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Business | 2017年 03月 16日 18:39 JST 関連トピックス: ビジネス, トップニュース
日米金融政策のギャップ、拡大後も円安進まぬ3つの理由
[東京 16日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が利上げする一方、日銀は政策維持。日米で金融政策の「ギャップ」が広がっているにもかかわらず、ドル/円JPY=が下落している。政策決定内容が織り込み済みというだけではなく、円キャリートレードの拡大や米長期金利の上昇が見込みにくいことも要因だ。
日銀は依然として「出口戦略」を示さないが、それが緩和効果を減じるとの指摘もある。
<織り込ませ過ぎて逆反応>
タカ派のニュアンスを市場に織り込ませ過ぎたのかもしれない。15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが決定された後、金融市場では米金利低下、ドル安/円高、米株高が進行。利上げ後の通常の反応とは真逆な動きを示した。
「FRB幹部が、3月利上げを急に織り込ませ過ぎた。その裏には大きな変化があるのではと警戒されていたが、景気や物価の見通しはほとんど変わらず、ポジションの巻き戻しが入った」(三井住友銀行チーフ・マーケット・エコノミストの森谷亨氏)という。
このため、ポジション調整が一巡すれば、2年物など金融政策に敏感に反応する米国債利回りが上昇する可能性はある。15日の米2年債US2YT=RR利回りは1.31%で引けたが、今回示されたドットチャートでのフェデラルファンド(FF)金利適正水準は18年末時点で2.125%。このペースでの利上げができるかはともかく、織り込む余地はまだ大きい。
しかし、素直にドル高/円安が進むとは限らない。第1に今のドル/円との連動性が高いのは、2年ではなく10年の日米金利差だ。長期金利に影響を与えるFRBの中立金利(Longer Run)は今回も3%で据え置かれたほか、経済や物価見通しもほとんど変わらなかった。
市場では「見通しが変わらない中で急いで利上げするのは、トランプノミクスが失敗したときに、利下げする余地を作るためではないか」(邦銀)との声も聞かれる。
<円キャリートレードは期待薄>
さらに、円を調達通貨として米債などに投資するキャリートレードが、今回の利上げによって増加する可能性も低い。
日米欧の中銀が、金融緩和を競い合った時代は過ぎ去り、FRBは金融引き締め方向に舵を切り始めた。今局面3度目の利上げでドルの短期金利が上昇(3カ月物はほぼゼロから0.7%台に)する一方、日本の短期金利は日銀のマイナス金利政策が影響し、依然としてゼロ%以下だ。
「ドルと円のどちらが調達金利かという議論は、すでに終止符が打たれている」とSMBC日興証券の為替・外債ストラテジスト、野地慎氏は指摘する。今さら25ベーシスポイントの利上げがあっても、ドルから円に調達金利を乗り換える動きは強まりそうにないという。
むしろ今のドルは投資通貨であり、10年米国債など長いゾーンの利回りがキャリートレードに影響を与える。しかし、今回のFOMCを受けて、米国債市場では10年債US10YT=Rや30年債US30YT=RRRの利回りは低下した。
為替スワップ取引では、1カ月物の円投/ドル転スワップによるドル調達コストが1.99%に上昇、1月2日以来の高水準に達した。経済状況が好調だからこそ、FRBは利上げに踏み切ったのであり、投資先として日米欧の中で最も魅力的ではあるが、コスト面では厳しい環境となっている。
<「出口戦略」にも日米差>
市場で根強いドル高/円安期待の背景は、日米金融政策の方向性の違いだ。片や正常化に向けて前進中。もう一方は、時期尚早として出口戦略に距離を置いている。
しかし、将来の出口への道筋を示すことが、今の金融緩和の効果を高めるという実証的な分析があると、ニッセイ基礎研究所のチーフエコノミスト、矢嶋康次氏は話す。「出口戦略の不確実性が高いと、現在の消費や投資を控えてしまうからだ」という。
FRB幹部は、量的緩和政策の途中だった2010年ごろから、すでに正常化に関する発言を開始。FOMCでは、将来的な金利見通しを示すとともに、膨らんだバランスシートの縮小に関する議論にも着手している。
今回のFOMCでは、バランスシート縮小に関する文言に変更はなかったが、イエレン議長は15日の会見で、償還が到来する米債に関して、再投資の方針をいずれ変更することについて今回協議したと明らかにしている。「市場金利の上昇を恐れていない」(国内シンクタンクのFEDウオッチャー)スタンスは明確だ。
一方、日銀の黒田東彦総裁は16日の会見で、物価目標の2%にまだ距離があるとして、長期金利目標の引き上げを含め、出口政策に至る明確なヒントを与えなかった。
