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ブルーオリジンが開発したBE-3ロケットエンジンの燃焼試験(「Wikipedia」より/Stas1995)
アマゾン、宇宙市場でも破壊的進化…大手から次々受注、超大型ロケットや月輸送計画も
http://biz-journal.jp/2017/03/post_18393.html
2017.03.20 文=雨宮寛二/世界平和研究所主任研究員 Business Journal
市場のボトルネックを排除するのに余念がない米アマゾン。コストを下げることで潜在需要を顕在化させ、一気にスケールを上げる。2009年以降、新たに狙いを定めた分野のひとつが航空宇宙産業で、宇宙開発企業「ブルー・オリジン」を設立して着実に事業を進めている。
ブルー・オリジンのモットーはラテン語の「Gradatim Ferociter(一歩一歩大胆不敵に)」で、その考えどおり、設立後順調かつ大胆に開発が行われてきた。高度100kmの宇宙旅行から超大型ロケット、さらには月への輸送計画まで、同社が想定する事業範囲は壮大である。
先頃も、新ロケットエンジン「BE-4」の組み立てが完了し、アマゾンCEO(最高経営責任者)のジェフ・ベゾス氏が、ツイッターで初公開した。このBE-4エンジンは、ブルー・オリジン社の次期大型ロケット「ニュー・グレン(New Glenn)」搭載に止まらず、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ロッキード・マーティン社とボーイング社との衛星合弁事業:ULA社)の次期ロケット「バルカン(Vulcan)」への搭載を勝ち取った。
ULA社では、従来ロシア製のエンジンを使っていたが、ウクライナ情勢の悪化によりエンジン供給が不安定になったため、新たな供給先としてブルー・オリジンのエンジン採用が決定した。この採用は、米航空宇宙産業でロケット開発の巨人であるボーイング社やロッキード・マーティン社に認められた点で極めて大きな意義がある。
元来、宇宙ロケット事業は莫大なコストがかかるため、市場参入障壁が極めて高かった。そのため、ボーイング社やロッキード社といった巨大資本が長い間市場を占有し続けた。こうした積年の閉塞感はコスト意識を失わせ、ロケット開発の後退を招く一因となった。実際、ロケット開発でコスト削減に熱中すれば、軌道の打ち上げ確率が下がると豪語する巨大資本の経営者も存在する。
■宇宙開発を加速
だが、こうした産業にもコストを下げる余地があるとして、新境地を拓いたのが米スペースXを率いるイーロン・マスクである。彼は破壊的なコスト力で巨大資本に戦いを挑み受注を増やした。ロケット本体の開発コスト削減を図るだけでなく、打ち上げたロケットを地球に帰還させ船体に着陸させる離れ業まで成し遂げた。
ブルー・オリジンは後発としてこれに追随する勢いである。同社の狙いは、宇宙への輸送費用を軽減し、有人宇宙飛行の安全性を高めることにある。そのために、ロケットの垂直離着陸システムの開発や脱出システムの標準装備にも取り組んだ。実際ベゾス氏は、すでに私財から5億ドル以上をこれらの開発に投資している。
ベゾス氏は、スペースシャトルが人の乗る飛行機として初の脱出システムのない飛行機で、これが過ちであることを指摘して、ブルー・オリジンの機体が完全なる脱出構造を備えている点で極めて安全性が高い点を強調する。
ブルー・オリジンの参入で競争がさらに激化する航空宇宙産業。宇宙輸送コストの低下とともに、宇宙開発の加速が大いに期待されるところである。
(文=雨宮寛二/世界平和研究所主任研究員)
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