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トランプ政権が招く「意図せざるドル安」米国分断加速 世界経済勢い削ぐIMF 世界IT支出今年も増 百年スパンで見える金利
http://www.asyura2.com/17/hasan120/msg/867.html
投稿者 軽毛 日時 2017 年 4 月 12 日 20:24:27: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 


FX Forum | 2017年 04月 12日 19:26 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:
トランプ政権が招く「意図せざるドル安」

熊野英生第一生命経済研究所 首席エコノミスト
[東京 12日] - トランプ政権は、意図せざるドル安・円高を招いている。第1の理由は、経済政策の看板の1つとして掲げてきた法人税減税の行方がますます見えなくなっていることだ。

議会は上下院とも共和党が多数派なのに、医療保険制度改革法(オバマケア)の代替案を通すことができなかったことで、法人税減税はもっと難しいのではないかとの暗雲が立ち込めている。

年内に有効な景気刺激策を発動できなければ、2018年秋の中間選挙は、共和党が不利になる可能性がある。今よりも議会運営が楽になることが望めないとすれば、米経済のシナリオを少し前のように楽観視できない。

さらに不都合なことも起こってきた。シリア・アサド政権に対するミサイル攻撃に加えて、北朝鮮に次なる制裁圧力をちらつかせていることだ。米ロ関係は一時の楽観ムードが変わり、中国もトランプ政権が期待するようには動いてくれない。地政学リスクの高まりは円高要因である。

結局、「アメリカ・ファースト(米国第一)」を掲げても、米国は孤立主義にはなり得ない。軍事・外交の主導権を軍人や国務省のベテランが担うと、米国中心の覇権を手放すようなことはできなくなる。オバマ前政権の弱腰を批判しても、中東・アジアの火種を放置することはできず、逆に介入度合いを深めてしまったのが実情だ。この方針のぶれが、トランプ外交の前途を不安視させる。これがドル安要因である。

<救いは経済の強さ>

経済思想には、「政府が何もしないのが、一番の景気対策になる」という保守の見解がある。意図せざる結果として、現状もそうなってきている。

大減税もインフラ投資もやらなければ、オバマ前政権が築いた財政赤字の抑制が守られる。国境税の導入も止めてしまえば、輸入コストが上がらずに貿易促進を続けられる。

米経済は雇用改善が完全雇用へと進んで、トランプ大統領が望んだ状態に近づいている。舵取りは米連邦準備理事会(FRB)に任せて口を出さずに利上げを見守るのがよい。FRBが2018年初になってインフレなき成長を成し遂げて、かつ、ドルの短期金利が上昇していれば、そのままイエレン議長を再任して何の問題もない。

実は、下手な介入をせずに経済の追い風を持続させることこそが、ドル高要因である。つまり、目先、トランプ政策が不発で、軍事・外交もリスクを高めても、経済分野の強さがあるから大幅なドル安にならずに済んでいるとみることができる。

<不気味な米長期金利>

筆者は、米経済が必ずしもバラ色だとはみていない。むしろ、上昇しない米長期金利には潜在的な不安が投影されているのではないかと感じている。本当ならば、2017年初から物価指標が上向きになって、FRBの利上げ観測と相まって米長期金利はさらに上昇してよいと思っていた。その期待はこれまでのところ裏切られている。

上がりすぎた米株価が調整されて、債券にシフトしたと説明すればわかりやすい。それでも物価の基調が2%になって、米長期金利が2%台前半という相対関係は、米成長シナリオと矛盾しているように思える。これは短期の需給では説明できない。長期の成長見通しが強気になれない姿が隠れていると思う。低金利の構造問題と言ってもよい。

筆者は、1)トランプ失策、2)地政学リスク、3)低金利構造の3つがドル安要因として重なっているとみている。一方、ベースとなっている経済ファンダメンタルズは、雇用と物価が改善し、消費者心理がそれを反映して好転していく状況にある。これはドル高要因だ。

本来は、ファンダメンタルズの好調さによってドル高になってもおかしくないが、3つのドル安要因がじりじりと存在感を増している。最も気掛かりなのは、低金利構造の行方だ。ここには、成長見通しが昔のように上向かず、長期停滞のリスクを気にかける臆病な投資家心理が横たわっているとみている。

*熊野英生氏は、第一生命経済研究所の首席エコノミスト。1990年日本銀行入行。調査統計局、情報サービス局を経て、2000年7月退職。同年8月に第一生命経済研究所に入社。2011年4月より現職。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

