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個人消費に変調か、ファミレス客単価に失速感
上野泰也のエコノミック・ソナー
「フィットネスクラブ売上高」も前年割れ寸前
2017年3月28日(火)
上野 泰也
ファミレスの客単価の伸びが明らかに鈍っている。(写真:PIXTA)
身近な経済指標に変調のシグナルが
個人消費が変調していることを示すシグナルが、筆者が長くウォッチしている身近な指標の1つに出てきている。
経済産業省が3月10日に発表した1月の特定サービス産業動態統計速報で、「フィットネスクラブ売上高」が前年同月比▲0.7%になった。マイナスは2012年1月以来、実に5年ぶりのことである。その後、22日に発表された確報では同+0.2%に上方修正され、マイナス圏への転落はかろうじて免れたものの、失速感があることに変わりはない<図1>。昨年がうるう年だったというテクニカルな要因も寄与してくるので、次回2月分では確報段階でもマイナスになるのではないか。
■図1:フィットネスクラブ売上高
(出所)経済産業省
売上高の内訳を見ると、会費収入計はフィットネスクラブが前年同月比+0.9%で、スクールが同+1.8%。利用料金収入は同+8.4%。顕著に減少したのは食堂・売店売上高(直営のもの)で、同▲24.0%である(9か月連続の減少で、マイナス幅は1月に急拡大)。
消費者の支出絞り込みがワンステップ進んだ?
フィットネスクラブへの支出は、生活必需品的な基礎的支出ではなく、カテゴリーとしては、選択的支出に含まれる。けれども、高齢化が着実に進む中で従来以上に広がってきている健康志向から考えて、支出を絞り込もうとする際にも最後までそのまま残されやすいものではないかと考えられる。したがって、その変調に持続性があるのなら、消費者の支出絞り込みがワンステップ進んでしまったことが示されている可能性がある。次回2月分以降のデータを注視する必要があろう。
個人消費の変調ないし停滞シグナルと考えられる身近な指標としてもう1つ、上がりにくくなっているファミリーレストランの客単価を見ておきたい。
2月27日に日本フードサービス協会から発表された1月の外食産業市場動向調査で、外食売上高(全店ベース)は前年同月比+2.4%になった。プラスは5か月連続で、個人消費は持ち直しているのではないかという印象を抱く向きもあろう。
客単価の伸びが明らかに鈍っている「ファミレス」
しかし内訳を見ると、目立って堅調だったのは相対的に価格が安い上に店舗の数が多い「ファーストフード業態」である(前年同月比+4.2%)。
また、この月は利用客数が前年同月比+2.1%という高い伸びを記録し、売上高を持ち上げる主因になったのだが、これには天候要因も寄与したと考えられる。1月の雨天日数は、東京都で2日、大阪府で1日、前年同月よりも少なかった。
景気動向を探る身近なインディケーターとして筆者が以前より注視しているのは「ファミリーレストラン業態」に限った売上高である。1月は前年同月比+0.8%という小幅の増加にとどまった。それ以上に重要なのは、消費者のマインドが良好であれば上がってくると考えられる客単価の伸びが、この業態で明らかに鈍っていることである<図2>。
■図2:外食売上高「ファミリーレストラン」 客単価と利用客数の売上高への寄与度
注:全店ベース。店舗数の寄与度は表示していない。
(出所)日本フードサービス協会
2014年4月の消費増税前後から2015年11月まで、この業態の客単価は同+2〜4%台で、しっかりと伸びていた。円安などによるコスト増加分の上乗せ、付加価値をつけたワンランク上のメニュー提供という供給側の工夫がうまく運んでいた時期だったと言えるだろう。
ところが、客単価はその後はなかなか伸びなくなっており、2016年8月と9月はマイナス。10月からは4か月連続の上昇を記録したが、最も高い2017年1月でも前年同月比+1.3%止まりである。
日本経済の安定感が欠如
より包括的な統計からも、個人消費の直近の状況を見ておきたい。
