測る人もいるため、どうしても学歴が良い方が高年収になる傾向があるようです。
ここで注目したいのが、理系の東工大大学院出身者と、文系においてトップクラスの一橋大学大学院出身者とを比較すると、年収差が200万円以上もあることです。実は、ここ数年、理系出身者の躍進が目立ちます。
戦略コンサルタントやアナリストなどは、金融工学などを使った難解かつ複雑な手法を用いての分析が必要だったり、特に論理的に物事を相手に伝える力が求められたりします。そうした訓練を積んできている理系の大学院生が求められているのです。
実際、年収1500万円以上にしぼって、最終学歴が国内の大学の文系か理系、もしくは海外の大学かを分析すると、国内理系が33.0%と最も高く、国内文系の31.9%とほぼ同等です。経営・経済系の文系出身者よりも理系が活躍している実情がうかがえます。
もっとも、文系でも高収入を得て、活躍している人はいます。それは金融系の営業職に多く、どちらかというと個人の成果の見えやすい分野で成果を上げている人たちです。
先のランキングで7位の関西大学もその一つ。営業系職種の人が年収を引き上げています。文系だからといっても金融営業系にはチャンスがあるということです。
さらにいえば、海外大学の出身者も少なくありません。特に海外のビジネススクールを出た人やMBA取得者の年収は、そうでない人と比べて平均年収ベースで253万円も違うことが分かりました。
言うまでもなく、ビジネスの専門性に加え、英語ができるという武器があれば、比較的年収の高い外資系企業に採用されやすいためです。つまり、外資系企業に勤めることが年収アップの近道であるといえるでしょう。
英語ができるに越したことはないが
できても年収が高いわけではない
では英語力はどの程度、身につけておくと年収に影響するのでしょうか。代表的なテストであるTOEICの点数を横軸に、年収を縦軸にとった散布図を作成しました。
ここから分かることは、高年収の人はTOEICの点数が高いということです。ただし、TOEICの点数が高いからといって、必ずしも年収が高いわけではないという関係もうかがえます。つまり、TOEICは「年収アップに欠かせないが、点数が高いだけでは年収は上がらない」ということです。
なぜなら、あくまでも既存のビジネス経験のベースがあってこそ、英語のスキルが生きてくるからです。今の仕事ができて英語もできることで、クロスボーダー案件など仕事の幅を広げることができます。そこに年収アップの道があるのです。
では外資系企業が採用する際に、どのぐらいの英語力を必要としているのでしょうか。
小倉代表は「外資系企業が評価するのは、TOEICであれば900点が一つの目安になるでしょう」と話してくれました。外資系採用担当者からすれば、「900点があれば、その後も英語力を磨いてくれるだろう」という期待を持てる水準だということです。
もちろん、900点あるからといって、必ずしも英語を話せるわけではないですし、TOEICに関係なくビジネスで英語が使える人はいます。目安というのはそのためです。
また、先の図には転職回数の違いも含めています。実は、「転職回数が多いからといって、必ずしも年収が上がらない」という結果が出ています。
「一つの職場で少なくとも、3〜5年は働いて、そこでパフォーマンスを発揮した人の方が周りから評価されることでしょう」(小倉代表)。
個別事情にもよりますが、若くして1〜2年ごとに職場を移る人を採用側はあまり評価していないのかもしれません。
さて、このように今回は35歳以下の若手の年収を軸に、学歴や職種、英語力について見ていきました。金融・コンサルタントに特化した企業のデータベースを基にしたので、ハイクラス層が分析の対象になりましたが、少しは年収アップのヒントがあったでしょうか。
「個別企業名でもっと給料の水準を知りたい」という声もあるかと思います。そこで、次回は東証1部上場企業の年収データを紹介いたします。
(データ協力:アンテロープキャリアコンサルティング)
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