(編集:麻生祐司)


コラム:トランプ氏の景気刺激策、景気後退を先延ばしするだけ

コラム:円高予想の蔓延がもたらす投資機会=村上尚己氏
オピニオン:2017年はドル安と新興国株高へ=居林通氏
コラム:トランプノミクスはアベノミクスの再来=村上尚己氏
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-hideo-kumano-idJPKBN17E0RW

 


 
News | 2017年 04月 12日 19:34 JST 関連トピックス: トップニュース

焦点:トランプ効果が米国の「分断」加速、政策合意の障害に
 

 4月6日、政治、文化、経済といった主要課題について、ただでさえ米国の有権者に深い分断が生じているなか、「トランプ大統領(写真)」という要素が絡んでくると、さらに世論が二極化する傾向があることが、ロイター/イプソスの最新世論調査で浮き彫りとなった。2月撮影(2017年 ロイター/Carlos Barria)

Chris Kahn and James Oliphant

[ニューヨーク/ワシントン 6日 ロイター] - 米共和党支持者は一般的に、政府当局者が国政運営の過程で個人的利益を得るべきではないという点に同意しているが、それがトランプ大統領だとすれば問題はないと大半が考えている。

一方、民主党支持者は国家が運営する医療制度について、おおむね賛同しているが、そのアイデアをトランプ大統領が支持していたと知ると、その賛同率は急激に低下する。

政治、文化、経済といった主要課題について、ただでさえ米国の有権者に深い分断が生じているなか、「トランプ大統領」という要素が絡んでくると、さらに世論が二極化する傾向があることが、ロイター/イプソスの最新世論調査で浮き彫りとなった。

重要な政策課題についてコンセンサスを得ようとしても、単にトランプ大統領が関わってくるだけで合意形成が困難になってしまうという状況を、この調査は示している。

2月1日から3月15日まで、1万4000人近くを対象に実施された今回の調査では、税制や犯罪対策、報道メディアなど関する過去のトランプ発言を取り上げ、それについてどう考えるかを人々に質問している。多くの場合、トランプ大統領に対して自分がどう思っているかを基準として、自分の意見の方向性を決めている様子がうかがわれた。

たとえば共和党支持者は、米国が歴史的に他の先進国とは異なっているとする「米国例外主義」について、トランプ大統領が「他国に対して失礼」と発言していたことを知ると、その発言に同調する傾向が強くなる。また、核兵器の増強や政府のインフラ支出についても、トランプ大統領がそれらに前向きだと聞くと、賛同する傾向が強くなった。

http://static.reuters.com/resources/media/editorial/20170411/trump-poll-america.gif

アメリカの例外主義について、「トランプ効果」を検証


民主党支持者は、その逆だ。トランプ氏が懸念していることが分かると、インフラ整備に対する支持は薄れ、米司法への批判も鈍くなり、都市犯罪の増大についても同意が低下する。

「彼が言うことすべてに、基本的に反対だ」と語るのは、この調査に参加したフロリダ州ジャクソンビルの民主党支持者、ハワード・ハウスさん(58)。「あの男に対しては、ほぼ心を閉ざしている」

世論を二極化させる大統領はトランプ氏が初めてではない。

1995年にワシントンポストが行なった世論調査では、当時のクリントン大統領のアイデアだと思われる法案には、民主党支持者が賛同する傾向があった。2013年にハート・リサーチ・アソシエイツが「2010年医療費負担適正化法」について調査したところ、この法案を「オバマケア」という別名で呼んだ場合には、支持と不支持双方の傾向が強まることが確認された。

だが、ギャラップの世論調査によれば、就任間もない時点での支持率は、トランプ氏よりも歴代大統領の方が高かった。それだけに、彼らは世論の分断にうまく対処できる立場にあったと言えるかもしれない。ギャラップ調査によれば、4日時点でのトランプ氏の支持率は42%である。先週は35%にまで下がっている。

ホワイトハウスでは、今後数カ月のあいだに包括的な税制改革パッケージや、大規模なインフラ投資計画を成立させたいとしており、恐らく「オバマケア」撤廃にも改めて取り組むだろうが、今のところトランプ氏は、おおむね有権者からの批判に直面している。

