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北朝鮮の動乱が世界の金融市場に及ぼす影響について まだまだ円高が進む可能性
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51491
2017.04.17 真壁 昭夫 信州大学経済学部教授 現代ビジネス
4月6日、米国はシリアに向けて59発のトマホークミサイルを発射した。アジア時間の金融市場では、一時、株が売られ、円が買われるなどリスクオフが広がった。特に下落が顕著だった通貨が韓国ウォンだ。市場参加者は、米国のミサイル発射が北朝鮮への警告であることを機敏にとらえ、朝鮮半島情勢の緊迫化を警戒した。
米国のミサイル発射によって、北朝鮮が米国の意向に従うとは思えない。米国が制裁の緩和など何らかの譲歩を示すまで、北朝鮮は核開発などを続けるだろう。朝鮮半島情勢の緊迫化は避けられない。情勢の悪化を食い止めるには、韓国が先々の展開を見越して政治、経済の改革を進める必要がある。それが出来ないと、韓国だけでなく世界全体が厳しい状況に直面する恐れがある。
反日姿勢は韓国の利益にならず
5月9日、韓国では大統領選挙が実施される。各候補者の主張を見ていると、朴前政権との違いを強調する内容が多い。政財界のスキャンダル撲滅のための財閥解体、慰安婦問題に関する日韓政府の最終合意の再交渉は典型例だ。次期政権下、韓国の世論がこれまで以上に反日姿勢を強める可能性はかなり高い。不満をくみ取り目先の支持を得るだけでは、中長期の視点で改革を進めることは難しい。
わが国でも韓国の政治動向への懸念は高まっている。政府が採るべき対応はシンプルだ。政府間の最終合意は、政権が変わっても覆すことが出来るものではない。感情的になるのではなく、国家間の最終合意の履行だけを求めればよい。合意が守られていることがはっきりした段階で、韓国の企業からの要請が多い通貨スワップ取極などを協議すればよい。政府は、反日姿勢を続ける限り韓国にメリットがないことをはっきり示すべきだ。
優先されるべきは、アジア各国との関係強化だ。わが国は、安全保障面では米国との関係を基礎にし、経済面ではアジア各国と多国間の経済連携を強化していく必要がある。中国の南シナ海への進出をけん制し、アジア経済圏の公正な通商環境を整備するためにも、わが国の積極的な行動が欠かせない。
米国、欧州各国の政治が内向き志向を強める中、米国を中心とした安全保障体制、経済連携の意義を世界に伝えるためには、数の上で理解者を増やすしかない。多くの国が米国との関係強化を望む環境を作り出すことが出来れば、トランプ政権に強硬姿勢、保護主義重視を思いとどまらせることも可能だろう。時間のかかる取り組みではあるが、政府の積極的な行動が欠かせない。
円高圧力の驚異
先行きの不透明感が高まった際、大手投資家はリスクを削減する。相対的に金利の高い新興国の通貨などを売り、資金調達に用いていた円を買い戻すことが多い。これが、“円は安全通貨”と呼ばれるゆえんだ。米国では、税制改革などが進みづらいとの見方に加え、トランプ大統領の側近同氏の対立が鮮明になっている。米国の政治への不安に、中東や朝鮮半島の地政学リスクが加わることで、投資家心理は一段と神経質になっている。
朝鮮半島情勢の安定のためには、韓国社会の安定、米中が同じ認識で北朝鮮への圧力を強めることが必要だ。韓国の政治は大衆迎合に流れ、安定には遠い。米国第一の政治を掲げるトランプ大統領は、強い米国を有権者に印象付け、何とかして支持率を挽回したい。中国の習国家主席は支配基盤の整備に向けて、米国に譲歩はしたくない。
北朝鮮は大国の関心を惹くためにミサイル発射などの挑発を続けるだろう。米国は北朝鮮の暴走を抑えるために、一段の強硬姿勢を示す可能性がある。それは、金融市場に無視できない影響を与える。アジアを中心に株式市場は下落し、世界的なリスクオフが進む可能性もある。トランプトレードの巻き戻しへの警戒も加わり、比較的短期間に、世界の景況感が悪化する可能性がある。
トランプ政権は、国際社会の協調を得ることなく単独でシリアへの攻撃を強行した。従来に比べると、対応は異例だ。世界は、未知の状況が出現し、従来の発想が通用しない“非連続”の時代に入りつつある。4月6日のミサイル発射時、ドル円は110円台で踏みとどまったが、それ以上のドル安・円高が進む可能性は排除できない。市場がリスクオフに向かった時、円高圧力が高まりやすいことに注意が必要だ。
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