3月8日に内閣府から発表された昨年10〜12月期のGDP(国内総生産)2次速報で、民間最終消費支出(個人消費)は前期比+0.0%にとどまった。1次速報の同▲0.0%からは上方修正されたものの、ほとんど伸びていない。日本経済は昨年後半、2四半期続けて純輸出(外需)主導の成長パターンになったのだが、海外経済や為替相場の動き、さらには主力である電子部品ではスマートフォンなど完成品の需要サイクルに振り回されやすいため、安定感が欠如していることは否めない。
また、GDPデータを加工して作成することができる統計のうち、単位労働コスト(名目雇用者報酬÷実質GDP)を見ると、10〜12月期は前年同期比+0.5%にとどまった。2016年1-3月期の同+2.3%がピークで、増加率は3四半期連続で鈍化してきており、これは個人消費にとり、ネガティブな動きである。
家計消費の面で、世帯の生活水準は切り下がっている
月次で発表されている個人消費の関連統計も、概観しておきたい。内閣府の消費総合指数、および日銀の消費活動指数は、ともに直近レンジの近辺での上下動にとどまっている。
また、家計調査の消費水準指数(世帯人員及び世帯主の年齢分布調整済)を見ると2015年から低下基調となっており、家計消費の面で、世帯の生活水準は切り下がっている。
現金給与総額(雇用者1人当たりの名目賃金)は伸びが限られており、物価上昇を勘案した実質賃金は2010〜2013年頃に推移していた水準から5%ほど切り下がった状態である。
勤労者世帯の平均消費性向は低下、背景に「長生きリスク」
雇用者の数は伸びているため、1人当たり名目賃金と掛け合わせた総雇用者所得は上向いている。だが、家計調査を見ると勤労者世帯の平均消費性向(可処分所得に占める消費支出の割合)は低下しており、マクロでの所得増加が消費増加には直結しない構図になっている。そして、その背景として指摘する声が多いのが、若年層から中高年まで幅広い層により意識されている、将来不安(長生きリスク)の存在である。
国内景気に関する筆者の基本認識は、2014年4月の消費税率引き上げの前からほとんど変わっていない。すなわち、持続的で力強いけん引役、野球の試合に例えれば、安心して任せられる「エースピッチャー」が見当たらないため、その「試合運び」は本質的には常に不安定であり、「風頼み」「風任せ」という側面がある。
すでに述べたように、純輸出が昨年後半は予想外に好投したわけだが、電子部品の輸出に一巡感が今後出てくることが十分予想される上に、自動車の輸出では「トランプリスク」が警戒されるため、今後に大きな期待をかけるのは難しいだろう。
円高ドル安方向に大きく動くと、景気全体の腰折れリスクが浮上
2016年度第2次補正予算で公共事業が上積みされており、今年4〜6月期と7〜9月期には公的固定資本形成(公共投資)が景気を下支えすると見込まれるものの、これは一時的な下支え以上の期待はしにくい需要項目である。
そうした中で、仮に為替相場が円高ドル安方向に大きく動くようだと、企業収益さらには景気全体の腰折れリスクが、たちまち浮上する。安倍内閣の大番頭である菅義偉官房長官が為替リスクの管理を重視した発言をしているゆえんである。
長いイニングを投げさせても安心して見ていられるような「エースピッチャー」が現れそうにないため、国内景気の持続的で力強い回復は期待できず、先行き不透明感は強いというのが結論である。
このコラムについて
上野泰也のエコノミック・ソナー
景気の流れが今後、どう変わっていくのか?先行きを占うのはなかなか難しい。だが、予兆はどこかに必ず現れてくるもの。その小さな変化を見逃さず、確かな情報をキャッチし、いかに分析して将来に備えるか?著名エコノミストの上野泰也氏が独自の視点と勘所を披露しながら、経済の行く末を読み解いていく。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/248790/032300087/
週1回で月謝7000円、貧困生徒を救う格安塾
記者の眼
教育の機会を十分に得られない子をなくすために