トランプ大統領は政治的なコンセンサスを構築するために、選挙期間中に彼を支持しなかった人々にも働きかけようと努力してきた、とホワイトハウスは説明する。

「この国をどうすればもっと良くしていけるのか、大統領との話し合いの席に着いて率直な議論をしようと望む多種多様な人々に対して、ホワイトハウスのドアは開かれている」とホワイトハウスの広報担当者は電子メールで述べている。

<党派対立激化のトランプ時代>

今回の世論調査では、回答者を2つのグループに分け、それぞれにここ数年のトランプ発言について共通した質問を行った。ただし、一方のグループには、それが大統領の発言であることを知らせなかった。その上で、それぞれの発言について賛成か反対かを尋ねている。

トランプ大統領の発言だと分っても、回答傾向にほとんど影響を与えない場合もいくつかあったが、大半の発言において、大統領の名前を出すことで、結果が変化した。最も大きな影響が見られたのは、利益相反に関する一連の質問だ。

共和党支持者のうち、「公職者」が政府内の地位を利用して金銭的な利益を得ることに対して「気にしない」と答えたのは約33%である。だが、もう一方のグループに対して、主語を「公職者」から「トランプ大統領」に変えた場合、「気にしない」と回答した共和党支持者は、2倍以上の70%に達したのである。

世論を2極化する「トランプ効果」が浮き彫りに
http://static.reuters.com/resources/media/editorial/20170411/trump-poll-financial.gif


回答者の一部は、トランプ氏を特別に例外扱いしている自覚はある、とその後の面接調査で語っている。

医療分野で働くテキサス州フォートワースのスージー・スチュワートさん(73)は、「結局は信頼の問題」だと指摘する。ほとんどの政治家については、個人的利益と政府の仕事を混同することを禁じるべきだが、大統領選でトランプ氏に投票したという彼女は、トランプ大統領にはそうした権利を自力で勝ち取ってきた、と言う。

「彼は非常に賢明な人物だ」とスチュワートさんは語る。「彼は、自分が素晴らしい経営者の1人であることを実証している。何かを作り上げる人物だ。この国にとって最善のことをやるビジネスセンスを持っていると思う」

前出したフロリダ州在住の民主党支持者であるハウスさんは、昨年の大統領選ではヒラリー・クリントン候補を支持していた。政治的には対極にあるが、やはりトランプ氏を特別扱いしていると語る。ただし彼の場合、トランプ氏が支持することにはすべて反対、という意味だ。

もしトランプ氏が「空は青い」と発言しても、「本当かどうか外に出てチェックする」とハウスさんは語る。

メディア発言に見る「トランプ効果」

http://static.reuters.com/resources/media/editorial/20170411/trump-poll-media.gif

テキサス大学オースチン校で党派性について研究しているジョン・ビュロック氏は、政治に関する世論調査において、人々がどのような動機によって特定の回答をするのか厳密に言い当てるのは不可能だ、と言う。

回答者のなかには、質問の背景を読んで、トランプ大統領に賛成することになるのか、それとも反対することになるのかを考えつつ答える人もいるだろう、と同氏は言う。ただ、それ以外の回答者はその問題について深く考えたことがなく、トランプ大統領の名前を手掛りとしてどう答えるかを決めている可能性もあるという。

「そうした人々は、トランプ大統領のことを、自分と価値観を共有できる人物、もしくは、決してそんなことはできない人物だと考えている」と同氏は語る。

(翻訳:エァクレーレン)
  

トランプ氏支持、主な理由は「クリントン氏勝利の阻止」=世論調査
コラム:米大統領選、不動産王トランプ氏人気上昇の理由
クリントン氏勝利予想、共和党支持者で拡大=世論調査
http://jp.reuters.com/article/usa-trump-effect-poll-idJPKBN17E0CK?sp=true

 


保護主義が世界経済の勢い削ぐ可能性=IMF専務理事

[ブリュッセル 12日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は12日、世界経済の回復の勢いは増しているものの、保護主義の台頭が世界貿易の脅威となっており、回復の勢いを削ぐ可能性があるとの見方を示した。

過度の対外不均衡の是正など、通商問題解決には多国間で協力し、戦後の開かれた貿易を推進すべきだ、と訴えた。

トランプ米大統領が推進する「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」には言及しなかったが、貿易を制限することは「自ら招いた傷」となり、サプライチェーンを乱し、商品価格を引き上げ、貧困層に最も大きな打撃を与えると指摘した。

