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「転職バブル」とはいえ、年齢の壁もあり、うまくいかない人もいる…(※イメージ写真)
「35歳の壁」「3回超」もリスク…転職で失敗する10パターン〈週刊朝日〉
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170414-00000048-sasahi-life
週刊朝日 2017年4月21日号
大手人材会社インテリジェンスの転職サービス「DODA(デューダ)」がまとめた2月の概況によると、サービス登録者に対して中途採用の求人が何件あるかを示す「転職求人倍率」は2.38倍、求人数は前月比2.5%増で最高を更新と「転職バブル」とも言われている。希望の企業や仕事に移る人が目立つ一方で、年齢の壁もあり、うまくいかない人もいる。「勝ち組」と「負け組」がはっきり分かれている状況だ。
転職バブルといっても、誰もが成功するわけではない。
転職先の仕事にやりがいを持てず、前の会社のほうが良かったと後悔する人。もっといい企業があるはずだと何度も転職を繰り返す人もいる。特に中高年の仕事探しはハードルが高い。実態は想像以上に厳しいと指摘されている。
「誰でも転職できる」といった安易なイメージに警鐘を鳴らすのは、人材会社「ルーセントドアーズ」の黒田真行社長(52)だ。リクナビNEXT編集長などを経て、14年に独立。35歳以上の転職や採用を支援する会社を立ち上げた。転職希望の登録者は累計で約3万人にのぼる。30年近く市場を見続け、相談に応じてきた。
「求人広告に年齢が書かれていなくても、実際は35歳までをねらったものが多い。おおざっぱなイメージだが、求人数は36歳になると半減し、さらに40歳、45歳と5歳刻みでほぼ半減していく。求職活動する人は年代によってあまり変わらないので、高齢になるほど残された椅子を巡る競争が激しくなる」
今は売り手市場だが、企業側は優秀な人材を見極めようとしている。判断するときに考慮されるのが、それまでの転職回数だ。
「1〜2回ならいいが3回目を超えると、なぜ繰り返したかの合理的な説明を求められる。ころころ会社を変える人だと思われると、採用されにくい。若いうちは転職しやすいので数年で会社を渡り歩くこともできる。ただ、回数を刻むと、後から選択肢を狭める恐れがある。若いうちから、転職はリスクもあると理解したうえで決断すべきだ。転職しやすい状況だからといって、誰でも転職すればよいわけではない」
重要なのは動機や理由をはっきりさせることだ。「給料が高くなりそうだ」といったイメージだけで判断するのはよくない。
「長期的に自分のキャリアを考え、なぜいま転職すべきかを理解する必要がある。人間関係を挙げる人も多いが、大企業にいるならば、上司と合わないぐらいで決めないほうがいい。転職では大手から中小に移ることが多い。小さい会社で上司と合わないほうがつらい。目先の嫌なことを避けるためだと、結果的に何度も転職を繰り返してしまう」
キャリアアップやワーク・ライフ・バランス(WLB)など、動機や理由は人それぞれ。重視する条件を自分で明確にしないといけない。
「条件を絞り込まないと、がんじがらめになる。一定の年収以下の仕事は対象外だと決め、チャンスを失う人がいる。年収は下がっても、将来上がる可能性がある。一定の年収があっても残業が長い会社もある。条件の重要度を決め、絶対必要なものと、できれば欲しいものとを区別すべきだ」
人材としての「市場価値」を知らない人も多い。自分を雇うとしたら、どこがいくら出してくれるのか。経営者の気持ちで考えてみることも必要だ。
「自分のことを過小評価するケースもあるし、過大評価もある。建築の施工管理者やIT関連の技術者ら技能があれば、年齢が高くても転職しやすい。大企業にいてアピールできるものがない人は、転職先に高給を要求しても無理だ」
DODAの木下学編集長(40)も、価値基準をはっきりさせることが大切だという。
「昇進が遅れて悔しいなど、きっかけはいろいろあり得るが、転職活動のなかで目標は定まるはずだ。そうしないと、どこがゴールだかわからない旅に出かけていくことになってしまう」
ネットを通じた情報に惑わされて、判断がしにくくなるケースもある。
「自分の目で見て、直接話を聞いて判断する。第三者がブラック企業だと言っていても、働いている人はそう思っていない企業もある。ネットで情報を探し続けていると、いつまでも決断できず、転職活動が長引いてしまう恐れもある」
専門家の率直な意見だけに耳が痛い人もいるだろうが、失敗事例を学ぶことは改善につながる。
中高年の社員は、本人が望まなくても、転職を迫られるケースがある。日本を代表する企業だった東芝は、大幅なリストラに取り組む。シャープなどほかの企業でも人員が相次いで削減されている。
大企業に長年勤めている人ほど、「まさか自分が」と対応できないことがある。いざというときに慌てないように、転職に向けた準備をしておこう。
■転職で失敗する10パターン
○動機があやふやなままで活動を始める
○技能や実績をうまくアピールできない
○年収などあれもこれもと条件をつける
○業種や業界を絞ってほかを検討しない
○将来性ではなく目先の年収を重視する
○転職回数が多い理由を説明できない
○自ら動かず転職サービスに頼り切る
○仕事内容よりも企業イメージで選ぶ
○移る先が決まらないうちに辞める
○家族の理解がないまま強引に進める
(取材をもとに編集部作成)
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