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この本が、家族の多様性を広める一つのきっかけになれば、と藤沢数希氏
年収1000万円男性と不倫して出産する人生がなぜ「得」なのか
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170404-00000021-pseven-soci
NEWS ポストセブン 4/4(火) 16:00配信
<一夫一妻制>ではなく、<事実婚>こそ、いまの時代にふさわしい──。日本の少子化の原因は現在の「結婚制度」にあるとして、新しい家族のあり方を提示する藤沢数希氏の『損する結婚 儲かる離婚』(新潮新書)が話題を集めている。少子化対策のためのみならず、男女ともが真に自由に、愛に生きるために、<事実婚>という選択肢があると説く藤沢数希氏のインタビュー。【後編】では、結婚制度の欠陥から、現代の平和な一夫多妻制の在り方までを聞いた。
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■デキ婚や離婚のように、<事実婚>が市民権を得る可能性はある
──藤沢さんは日本社会が<事実婚>へと堰(せき)を切るためにこの本を書いた、と仰いました。まず、藤沢さんが想定されている<事実婚>ってどういうものですか?
藤沢:一対一で付き合っているカップルが籍を入れずに一緒に暮らし、子どもが生まれて家族になるパターンもあれば、女性がいわゆる愛人という形で男性と暮らすなり、あるいは別居はしていますが子どもを産むパターンもあります。いま、こうした事実婚を妨げる法律は一切ありません。数年前までは、非嫡出子の相続は嫡出子の半分、という差別的な法律が唯一残っていたのですが、これも当然のように撤廃されました。
──とはいえ日本では事実婚の状態で生まれた子ども、つまり婚外子の比率は2%程度です。フランスの約60%をはじめ、40〜50%が多いヨーロッパに比べると、異常な低さです。なぜだと考えますか?
藤沢:法律上の問題ではないのだから、文化的な要因が大きいと思います。本に書きましたが、韓国や香港も少ないので、アジアに共通する価値観なのかもしれません。しかし、「みんながやれば自分もやるし、みんながやらなければ自分もやらない」という単純な話なのかもしれません。僕は海外で暮らしていたし、外資系企業にいたから、日本の同調圧力や世間体を気にしたことがないのですが、日本に生まれてずっと日本に住んでいると、みなと同じ、が大事なのだな、と人々を観察していて感じます。
裏を返せば、みながやり出したら、一気に広がる可能性はある。例えばできちゃった結婚って、10数年前までは隠さないといけないようなことだったけど、いまや市民権を得ましたよね。むしろ、子どもができないのに結婚するの? と言われてしまいます。離婚も3人に1人がする時代、バツイチは必ずしもネガティブな言葉ではなくなりました。ふつうの公立の小学校なんか覗いてみると、シングルマザーの家庭はぜんぜん珍しくない。
社会は徐々に変わるのではなく、ある時点を境に、急激にガラリと変わるのだと思います。影響力のある著名人やスポーツ選手が堂々と事実婚を宣言するなどしたら、急に事実婚がふつうになるかもしれない。まずは、この本が家族の多様性を広める、一つのきっかけになれば、と思います。
■結婚という形にこだわるがゆえに、愛のない選択をすることに
──法律上の妨げはなくとも、それでも結婚を望む男女は多いように感じます。
藤沢:やはり、日本人は「結婚」が大好きですからね。本にも書いたように、実際、まともな所得がある男性と結婚した女性は大きな既得権益を手にします。もちろん、それはそれでいいと思うんですよ。じゃあ、そういうまともな男性と結婚できなかったら、他に選択肢はないのか、という話なんです。
多くの女性は所得の高い男性との結婚を望んでいる。一方、年収1000万円以上の男性は全体の6、7%であるように、所得の高い男性って少ししかいない。また、所得の高い男性にしてみたら、結婚は大きな負担が伴う契約で、気軽には踏み切れない。要は、女性が自分の望むような男性と結婚できる可能性は極めて低いんですよ。そんな低い可能性に賭けている女性を見ると、どうしてもっとマクロな視点を持ち冷静になれないのかな、と不思議に思います。
──その結果、女性が二極化している、と本で書かれています。
藤沢:理想的な結婚ができた人は法律にがっちり守られた幸せを手にする一方、結婚できない人は生涯未婚のまま子どもを産まない、という状態が続くのです。この二択しかない状況が、僕にはいいと思えないんですね。多くの女性は、できるならば好きな男と幸せになりたい、あるいは子どもを産みたいと願っている。それを実現する道が、イコール<結婚>のみであることに、疑問を感じるのです。
例えば愛した人にすでに妻がいて、結婚はできなかったとしても、愛人として子を産み、養育費をもらって暮らす人生もあるのではないでしょうか。経済的な面に限って言えば、年収600万円の男性と結婚するより、年収1000万円以上の男性と不倫をして子どもを産んだほうが、養育費だけでも得することになります。詳しくは本を読んでいただきたい。
──事実婚が増えれば出生率も上がりますか?
藤沢:いま日本の出生率は1.4程度です。事実婚が広がれば1.8くらいまでは上がると僕は予想しています。フランスや北欧のように2.0程度まで上げるには、さらに国の補助などの政策が必要でしょうね。好きな男性と好きなときに子どもを産んでも、政府がちゃんとシングルマザーを補助するようにしないといけません。
でも、僕が事実婚を言うのは、何も少子化対策のためではないんです。個人の幸せを考えて、そう思います。いまは男も女も働く時代、みな、もっと自由に生きればいいと思うんですよ。結婚という形にあまりにもこだわるがゆえに、結婚できないからといって好きな男を諦める、という愛のない選択を女性はすることになる。僕には理解できません。愛は、すべてのものに優先しないといけないものですから。
■人間味あふれる一夫多妻、心温まる一夫多妻とは?