先進国経済の見通しは以前よりも良好で、製造業部門は底堅いと指摘。今年の経済成長率の4分の3以上を占める新興国と発展途上国の経済の見通しも以前よりも好ましい、と説明した。

原油やコモディティ(商品)価格の上昇は、多くの商品輸出国を支援したが、そうした国の歳入は好況期の水準は下回っていると指摘した。

IMFは最新の世界経済見通しを4月18日に発表する。
http://jp.reuters.com/article/eu-imf-idJPKBN17E15K


 


 

100年スパンで捉えると見えてくる金利の先行き 資産運用のパラダイムシフトはすぐ目の前?(第3回)

2017.4.12(水) 加谷 珪一
1987年にベルリンの壁の前で演説する米国のレーガン大統領(当時)。レーガン大統領は執拗なインフレを退治し、米国を長期的な繁栄に導いた(資料写真、出所:Wikipedia)

 このところ資産運用の世界で、大きなパラダイムシフトが起こりつつある。長年続いた低金利の時代が終わり、金利上昇が本格化するのではないかとの見方が台頭してきているのだ。
 もしこの転換が本物だった場合、個人の資産運用は抜本的な転換を迫られることになる。金利が上昇し、インフレが進む局面において、銀行預金に依存し過ぎることはリスク要因となる。
 そこでこの集中連載では3回にわたって、新しい時代を迎えつつある個人の資産運用と金利の動向について論じてきた。第1回は投資に際して「金利」の動向をつかむことの重要性について、1980年代のバブル崩壊やリーマンンショックなどを例に解説し、第2回は金利が持つ本質的なメカニズムについて述べた。

(第1回)「資産家がわざわざローンを組んで不動産を買う理由」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49620
(第2回)「あなたは『金利』の正体を知っていますか?」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49631

 最終回は、過去100年間の金利動向などから、今、発生しつつある金利上昇というパラダイムシフトについて探っていく。
 なお、2月に上梓した『最強のお金運用術』(SBクリエイティブ)では金利についてさらに詳しく解説しているので、参照していただきたい。
米国の金利が上昇している本当の理由
 これまで解説してきたように、金利の動向というものは、その国全体の経済成長率と密接に関係している。短期的には金利は様々な要因で上下変動するが、長い目で見れば、長期金利の水準は、その国の名目成長率に収れんしていく。
 第2次大戦以降、世界経済は基本的に米国を中心に回っており、基本的な図式は今も変わっていない。それどころかトランプ政権の誕生によってその傾向がさらに顕著になる可能性も高まっている。米国という大きな市場から見れば、日本はアジアの地域経済に過ぎず、最終的な景気動向は米国に大きく左右される。つまり、今後の日本経済について理解するためには、米国の金利動向の分析が不可欠となる。
 トランプ政権の誕生以降、米国では金利がジワジワと上昇を続けている。FRB(連邦準備制度理事会)も3月のFOMC(連邦公開市場委員会)において、大方の予想通り利上げを決定した。このところの金利上昇は、トランプ政権が公約に掲げる大規模な経済対策への期待によるものとされている。
 マクロ経済的には、大規模な減税やインフラ投資は金利の上昇要因となるので、これらに対する期待で金利が上がっているという話はあながちウソではないだろう。だが重要なのはその先である。もしトランプ政権の経済政策に対する期待のみで金利が上がっているのだとすると、政策に対する期待が落ち着いてくれば、金利もある程度のところに収束することになる。
 だが、もっと大きな理由で金利の上昇が進んでいるのだとすると、金利上昇の期間はより長期的となり、トランプ政権の経済政策はこの動きをさらに加速する役割を果たす。どちらが本当なのか判断するためには、金利の歴史的な推移について知っておく必要があるだろう。

米国の金利は過去100年で2回のピークを付けている
 下の図は、米国における過去100年間の長期金利の推移を示したグラフである。長期金利のデータについては、1919年までは当時の中核的な金融商品だった鉄道債の金利を、1920年以降については米国債の金利を使用している。またダウ平均株価は、値上がりが激しいので対数表記にした。
米国における過去100年間の長期金利の推移
http://jbpress.ismedia.jp/mwimgs/2/0/530/img_20806d296370811ce391c5af3b14e2a941558.jpg

(* 配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで本記事の図表をご覧いただけます。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49646