将来への不安から消費が伸びず、インフレ期待が高まらなければ、実質金利は低下せず、円安圧力も強まらない。日米金融政策の「ギャップ」を放置することにより、ネガティブな影響が出かねないことにも注意する必要がありそうだ。
(伊賀大記 編集:田巻一彦)
http://jp.reuters.com/article/boj-fed-cross-market-idJPKBN16N11A
News | 2017年 03月 16日 18:26 JST 関連トピックス: トップニュース
日銀総裁会見:識者はこうみる
[東京 16日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は16日の金融政策決定会合後の記者会見で、現在ゼロ%程度としている長期金利目標の引き上げは「物価上昇率が1%に達すれば引き上げるとは機械的に考えない」と明言し、米利上げなどを背景とした長期金利引き上げ観測をけん制した。市場関係者の見方は以下の通り。
<メリルリンチ日本証券・チーフ金利ストラテジスト 大崎秀一氏>
黒田東彦日銀総裁の会見は目新しさがなく、相場への影響は限定的だろう。
黒田総裁は現状について、物価2%目標に距離があるとして強力な金融緩和の推進が適切と強調し、市場にくすぶる長期金利の操作目標(ゼロ%)の引き上げ観測をけん制した。しかし、物価が1%を超えて2%への距離が近づいてきた段階で、その議論が出てきても不思議ではない。
物価2%達成がいつになるか分からず、それを待っていたら、出口論を議論する機会を逸することになりかねない。そこまでゼロ%を維持する必要もないだろう。また、円安が進行した場合、コストプッシュ型インフレにつながり、消費を落ち込ませる可能性がある。黒田総裁は、行き過ぎた金融緩和を修正した上で任期満了を迎えることになるのではないか。
<FPG証券 代表取締役社長 深谷幸司氏>
日銀は目下、マクロ経済からも金融面からも、金融政策を動かす必要性に駆られていないだろう。ただ、海外金利の上昇からくる国内長期金利の上昇圧力を警戒しているようだ。
今回は、米利上げと日米金利差拡大を市場が事前に織り込んで、115円半ばまでドルが買い進まれていたため、ドル/円は反落している。
さらに、今回の米連邦公開市場委員会(FOMC)後はドル高要因がしばらくないとの見方も、ドル/円の重しとなっている。
ただ、米経済のファンダメンタルズに鑑みて、米10年金利は年末に2.8―3.0%まで上昇する余地があるとみており、ドル/円が110円台まで下落する理由も見当たらない。
足元で、ドル高の推進力がいまひとつ弱いのは、市場が米予算教書などの政治リスクを意識しているためだとみている。
トランプ大統領が16日に公表する2018会計年度の予算教書では、財政出動や減税などの景気刺激策について、具体的な財源や実施予定期日などが織り込まれない可能性があり、これまで膨らんできた市場に失望を招きかねない。
<岡三証券 シニアストラテジスト 小川佳紀氏>
大きなサプライズはなかったが、黒田総裁からは海外の金利が上昇しても国内金利を上げる必要はない、といった発言があった。FOMC(米連邦公開市場委員会)後の米金利の急低下は過剰反応で、かつ短期的な動きだと考えている。米金利の先高観がある中、ドル高/円安の流れが完全に変わったという訳でもない。
総裁からは、二国間の金利差だけでは予測も当たらないといった発言もあったが、それでも日米金利差は市場が意識する部分だ。ドル/円が115円を上抜けるような動きがないとしても、110円を割り込むような展開は見込みにくい。ただ森友学園と安倍政権を巡る問題に対しては注視が必要。為替が大きく乱高下する局面では業績予想を据え置く国内企業も出てくるが、本決算発表に先駆けて上方修正を発表する企業が相次げば、日本株にはプラスだ。
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Business | 2017年 03月 16日 17:54 JST 関連トピックス: ビジネス, トップニュース
物価1%達成でも機械的利上げ考えない=黒田日銀総裁
[東京 16日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は16日の金融政策決定会合後の記者会見で、現在ゼロ%程度としている長期金利目標の引き上げは「物価上昇率が1%に達すれば引き上げるとは機械的に考えない」と明言し、米利上げなどを背景とした長期金利引き上げ観測をけん制した。
為替は日米金利差のみでは決まらないとも指摘し、米トランプ政権による円安誘導批判にも反論した。
黒田総裁は「ある物価指標が、ある水準になれば機械的に変更するというものでない」とし、金利目標の引き上げは、あくまで複数の物価指標や、経済の潜在的な成長率のかい離を示す需給ギャップなどを総合的に考えて判断すると説明した。