2017年3月28日(火)
西 雄大
先日、国公立大学の後期日程の合格発表があった。受検勉強の努力が実って志望校に合格した人もいるだろう。4月からの新生活に心を躍らせる人が多い時期だ。
だが残念ながら、家庭の貧困が原因で教育の機会を十分に得られていない子供が約300万人もいる。
子どもの貧困率は、景気変動などの影響を受けて若干の上下を伴いつつも、1980年代からほぼ一貫して上昇傾向にある。2012年には16.3%に達し、約6人に1人が貧困状態にある。他国と比較しても、米国やポルトガルなどに次いで高い水準にあり、この10年ほどで貧困率の上昇幅が大きい国となってしまった。
この問題は貧困家庭の子どもたちだけの将来にとどまらない。三菱UFJリサーチ&コンサルティングと日本財団が共同で試算したところ、子供の貧困を放置しておくと、所得が42兆9000億円失われるとともに、財政収入が15兆9000億円減ってしまうという。
さらに政府は生活保護などの社会保障などで約1兆1000億円の財政負担が発生する。本人だけでなく国の財政にも大きな影響があるのだ。
この社会的損失を小さくするために欠かせないのが教育格差の是正だ。貧困世帯の子供は、全世帯と比較して進学率が低く、中学や高校卒業後に就職したり、中退してしまったりする割合が高い。例えば、全世帯の大学(専修学校含む)などへの進学率は73.3%だが、児童養護施設で暮らす子どもは22.6%にとどまる。生活保護を受給する家庭も32.9%と低い。子どもの教育機会を確保すれば、高校や大学への進学率が向上する。そして職業選択の幅が広がり、貧困から抜け出せる可能性がある。
学力向上に欠かせないのが、学習塾へ通える環境を整えることだ。裕福な家庭の子供は学校教育だけでなく、学習塾や家庭教師など学力向上のために資金を投じてもらっている。家庭環境によって大きな差が生じている。最近、従来よりも低価格に抑えた学習塾が増えてきた。そのひとつが葵(東京・新宿、石井貴基社長)だ。
スマホで無料授業
アオイゼミは毎晩無料で授業を放送している
葵が運営する「アオイゼミ」はスマートフォンさえあれば、無料で授業を受けられる。中高生向けに授業を生放送しているが、メールアドレスなどを登録すれば無料で視聴できる。講師も大手予備校経験者を揃え、中高生向けに9科目の授業を配信するなど一般的な学習塾の授業内容とそん色がない。放送中に質問をしたり、ほかの生徒と交流したりもできるなどIT(情報技術)を活用したサービスも受けられる。
さらに月額3500円のプレミアムコースになれば、過去の授業4000本以上を好きな時間に授業を受けられるほか、テキストもダウンロードできる。プレミアムコースでも、授業料は一般的な学習塾の4分の1程度で済む。
アオイゼミは教室をもたず、放送設備しかない。固定費を抑えることで低価格を実現できた。石井社長は「『塾に行ける経済的な余裕がなかったが国立大学に合格できた』という報告もきている。学習意欲さえ高ければ、所得格差も地域格差も乗り越えられる」という。アオイゼミには2017年も国公立大学や有名私立大学への合格報告が届き始めている。
圏外の立地でコスト削減
ほかにも貧困家庭でも受けられるよう授業料を抑えた学習塾がある。コラボプラネット(福岡県糸島市、西原申敏社長)は出店戦略で低価格を実現した。授業料は週1回で月7000円。一般的な学習塾と比べ半額程度に抑えた。
コラボプラネットが運営する学習塾。空きスペースを活用して固定費を削減
出店戦略はどの企業も重要だが、同じ計算式で使うと同じような場所に進出してしまう。
多くの学習塾は駅前に出店し、近くに2〜3つの学校がある地域を探す。さらに教師を集めるため、近隣に大学がないかも確認する。近隣にある2〜3の学校から200人を集めて、大学生のアルバイト教師を見つけられれば十分収益があがるものだ。各社は地図情報システムを駆使して、候補地を探す。そのため同じような場所に教室を開いてしまう。
コラボプラネットはあえて他社が圏外だと考えた場所を狙う。西原社長は「最後発で同じことをしたら収益があがらない」と考えた。