 このグラフを見ると、米国の長期金利にはピークとボトムが2回ずつあることが分かる。1回目のピークは世界恐慌前の1920年前後で、この時期、長期国債の金利は5%を突破している。その後、世界恐慌に突入したことで金利は低下。ニューディール政策の実施に伴い景気は回復したものの、その後も金利はあまり上昇しなかった。
 戦後の高度成長がスタートすると金利は上昇を開始。しばらくは経済成長に伴って金利も上がるという状況が続いたが、1970年代に入ってこの状況に変化が生じてきた。その原因は米国で発生した深刻なスタグフレーション(経済の低成長とインフレが同時に進むこと)である。
 当時の米国は経済成長が鈍化したにもかかわらず、物価上昇のペースはむしろ加速した。米国の消費者物価指数は10年間で約2倍になったが、株価は横ばいが続き、実質ベースでは大幅な下落であった。ベトナム戦争の後遺症で経済が疲弊していたことや、オイルショックによる輸入物価の上昇、米国企業の競争力低下など悪い材料が目白押しとなっており、歴史的に見ても70年代は米国にとって最悪の時代の1つだった。
 長期金利は一時14%という驚異的な水準まで上昇していたが、この執拗なインフレを退治し、米国を長期的な繁栄に導いたのがレーガン大統領である。

金利が底を打つタイミングは間もなく?
 レーガン政権誕生と前後してFRB議長に就任したポール・ボルカー氏(のちにオバマ政権ではボルカー・ルールと呼ばれる金融規制強化に尽力した)は、政策金利(FF金利)を20%近くまで引き上げるなど、強烈な金融引き締め策を実施。市場では一気にドル高が進み、米国のインフレはようやく沈静化した。
 一方、レーガン大統領は、「高金利、ドル高、緊縮財政、減税、規制緩和」の5つからなる新しい経済政策(レーガノミクス)を打ち出した。これまで需要サイドに偏っていた経済政策を供給サイドにシフトし、徹底した規制緩和を通じて、容赦なく企業を競争環境に放り込んだのである。
 レーガノミクスを実施した当初は、米国経済は大混乱となったが、やがて企業の競争力は強化され、米国経済は力強く蘇った。米国の株価はその後、めざましい上昇を続け、ダウ平均株価は35年間で約20倍になった。その間、金利は一貫して下がり続け、現在に至っている。リーマンンショックは大きな出来事ではあったが、長期的に見れば、長い金利低下局面の一部分でしかない。
 金利の上昇や低下にサイクル的な動きがあるのだとすると、永久に金利が下がり続けるとは考えにくい。どこかで金利が反転する局面がやってきてもおかしくないはずだ。
 金利の低下が始まってから今年で36年になるが、1940年の金利のボトムから1980年の金利上昇までの期間が約40年だったことを考えると、そろそろ金利は底を打つタイミングかもしれない。

今の経済環境は金利が反転した1940年代とよく似ている
 それだけではない。トランプ政権を取り巻く経済的環境は、金利が緩やかに反転上昇を開始した1940年代とよく似ているのだ。
 大恐慌後に就任したフランクリン・ルーズベルト大統領は、需要不足と労働者の失業問題を解決するため、ニューディール政策と呼ばれる大規模なインフラ投資を行った。
 現在の米国はリーマン・ショックから立ち直り、ほぼ完全雇用に近いレベルまで失業率が下がったものの、雇用のミスマッチは依然として続いている。目的や状況は異なるかもしれないが、需要サイドを重視し、労働者に意図的に仕事を分配するという点において、トランプ氏の政策はニューディール政策に近い。
 大規模な国債増発を伴うニューディール政策は金利を上昇させるはずだが、意外にもニューディール以後の米国経済において、顕著な金利上昇は見られなかった。その理由は、米国政府が金利を一定水準以上には上昇させない「金利の釘付け政策」を1951年まで継続していたからである。景気の回復局面であるにもかかわらず、米国政府は意図的に金利上昇を抑制していたのである。
 同じような傾向はトランプ政権にも見られる。トランプ政権の経済政策は金利上昇とドル高をもたらすが、これが行き過ぎれば景気の腰を折ってしまう。トランプ政権はこれを警戒し、過度なドル高を牽制する発言を繰り返し行っている。穿った見方をすれば、日本や中国の通商政策を批判することで過度なドル高を抑制し、米国内の景気拡大を後押ししているともいえる。
 もし一連の状況が1940年代と同じであれば、いずれ金利は顕著に上昇する局面がやってくることになる。
 本当に長期的に金利が上昇するのか、現時点ではまだ分からないが、備えだけはしておく必要があるだろう。もし長期的な金利上昇がスタートした場合、資産運用の環境は180度変わってしまうからである。
 金利の上昇局面において、銀行預金に依存した資産運用はリスクが大きい。インフレで資産を目減りさせる事態を避けるためには、米国や日本の株式、あるいは不動産など、インフレに強い資産に分散して投資していく必要がある。長い目で見た場合、2017年は長期的な資産運用の転換点となっているかもしれない。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49646

