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3月の日銀短観
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52927162.html
2017年04月03日 在野のアナリスト
3月日銀短観が出てきました。大企業製造業DIが現状で+2、先行きで-1、非製造業DIが現状で+2、先行きで-4、中小企業製造業DIが現状で+4、先行きで-5、中小企業非製造業DIが現状で+2、先行きで-5。面白いのはそろって今がピークで、先行きの悪化をみこむ点です。内訳をみると、製造業ではいわゆる設備投資関連の現状判断は高く、先行きも明るい。この辺りはほぼ計画的にすすむため、突発的事象がおこらなければ予定通りにすすむとみられます。一方で、自動車現状はいいものの、先行きは暗さを見こむ。すでに米国の市場悪化も伝えられることから、残りの受注を捌けていたこれまではまだしも、米国の反動減が怖い、といったところかもしれません。
非製造業になると、事態はかなり深刻です。現状は先行きに明るさを示すのは小売と通信ぐらい。これは新年度入りし、新入社員も増えることから新生活の消費、新規契約が増えるとの期待がそうさせるのでしょう。しかしそれ以外は今がピーク、先行きは落ちるとの見通しを示しており、これは内需の深刻さを如実に映すのでしょう。
在庫が減ったのは年度末で処分売りをしたのでしょうが、販売価格は現状が上昇している結果になるものの、先行きでは横ばいをみこむ。こうした点にも先行きの弱気ムードが感じられます。しかしそれとまったく逆の結果を示すのが、企業の売上げ高です。売上げ高は16年度の計画ベースで小幅に悪化しますが、17年度の見通しでは反動増を見こみます。しかも製造業は輸出の伸びは低いものの、国内向けの伸びを高くみこむ。6月までは悪化するけれど、下期には回復すると企業が考えているのだとしても、そう判断する材料は何もありません。希望的観測にすぎないかもしれません。
経常利益は16年度計画では製造業は2桁減、17年度も小幅減と、冴えない数字が並びます。しかし純利益は最近、かなり好調であり、株価もそれに応じて現状を正当化する意見もめだちます。16年度計画では製造業が2.6%増、非製造業は15.1%増となり、17年度も非製造業は3.0%増と、2期連続で伸びを示す。ただこれは、売上げ高も経常利益も伸びていないことでも分かる通り、固定費の減少によるものとみられ、要するに高齢層のリタイヤと若年労働層の増加によって、固定費が下がった影響とみられます。景況がそれほどよくないのに業績がいい、それが労働者層の交代期におきることなら、決して長続きするものでもないのでしょう。
設備投資は16年度が何とかプラスで終わりそうなものの、17年度の伸びが小幅で、毎年の修正幅をみても17年度はマイナスになるかもしれない。全体的にみると、17年度の企業の見方は慎重、ということがうかがい知れます。それはトランプ政権の誕生ばかりでなく、日銀の金融緩和の限界もみえてきて、何が起きるかわからないばかりか、何か起きたらネガティブな方向にバイアスがかかることが、予想以上にマインドを悪化させている、ということも言えるのです。
相場も新年度入りですが、米系ではあまり大口の取引のないところが、日経平均で仕掛けて一時19000円を回復するも、引けにかけて失速しました。今年はアルゴリズム取引の影響と、収益を確保したい金融機関の思惑とで、不意の変動が大きくなるかもしれません。それは上に限界もみえるため、アクティブ取引では値動きをだして稼ぐしかないためです。日銀短観にみる今年度の景況感、どうも芳しくない。そんなこともまた、外国人投資家にとって値動き、仕掛け、という動きを増やす要因ともなるのでしょう。
今年は安倍ノミクスどころか、クが落ちて安倍ノミスを意識することが多くなることも、外国人投資家が手控える要因たりえます。解散も囁かれますが、ツキも落ちた安倍氏が、ミスを連発する。クが落ちるというより、苦行が増えるという意味では、株式も下落して安倍ノミクスが終焉し、安倍ノ苦シミとするような1年になるのかもしれませんね。
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