圏外であれば競争相手は少ない。だがそうした地域でも、子供の教育に熱心な家庭は都市部まで送り迎えをしていることが多い。ただでさえ子供は少ないうえに見込み客となりそうな人は既に別の塾に通っている。
そこで西原社長は授業料を低価格に抑えれば貧困家庭にも対象顧客が広がり、需要を掘り起こせると判断した。「勉強の楽しさを教えれば成績はあがる。20点しか取れなかった生徒が60点程度に上げられている」(西原社長)。
圏外の場所でも採算を確保できるように固定費を削減した。学習塾の主な固定費は家賃と人件費だ。開講時だけ費用がかかるようにした。
商工会議所や寺院などを間借りし、教室を開いている。教材はイーラーニングで用意し、教師はいない。その代わり、施錠や出欠管理といった教室の管理人の業務を担う支援アドバイザーを時給制で雇う。圏外の地域は雇用も少ない。コラボプラネットが進出することで、雇用も創出できるというメリットもある。
冒頭の試算のように子供の貧困は社会的な損失も大きい。こうした安価なサービスを活用できれば、学力が向上する可能性を秘める。
ただ学力を伸ばす前提条件として必要なのが動機づけだ。夢や目標がないと学習意欲はわかない。ここは大人の出番だ。自分の仕事の魅力を伝えることで、子供は目標としてとらえられるかもしれない。貧困層の子どもたちの親はギャンブルやアルコールなどに依存した生活を送るなど、働き方に問題がある人が少なくない。異なる世界を見せることで希望を見出し、学習意欲が高まる可能性がある。多くの大人が参加できる身近なボランティアになるとも感じた。
このコラムについて
記者の眼
日経ビジネスに在籍する30人以上の記者が、日々の取材で得た情報を基に、独自の視点で執筆するコラムです。原則平日毎日の公開になります。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/032400432
週1回で月謝7000円、貧困生徒を救う格安塾
記者の眼
教育の機会を十分に得られない子をなくすために
2017年3月28日(火)
西 雄大
先日、国公立大学の後期日程の合格発表があった。受検勉強の努力が実って志望校に合格した人もいるだろう。4月からの新生活に心を躍らせる人が多い時期だ。
だが残念ながら、家庭の貧困が原因で教育の機会を十分に得られていない子供が約300万人もいる。
子どもの貧困率は、景気変動などの影響を受けて若干の上下を伴いつつも、1980年代からほぼ一貫して上昇傾向にある。2012年には16.3%に達し、約6人に1人が貧困状態にある。他国と比較しても、米国やポルトガルなどに次いで高い水準にあり、この10年ほどで貧困率の上昇幅が大きい国となってしまった。
この問題は貧困家庭の子どもたちだけの将来にとどまらない。三菱UFJリサーチ&コンサルティングと日本財団が共同で試算したところ、子供の貧困を放置しておくと、所得が42兆9000億円失われるとともに、財政収入が15兆9000億円減ってしまうという。
さらに政府は生活保護などの社会保障などで約1兆1000億円の財政負担が発生する。本人だけでなく国の財政にも大きな影響があるのだ。
この社会的損失を小さくするために欠かせないのが教育格差の是正だ。貧困世帯の子供は、全世帯と比較して進学率が低く、中学や高校卒業後に就職したり、中退してしまったりする割合が高い。例えば、全世帯の大学(専修学校含む)などへの進学率は73.3%だが、児童養護施設で暮らす子どもは22.6%にとどまる。生活保護を受給する家庭も32.9%と低い。子どもの教育機会を確保すれば、高校や大学への進学率が向上する。そして職業選択の幅が広がり、貧困から抜け出せる可能性がある。
学力向上に欠かせないのが、学習塾へ通える環境を整えることだ。裕福な家庭の子供は学校教育だけでなく、学習塾や家庭教師など学力向上のために資金を投じてもらっている。家庭環境によって大きな差が生じている。最近、従来よりも低価格に抑えた学習塾が増えてきた。そのひとつが葵(東京・新宿、石井貴基社長)だ。