日銀が政策の目安としている消費者物価指数で生鮮を除くコアCPIは、1月に前年比0.1%と1年1カ月ぶりにプラスに浮上している。今後も昨年との比較で高くなっているエネルギー価格によりプラス幅が拡大すると見られており、米連続利上げと並び、日銀の利上げ観測が広まる要因となっている。コアCPIが年後半にも1%程度に達するとの観測については黒田総裁は「そうかもしれない」と認めた。
15日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利の誘導目標を0.75━1.00%に引き上げ、年内3回の利上げを示唆した。市場では米利上げに伴い日本の長期金利も上昇すれば、日銀がゼロ%で抑えるのが難しくなり、引き上げざるを得なくなるとみられている。黒田総裁は「米金利が上がったから、日本も金利が上がることにはならない」と強調した。
(竹本能文 伊藤純夫)
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日銀の黒田東彦総裁は16日の金融政策決定会合後の記者会見で、日銀が国債の大量購入を続けていることから将来の収益が悪化する可能性があることについて「財務状況は適切に考えていくことが必要」と述べた。日銀の目標は物価の安定であって日銀自身の財務健全性を保つことではないとしつつ「国庫への納付金が振れることも国民にとって望ましいことではない」と配慮する姿勢をにじませた。
ただ、現在の日銀法では旧法にはあった、政府が損失を補填する条項が削除されている。新たに規定や制度を設ける可能性については「考えていない。必要もない」とした。
会見は午後4時半ごろに終了した。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK16H32_W7A310C1000000/
日銀総裁、金融政策「海外金利に左右されず」 物価力強さ欠くと説明
2017/3/16 16:54
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日銀の黒田東彦総裁は16日、政策の現状維持を決めた金融政策決定会合後に記者会見した。最近の消費者物価については「生鮮食品とエネルギーを除くベースでは一進一退となっている」との認識を示した。2%の物価安定目標に向けたモメンタム(勢い)は維持されているとしつつ「力強さに欠けている」と指摘した。
金融政策決定会合を終え、記者会見する日銀の黒田総裁(16日午後、日銀本店)
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金融政策決定会合を終え、記者会見する日銀の黒田総裁(16日午後、日銀本店)
日銀が重視する生鮮食品を除いた消費者物価指数は1月に1年1カ月ぶりに前年同月比で上昇に転じたが、伸び率は0.1%にとどまる。黒田氏は「(日銀が掲げる)2%の物価安定目標についてはまだ距離がある」と認めたうえで、早期に目標を実現するためには現在の強力な金融緩和の推進が適切との姿勢を改めて示した。一方で物価の先行きについては「マクロ的な需給バランスが改善して2%に向けて上昇率を高めていく」との見通しを述べた。
現在、ゼロ%程度としている長期金利の操作目標をめぐり「何かの指標が特定の数字になったからといって機械的に変更することはない」と述べた。2%の物価安定目標の早期実現に向け、基調的な物価や経済動向を評価しながら、毎回の会合で適切に操作目標を判断するとの考えを示した。「海外の金利が上がったからといって国内の金利を引き上げることは考えていない」とも語った。
為替相場については「金利格差に則しているように動くときがあれば、そうでないときもある」と語った。そのうえで「いろいろな要素が影響するもので、単なる2国間の金利格差だけで予測しても当たらない」との見方を示した。
大手企業の回答が始まった春季労使交渉に関しては「(集中回答日だった)15日の結果をみると、多くの企業で4年連続のベア(ベースアップ)の実施が見込まれている」と述べ、経済の好循環の後押しにつながると評価した。賃上げの伸び率が前年に比べて減速していることについては「全体の賃金設定動向にはなお見極めが必要だ」と述べるにとどめた。
米連邦準備理事会(FRB)が14〜15日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げに踏み切った点にも言及した。米国経済は雇用や所得環境が改善するなかで現状も先行きも堅調との見方を示した。「現時点で米国の利上げが新興国の経済に深刻な影響を与える状況にはない」とも語った。
一方で「今後も国際金融情勢が新興国に与える影響については、注意深く見ていかなければいけない」と強調。足元で米国や中国の経済が堅調に推移している半面、世界経済は「依然として上振れリスクよりも下振れリスクが大きい」との認識を示した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL16HR7_W7A310C1000000/
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