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<コラム>また出た!中国の「打ち出の小づち」、バブル崩壊回避の秘策
http://www.asyura2.com/17/hasan121/msg/331.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 4 月 22 日 22:05:40: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

今、中国は、バブル、景気、外交でかなりきつい状況になっている事は周知のとおりである。特に北京、上海など大都市の不動産高騰はバブル崩壊の危険性を常にはらみながら 政府がいろいろな規制、指導をしても止まらない。写真は河北省。


<コラム>また出た!中国の「打ち出の小づち」、バブル崩壊回避の秘策
http://www.recordchina.co.jp/b175708-s132-c30.html
2017年4月22日(土) 11時20分


今、中国は、バブル、景気、外交でかなりきつい状況になっている事は周知のとおりである。特に北京、上海など大都市の不動産高騰はバブル崩壊の危険性を常にはらみながら 政府がいろいろな規制、指導をしても止まらない。

景気についても、内需の喚起を試みても思ったほどに伸びない。逆に爆買いなど国外製品の需要が伸びてしまったりと、思わぬ方向に進んでしまった感もある。外国企業の中国からの撤退も深刻だ。覇権主義による行き過ぎた拡大戦略も外交的にも詰まってきている。この20年の急激な発展の行き過ぎた反動とも言えるのだろうが、反動も放置していては、国家自体が危うくなる。

さてどうするか?さすがは、中国である。起死回生になるだろう「打ち出の小づち」を打ってきた。新たな国家的新区の設立を発表したのである。

これは、トウ小平が進めた深セン特別経済区と江沢民の上海浦東新区に次ぐ全国的な意義を持つ中国の「千年の計」と位置づけられている。今秋の党大会で2期目に入る習近平総書記(国家主席)の新たな実績作りとなりそうである。

習氏やその腹心の栗戦書・中央弁公庁主任はいずれも河北省で勤務経験があり、習氏の母も河北省出身だ。習氏は18年勤務した福建省と共に河北省への思い入れが深いとされる。今年2月23日には雄安新区の予定地である安新県を視察している。この時期に大規模な都市建設を発表した理由としては、習氏の訪米前に、内需拡大、輸入拡大につながる野心的な政策でトランプ大統領との貿易交渉に役立てる思惑もあると見られている。

その新区は、雄安新区と名付けられ、河北省、雄県・容城・安新という3つの県とその周辺地域から構成され、北京から南西へ100キロ、天津から西へ100キロに位置し、人口38万人の雄県、40万人の安新県、26万人の容城県の一帯を開発する。北京、天津、保定3都市の中央に位置していて、交通の便もよく、優れた地理的優位性と生態環境に恵まれている。初期の開発面積は約100平方キロメートル、中期的開発面積は200平方キロメートル、将来的には2000平方キロメートルが開発される予定らしい。深セン経済特区(広東省)、上海浦東新区(上海市)に続く新区という全国的な意味合いを持つ位置付けである。ちなみに詳しくは後でバブルに関連して説明し直すが、雄安新区設立発表後に現地の不動産価格が数倍に跳ね上がったらしい。

この新区の設立は、中国北方の協同発展を推し進める事を建前としているが 実のところは、冒頭で前述した、行き詰っている中国政府中央が(1)首都北京の過密化による水不足、大気汚染、渋滞問題などの緩和(2)中国北方「北京・天津・河北」地域の経済構造の見直し以外で、「雄安新区開発の戦略的使命」に(3)政治経済が北京への集中からのリスク分散(4)他の大都市バブルの先駆的指導的模範的な改善(5)改革新時代のスタートのきっかけ。の思惑を秘めたとも考えられている。

シンガポールの華字紙も「中国は深セン経済特区を設立して改革開放をスタート。上海浦東新区で一部に限っていた対外開放を世界に向けて全面的に開放させた。雄安新区はそれに続くものである」と伝えている。

英国紙も「中国南方の珠江デルタ、長江デルタは経済成長のトップを走っているが、北方にこのような注目される存在はなかった」と説明し、雄安新区は北京から剥離(はくり)された産業の受け入れ先ではなく、京津冀(北京・天津・河北省)地域あるいはさらに広い範囲に発展活力をもたらす意義がある」と伝えた。

さてポイントはここから、この新特区の発表にさかのぼること1週間前の3月25日に 国家金融・発展実験室の李揚理事長が、中国の多くの都市で不動産がこれ以上値上がりすることはあり得ないと発言した。

「中国では現在、十数カ所の都市で住宅価格が上昇しているが、大部分の都市ではもうこれ以上値上がりすることはあり得ない。現在の都市ごとの規制政策は不動産リスクに対応する効果的な方法だ。銀行の観点から見てもこれは良いことだ。多くの事柄をさらに研究する必要があり、中国の不動産はもうすぐ崩壊して、中国経済の崩壊につながるというというのは言い過ぎだ」と主張している。

