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大阪府のHPより
私たちが知らぬ間に「こっそり増税」を進める自治体…レジ袋税、犬税、地方税増額も
http://biz-journal.jp/2017/05/post_18982.html
2017.05.06 文=小川裕夫/フリーランスライター Business Journal
1月、大阪府は宿泊税(通称・ホテル税)をスタートさせた。2016(平成28)年、日本を訪問した外国人観光客は2400万人に達したが、増加傾向はとどまることを知らない。17(平成29)年は、さらなる増加が見込まれている。
観光客が増加すれば、観光収入も比例して増える。観光によって日本経済も復活すると目されており、安倍晋三首相は観光立国を推進することを宣言している。増える訪日外国人に対応するため、地方自治体は観光インフラの整備を急いでいる。日本の観光地には、これまでに日本語の観光案内板やパンフレットしか存在しなかった。近年、都心部では韓国語・中国語の観光案内板やパンフレットが充実してきたが、地方では英語表記がようやくみられるようになったばかりだ。観光インフラの整備は、まったく追いついていない。
大阪府が導入したホテル税は、観光インフラ整備を急ぐため、財源を確保することを目的に創設されている。宿泊者1人1泊の部屋代1万〜1万5000円未満までで100円、1万5000〜2万円未満までで200円、2万円以上で300円を課税するというもの。これは大阪府民でも課税される。
大阪府のホテル税は、東京都のホテル税を模倣したといわれる。02(平成14)年に石原慎太郎都知事(当時)の肝いりで導入された東京都のホテル税は、地方自治体関係者の間では「法定外税の成功例」と絶賛されている。消費税やたばこ税の増税が報道されるので目立つことは少ないが、今般、地方自治体は相次いで法定外税を新設している。法定外税は、00(平成12)年に地方分権一括法が施行されたことに伴い地方自治体の裁量権が拡充し、その影響で相次いで創設された。
00年前後に導入された法定外税は、核燃料税や産廃事業税といった事業者に課すものが目立った。そのため、住民が直接的に支払うものは少なかった。住民にとって重税感はなかったのだ。
■趣が異なり始めた法定外税
ところが、近年になって法定外税の趣が異なり始めた。財政難にあえぐ地方自治体は、ターゲットを住民の財布へと切り替え始めている。東京都の職員は、こう話す。
「東京都の税収を増やすべく、石原元知事は就任直後に国の税制調査会や自民党の税制調査会に似た東京都税制調査会という組織を立ち上げています。そこでは、今や東京都財政に大きく貢献しているホテル税だけではなく、大型ディーゼル車高速道路利用税や産業廃棄物税パチンコ税なども検討されていました。これら3つの税金は、実現には至りませんでしたが、ホテル税は年間20億円もの東京都にもたらす税になっています。そうしたことからも、東京都がホテル税のような新しい法定外税を創設すれば、当然ながら大きな財源となるでしょう」
法定外税は、地方自治体が独自に条例を制定して課税・徴税する。特定の自治体だけに課税される税金になるため、負担者(納税者)からの不公平感は強い。そうした性格から、地元住民や業界団体から反対されることも多かった。東京都が始めたホテル税も、導入当初はホテル業界から根強い反対があった。
例えば、08年に杉並区が導入を検討したレジ袋税も反対が強かった法定外税として知られる。レジ袋税はコンビニエンスストアやスーパーマーケットで買い物をした際にもらうレジ袋に課税しようというもの。法律では事業者に課税するとなっているが、消費者にそれらが転嫁されることは明らかで、そのために業界団体のみならず市民団体や住民からも強い反対の声が上がった。あまりにも強い反対だったため、環境意識が向上し、不要なレジ袋をもらう人は少なくなった。杉並区は、レジ袋税が一定の役割を果たしたとの見方から、レジ袋税は施行されないままだ。
ほかにも、大阪府泉佐野市は飼い犬に税金を課す犬税の導入を検討した。これも根強い反対から断念に追い込まれている。
■超過課税方式
自治体が独自に課税する法定外税は不公平感が強いため、地方自治体は別の手口で増税を狙っている。それが、超過課税方式と呼ばれるやり方だ。
超過課税とは、以前から徴収している都道府県税に上乗せするかたちで課税する税金。都道府県税に混在させることで、納税者に増税されたことが気づかれにくい特徴がある。超過課税方式として、すでに37府県で森林税が導入されている。
従来の都道府県税などに金額を上乗せする森林税は、自治体によって微妙に税負担が異なる。16年4月から森林税をスタートさせた京都府は府民税に年間600円が、大阪府は年間300円が上乗せされる。森林税は、その使途が「森林整備や林業振興に使う」ことと限定されている。林野庁のある職員はいう。
「森林税に関しては、特に反対らしい反対は聞かない。環境意識の高まりから、導入された森林税は県民・府民から理解をいただいていると考えている」
だが、森林税の存在をきちんと把握している納税者が多いとは思えない。しかも、「近年は環境保全意識の高まりを受けて、都道府県民税というかたちとは別に政府や自民党は国税としても森林を守るための環境税などを検討している」(同)というから、もはや“環境”を錦の御旗に掲げれば政府も地方自治体も簡単に増税できると思い込んでいるフシがある。
増税に対して痛税感が薄れてしまえば、過去に断念したはずのレジ袋税や犬税などが再検討される可能性はある。それは、杉並区や泉佐野市の話ではないかもしれない。もしかしたら、自分の住む自治体に導入される可能性は十分にある。
今般、消費税やたばこ税の増税ばかりが注目を浴びる。しかし、私たちの知らないところで増税は着々と進められている。
(文=小川裕夫/フリーランスライター)
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