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日本経済はいま、「次の一手が見つからない状態」だ 金融緩和も限界に近づいて…
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51425
2017.04.10 真壁 昭夫 信州大学経済学部教授 現代ビジネス
わが国の経済は、バブル期に迫る勢いで労働需給が逼迫している。中国経済の落ち着きを受けて、生産、輸出も持ち直している。ただ、われわれが肌で感じる景況感は、あまり回復しているとの実感は少ないだろう。
一方、海外に目を移すと、肝心のトランプノミクスへの期待がしぼみつつある。米国の景気回復がどこまで続くかも不明瞭だ。
米国経済が変調をきたすと、世界経済にはかなりの影響が出る。為替相場ではドル安・円高が進み、わが国の景況感悪化も避けられない。
その時、前代未聞の経済政策を進めるリスクを冒すか、それとも着実に構造改革を進めるか、わが国は重大な選択を迫られる可能性がある。
海外の景気回復に依存する日本経済
日本経済は、輸出に支えられ雇用を中心に回復が進んでいる。
ただ、アベノミクスが始まって以降、可処分所得は総じて横ばいだ。
中小企業が人手を確保するために仕方なく賃上げに踏み切る一方、大企業のベースアップは昨年を下回るところが多い。この状況では、多くの消費者が景気回復を実感しづらい。
足元では、世界経済への期待を支えてきた米国の政治・経済の動きにも暗雲が立ち込めている。G20で米国が保護主義重視の姿勢を押し通したこともあり、ドルの上値は重い。
トランプ大統領によるオバマ・ケア代替法案の採決取りやめが、同政権の政策運営への不安を高めている。ホワイトハウスが共和党保守強硬派の支持を得ることができないと、今後の税制改革なども思うようには進まないだろう。
すでにFRBは株価が割高との見方を示している。当面、米国の株式市場は不安定な展開を続ける可能性が高い。
その中で、減税、インフラ投資に関する政策議論が進まないと、保有してきた株を手放そうとする投資家が増えだろう。その結果、金融市場はリスク回避に流れ、為替相場ではドル売り、円買いが進むだろう。円高が進むと、わが国の景気減速懸念も高まる。
その意味では、米国の景気回復の持続性が重要になる。
気がかりなのは、値引きをしても自動車が売れ難くなっていることだ。中古車の価格も下落している。一方、信用力の劣るサブプライム層の消費者のローン返済能力は低下している。
この状況が続くと、米国の需要は下振れしトランプ政権の目玉である製造業の米国回帰は進みづらくなる。
頼るのはやっぱりあの理論…?
トランプ政権の政策運営が難航する可能性が高いことを考えると、米国の景気先行きは楽観できない。年2回と考えられている利上げも、そう簡単ではないだろう。政府の保護主義重視姿勢も重なり、ドル安圧力は高まりやすい。
そうなると、わが国は円高環境に直面する可能性がある。2016年のように、追加の金融緩和観測が高まり、金融市場がそれを催促し始める展開も排除できない。
問題は、日銀の追加金融緩和の手法がほとんど見当たらないことだ。
すでに日銀は発行残高の4割超の国債を保有している。日銀の買い入れペースにもよるが、買い入れはどこかで行き詰る。現時点で、この問題を解決する妙案は見当たらない。
それでも、黒田日銀総裁は年80兆円のペースでの買い入れを重視し、早期の政策変更を否定している。このままだと、どこかで急速な方針変更を余儀なくされる恐れすらある。
国債買い入れを継続しながら長短の金利操作を続けるには、国債の供給が増える必要がある。政府が一時的に財政再建を先送りして景気を刺激し、同時に金融緩和を進めることで物価の上昇を目指す“シムズ理論(物価水準の財政理論)”など、前代未聞の経済政策が進められる可能性は高まっている。
財政健全化が遅れる中、一時的にせよ政府が財政再建の手綱を緩めることはあってはならない。
日銀が半分近くの国債を保有しているとはいえ、機関投資家や外国人などが国債を売り始めると、かなりのショックが金融市場に出るはずだ。そうした展開を念頭に、人手不足など回復の足かせ要因を取り除いていくことが欠かせない。
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