この発言がなぜ、このタイミングだったのか?そうである、新区の発表を控えての発言だと思うのである。

■国家事業として雄安新区をつくり開発する。
■同時に北京周辺の地価高騰を抑制する規制をする。
■大都市の不動産投資熱を新区にそらす。
■新区は過去のバブルの再発を教訓にしたコントロールをしながら開発する。
■同時に他地域の開発もこれに準じた発展方式に確立させる。
■上記過程において内需を拡大させ、景気回復も目論む。

一石二鳥どころか、そんなにうまくいくか心配になるようなうまい話ではあるが 真剣に取組んでいることは間違いない。実現させなければ、中国の未来はないからだ。

ネット上では「値上がりするはずないのになぜ規制するのか」「短期的には価格が安定するが長期的には値上がりする」「つまりもっと値上がりするということじゃないのか?」「不動産価格が上昇しているのではなく、貨幣価値が下がっているのだろうが」「中国経済が崩壊するだって?それは、ちょっと言い過ぎだと思う。その前に政権が崩壊するに決まっているだろ」といろいろな言われようではあるが、実のところ、この施策は、今日の明日のという速効力はない。イメージ先行である。

ただ、中国政府は、国内外の過去の失敗事例を学習することには長けている。過去の失敗事例を繰り返さないように腐心している。その点はとても凄いと感じる。

という事で、今度の特区は、強い規制をしながらの開発になることは 間違いない。
そうなれば、これまでの放置され高騰して問題になるような不動産投機は、出来ないで
あろう。

日本がそうであったように、もう土地転がしだけで儲ける時代は終わりではないかと思われる。しかも日本のようなバブル崩壊を極力回避しながらのソフトランディングも十分ありえるのである。よく考え練られたシナリオである。

これからは、その土地でどう儲けるかの時代に本格的に変わる予感がする。何をして儲けるかにポイントが移る。実のところ、2〜3級都市の不動産活用が一番問題になると予見される。別の視点からみれば、今後ビジネス的には、4〜5級都市が見直される可能性が高い。

今までは、首都の北京だから、経済の上海だからと、さらに政府がそれを放棄することもない、決して値下がりすることはないはずだと思い込み、北京や上海など大都市の不動産の購入に先を争ってきてバブルが起こった。しかし、首都の不動産、経済のお膝元の政府にも頼れないとなれば、人々に大きい打撃を与える。加熱しすぎた不動産投資に水を差す効果的なやり方であると言えよう。今度の特区の発表と関連し、絡めて先立って発言していたと思われる。

もっとも、4月3日付の地元紙によると、雄安の現地では、さっそく投機マネーが動いているらしい。発表直後から不動産を購入しようと北京や天津の富裕層が殺到し、2日午前には混乱を恐れた地元当局が不動産売買を一時停止し、不動産会社の出入口が封鎖される騒ぎになったというが。それもそれだけ事前に特区新設を知り不動産購入して大儲けした人がないということだとも受け取れる。

昨今、中国政府は、前述の通り過去の失敗を繰り返さないような施策を打ってきている。日本のバブル崩壊、リーマンショックなど過去の内外の事例にも学んでいる。バカではない、とても凄い点だと認めざるを得ない。今回の特区の発表前、1年以上の時間があったと思うがインサイダー取引が行われないように企画段階でパイプのある人間にも事前の根回し作業を済ませておいたに違いない。かなりの情報統制や水面下での根回し手回しが済んでいたのだと思われる。

今度の特区は今までとも違い強い規制をしながらの開発になることは間違いない。という事は、今までの放置型の不動産投機はもう出来ない。このシナリオが実現するならば、中国の崩壊は、当分の間は来ない。

北京や上海など大都市バブルは徐々に沈静化し、地方の開発も加熱しすぎないように内需拡大とともに適正な発展をするはずである。まあ、あくまで「はず」ではあるのだが、少なくともトータルでみれば、出来ない話ではない。後は、人民が新しい秩序と新しい概念「新常態(ニューノーマル)」をどう受け入れ、どう動くかであろう。

■筆者プロフィール:山口康一郎
1958年鹿児島で衣料問屋の長男に生まれる。現在、中国辺境雲南省の大理古城に居住。17歳の時に喫茶店を開業。23歳の時に法人設立。その後、年商10億まで拡大するまでに至ったが、視察旅行で感じた中国の面白さにハマり、中国移住を計画。国内事業を全て精算し、離婚までして中国に移り住む。「中国人の性格、考え方、制度」や「中国での日本人の生活や起業方法」など、日本からは見えない中国からの日本人としての視点と、日本の商売人の視点から情報を発信します。信条は「三方よし」。
 

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コメント
 
1. 2017年4月23日 20:44:50 : 0CejVRban6 : urcdmA9xc1s[3130]
マックス・ロドラウル氏
「今年第1四半期に、中国経済は強い成長の勢いを見せた。このことから、IMFは中国経済の成長見通しを近いうちに上方修正する可能性がある。中国政府は一連の措置によって、不動産価格の急騰を抑え、金融リスクを厳しくコントロールしている」
http://japanese.cri.cn/2021/2017/04/22/181s260601.htm

うらやましいです。


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