──藤沢さんが仰っている事実婚には、<一夫多妻>が含まれます。一人の男性を複数の女性が取り合うわけで、軋轢は生じないでしょうか?
藤沢 取り合う、ではなく、シェア、ですね。確かに、軋轢は起きるかもしれないけど、それを補ってあまりあるメリットがあればいいんじゃないでしょうか。文化人類学者たちの研究によると、そもそも社会の「数」で見ると、いまでも一夫多妻制が多いんです。実際、恋愛市場って一夫多妻的ですよね。一部のモテる男性に女性が集まるという意味で。
とはいえ、GDPベースで見ると、一夫一妻制が圧倒的な割合を占めます。先進国のほとんどが一夫一妻制だからですね。だから僕も、一夫一妻制が果たしてきた大きな役割については認めています。一夫一妻制だからこそ、すべての男性に女性がいきわたり、社会が安定し、経済が発展し、国力が上がった。そうではない中東諸国の不安定さを見れば、一夫一妻制には、社会の発展のために大きな意味があったと考えざるをえません。
誤解している人もいますが、一夫一妻制って、女性のためではなく、男性の中間層にこそ有利な配偶システムなんですよ。
──では一夫多妻制になると、どうしてもあまる男性が出てきますよね。彼らはそれでいいのでしょうか?
藤沢:僕は科学技術の力でそれは解決できると信じています。性産業がこれだけ発達していますし、インターネット技術のおかげで良質なポルノ動画が行き渡っています。だから僕は、いまの先進国なら、個人の自由意志に基づく、平和な一夫多妻制が実現できると考えているのです。たとえ現実の女の人に相手にされなくても、資本主義経済のおかげで、性欲や恋愛欲を満たすためのサービスはどんどん生まれてくるからです。
──女性には一夫多妻に対して、感情的な抵抗も強い気がします。
藤沢:一夫多妻と言っても、権力や金を持て余す男が、あるいは生まれつきモテる男が、傲慢に多数の女性をはべらせる、というようなものを僕はイメージしているわけではありません。妻と子を愛しつつも、その後に運命の人に出会ってしまった。そんな男が葛藤を重ね、苦しみながらも、その女性と交際を続け、やがて小さな命が誕生する。そんな人間味が溢れる一夫多妻です。
あるいは、愛し合っていた夫婦が、すれ違い別れてしまう。そして、そんな失意の中で暮らす男性が、また、ひとりの女性と出会い恋に落ち、家庭を持つ。そんなことを繰り返していると、生涯に3人の女性と「結果的に」家庭を持つことになっていた。そんな心温まる事実上の一夫多妻なのです。
■少なくとも金だけは送られてくる愛人のほうが、よほどいい
──愛人として子育てをする場合、父親の協力を得られるか不安に感じる女性もいるのではないでしょうか?
藤沢:愛人でなくてもシングルマザーは増えていますし、結婚していても役に立たない父親はたくさんいます。一方で、少なくとも金だけは送られてくる愛人のほうが、よほどいい。もちろん、子育てをがんばってくれる人も多いでしょう。
あと、僕は子育ては、母系制社会のほうが幸福かもしれない、と思うんですよね。つまり女性が自分の両親や家族と同居して、祖父母など家族の力を借りながら子育てをするほうがいいと。人類の長い歴史から見ると、赤の他人の男と女が二人きりで子どもを育てるって特異なことなんです。核家族で旦那が仕事で家に帰ってこないと、奥さんは孤立して精神的に不安定になりがちです。いまは共働きが増えると同時に、高齢化が進んで、高齢者の労働力はあまっているわけですから、親族らと複数世帯で子育てをするのが合理的なのではないでしょうか。夫婦は別居でもいいと思います。
──しかし、伝統的な家族観にこだわる日本人は少なくないと思います。
藤沢:安倍首相をはじめとする現政府も、伝統的な家族観にこだわっていますよね。しかし一夫一妻で結婚してから子どもを産むという現在の結婚制度は、必ずしも日本の伝統ではありません。日本には夜這いや妾などの文化もありました。伝統的には婚外子に寛容だったのです。むしろ、明治以降に西洋から入ってきたキリスト教的価値観の影響を受けた一夫一妻を絶対的な善とする家族観のことを、伝統と称しているわけです。
政府は少子化問題に取り組んでいますが、いずれにしろ公の場では、人はポリティカル・コレクトネスの話しかできないんです。一方、恋愛してセックスして子どもを産むという男女の営みは、基本的にポリティカル・コレクトネスから外れた部分で行われている。だから少子化は政策議論にもっとも適さない話題であり、ポリティカル・コレクトネスではないところに、本当の解決策があるんですよ。
──その一つが事実婚だと。
藤沢:生物学的に子どもを産む適齢期のはずの高校生が妊娠したら犯罪者のような扱いだし、大学生が妊娠しても、好機の目で見られます。会社で働きはじめてすぐに妊娠するのは仕事に対する責任感がないからダメで、何年か働いて仕事も落ちついて、会社の同僚なんかと交際を経た後に結婚して、しばらくして、30歳のちょっと前ぐらいで妊娠するのが唯一正しい家族の作り方。
学生が妊娠したら、何かの過ちのように見られたのに、35歳くらいになって子どもがいないと、今度は、やれ卵子の劣化だ、お前が歳を取ったら他人の子がお前の年金を払うんだぞ、反省しろババア、と言われる。こんなのおかしいと思いませんか?
僕は、女性の選択肢が増えることを切に願っています。
藤沢数希■理論物理学研究者、外資系金融機関を経て、作家。金融日記管理人。著書に『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』『「反原発」の不都合な真実』『外資系金融機関の終わり』『ぼくは愛を証明しようと思う。』がある
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