スマホで無料授業
アオイゼミは毎晩無料で授業を放送している
葵が運営する「アオイゼミ」はスマートフォンさえあれば、無料で授業を受けられる。中高生向けに授業を生放送しているが、メールアドレスなどを登録すれば無料で視聴できる。講師も大手予備校経験者を揃え、中高生向けに9科目の授業を配信するなど一般的な学習塾の授業内容とそん色がない。放送中に質問をしたり、ほかの生徒と交流したりもできるなどIT(情報技術)を活用したサービスも受けられる。
さらに月額3500円のプレミアムコースになれば、過去の授業4000本以上を好きな時間に授業を受けられるほか、テキストもダウンロードできる。プレミアムコースでも、授業料は一般的な学習塾の4分の1程度で済む。
アオイゼミは教室をもたず、放送設備しかない。固定費を抑えることで低価格を実現できた。石井社長は「『塾に行ける経済的な余裕がなかったが国立大学に合格できた』という報告もきている。学習意欲さえ高ければ、所得格差も地域格差も乗り越えられる」という。アオイゼミには2017年も国公立大学や有名私立大学への合格報告が届き始めている。
圏外の立地でコスト削減
ほかにも貧困家庭でも受けられるよう授業料を抑えた学習塾がある。コラボプラネット(福岡県糸島市、西原申敏社長)は出店戦略で低価格を実現した。授業料は週1回で月7000円。一般的な学習塾と比べ半額程度に抑えた。
コラボプラネットが運営する学習塾。空きスペースを活用して固定費を削減
出店戦略はどの企業も重要だが、同じ計算式で使うと同じような場所に進出してしまう。
多くの学習塾は駅前に出店し、近くに2〜3つの学校がある地域を探す。さらに教師を集めるため、近隣に大学がないかも確認する。近隣にある2〜3の学校から200人を集めて、大学生のアルバイト教師を見つけられれば十分収益があがるものだ。各社は地図情報システムを駆使して、候補地を探す。そのため同じような場所に教室を開いてしまう。
コラボプラネットはあえて他社が圏外だと考えた場所を狙う。西原社長は「最後発で同じことをしたら収益があがらない」と考えた。
圏外であれば競争相手は少ない。だがそうした地域でも、子供の教育に熱心な家庭は都市部まで送り迎えをしていることが多い。ただでさえ子供は少ないうえに見込み客となりそうな人は既に別の塾に通っている。
そこで西原社長は授業料を低価格に抑えれば貧困家庭にも対象顧客が広がり、需要を掘り起こせると判断した。「勉強の楽しさを教えれば成績はあがる。20点しか取れなかった生徒が60点程度に上げられている」(西原社長)。
圏外の場所でも採算を確保できるように固定費を削減した。学習塾の主な固定費は家賃と人件費だ。開講時だけ費用がかかるようにした。
商工会議所や寺院などを間借りし、教室を開いている。教材はイーラーニングで用意し、教師はいない。その代わり、施錠や出欠管理といった教室の管理人の業務を担う支援アドバイザーを時給制で雇う。圏外の地域は雇用も少ない。コラボプラネットが進出することで、雇用も創出できるというメリットもある。
冒頭の試算のように子供の貧困は社会的な損失も大きい。こうした安価なサービスを活用できれば、学力が向上する可能性を秘める。
ただ学力を伸ばす前提条件として必要なのが動機づけだ。夢や目標がないと学習意欲はわかない。ここは大人の出番だ。自分の仕事の魅力を伝えることで、子供は目標としてとらえられるかもしれない。貧困層の子どもたちの親はギャンブルやアルコールなどに依存した生活を送るなど、働き方に問題がある人が少なくない。異なる世界を見せることで希望を見出し、学習意欲が高まる可能性がある。多くの大人が参加できる身近なボランティアになるとも感じた。
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日経ビジネスに在籍する30人以上の記者が、日々の取材で得た情報を基に、独自の視点で執筆するコラムです。原則平日毎日の公開になります。
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