 


IT最前線 マーケティング?IT

世界のIT支出額は今年も増加する見通し ドル高の影響受けるも、1.4%増の3.46兆ドルに
2017.4.12(水) 小久保 重信
ロシア大手銀5行に大規模サイバー攻撃、ITセキュリティー会社が発表
露モスクワにあるITセキュリティー大手カスペルスキー本社にある文字列が書かれたガラスの壁(2016年10月17日撮影)。(c)AFP/Kirill KUDRYAVTSEV〔AFPBB News〕
?米国の市場調査会社ガートナーが4月10日に公表した最新リポートによると、IT(情報通信技術)に対する今年(2017年)の世界支出額は、3兆4600億ドル(約383兆1600億円)となり、前年から1.4%増加する見通しだ。

ドル高の影響で670億ドル減少

?同社は今年1月に出したリポートで、今年のIT支出額が前年比で2.7%増加すると予測していたが、今回のリポートでこれを下方修正した。

?その主な理由はドル高だ。ドル高の影響で今年の世界IT支出額は670億ドル減少し、これに伴い米国を本拠地とする多国籍企業の収益が圧縮されると、ガートナーは見ている。

?ただし、昨年実績では、支出額の前年比伸び率が0.4%と小幅な伸びにとどまっており、今年はこれに比べて市場環境が幾分良い状態になるようだ。

?ガートナーは世界のIT支出額を規模順に、「通信サービス」「ITサービス」「デバイス」「企業向けソフトウエア」「データセンターシステム」の5分野に分けて分析している。

?このうち、IT支出全体の約4割を占める「通信サービス」は、前年比0.3%減の1兆3760億ドルになると推計している。一方で、これ以外の4分野の支出額は、いずれも増加する見通しだ。

?例えば、「企業向けソフトウエア」の支出額は3510億ドルで、その前年比伸び率は5.5%と、5分野で最も高くなる見通し。「ITサービス」も同2.3%増の9170億ドルと、堅調に推移するという。

「デバイス」はスマホの販売価格上昇に期待

?このほか、パソコン/携帯電話/タブレット端末などの「デバイス」への支出額は、同1.7%増の6450億ドルになる見通しだ。

?ガートナーによると、「デバイス」への支出額は昨年2.6%減少した。だが、今年はアジア太平洋地域の新興国市場や、中国で携帯電話の平均販売価格が上昇することから、増加に転じるという。

?また、米アップルのスマートフォン「iPhone」は発売10周年モデルが登場すると見られており、このモデルを含むアップル製端末への買い替えも進むとガートナーは見ている。

?一方で、アップルの「iPad」やマイクロソフトの「Surface」などに代表されるタブレット端末は、引き続き大幅減少が見込まれている。

(参考・関連記事)「落ち込みが止まらない、世界タブレット端末市場」

?パソコンも、デスクトップパソコン、ノートパソコンともに、依然買い替え周期が長期化しており、販売台数と利用台数の両面において、低迷が続くとガートナーは見ている。

(参考・関連記事)「Androidの利用台数、ついにWindowsを上回る」

「データセンターシステム」はサーバー市場が低迷

?このほか、「データセンターシステム」は前年比0.3%増の1710億ドルと、小幅な伸びにとどまる見通しだ。これについては、顧客企業の動きに変化が現れており、サーバー市場が低迷していると、ガートナーは報告している。

?同社によると、企業は従来のように、サーバーを購入し、自前のデータセンターシステムを構築するのではなく、アマゾン・ドットコムやグーグル、マイクロソフトといったクラウド企業のデータセンターサービスを利用するようになっている。

?こうした顧客の変化が、サーバーへの支出減少につながり、この分野の全体に影響を及ぼしているとガートナーは指摘している。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49709
 

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