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日本郵政「負の遺産」清算急ぐ 巨額の減損処理、株追加売却に影響する恐れ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170421-00000072-san-bus_all
産経新聞 4/21(金) 7:55配信
日本郵政が直面した巨額の減損処理は、平成27年11月の上場以降、厳しい経営環境が続く同社にとって大きな打撃だ。日銀のマイナス金利政策により、ゆうちょ銀行などグループ各社も厳しい経営が続く。政府が準備中の日本郵政株の追加売却にも影響する恐れがある。
オーストラリアの物流最大手のトール・ホールディングスの買収は、27年当時、日本郵政社長だった西室泰三氏が主導した。約6200億円の巨額買収に、当初から「高値づかみ」と懸念する声が根強く、社内からは西室氏の“負の遺産”との見方も出ていた。
減損損失を計上しても、現金が企業から流出するわけではない。ただ、最終損益の押し下げ要因となり、自己資本比率の低下など財務体質悪化につながる恐れがある。日本郵政の場合、政府の郵政株の追加売却にも影響が出かねない。
ただ、与党関係者からは「どれだけ早く膿(うみ)を出すかの問題だった。金融庁や官邸も静観しており、正解だと思う」と評価する声もある。経営再建中の東芝の場合、米原発子会社の実態を把握できない経営判断の遅れが、巨額損失につながり、深刻な経営危機に陥った。
将来の政府保有株の放出を考えれば、一時的に業績悪化を招いても、負の遺産の“清算”は不可欠。「先を見ればいい判断だ」(関係者)との評価を得るためにも、グループ事業を含めた成長戦略が必要だ。(大坪玲央)
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