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メーカーは自社やグループ企業の商品を贈るケースが多い。写真はキングジムのクリアファイル
1300社超、4年連続で過去最高更新 「株主優待」が増える理由〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170303-00000034-sasahi-biz
週刊朝日 2017年3月10日号より抜粋
日経平均2万円が目前ながら、昨年末から足踏みの続く株価。もどかしい思いの投資家も多いはずだが、こんなときこそ株主優待にも目を向けよう。実施企業は4年連続で過去最高となった。
「株主優待で届いた品の消費に忙しく、現金を使う機会があまりないくらい。なんと言っても、節約がうれしくてやめられません」
こう話すのは、主婦で個人投資家のrikaさん。買い物、外食、レジャーなどに株主優待をフル活用しており、ブログ「毎日優待三昧」が人気だ。例えば、こんなふうに休日を過ごす。
「松竹などの優待の映画鑑賞券でタダで映画を見る。その後の外食も、もちろん優待。『丸亀製麺』のトリドールホールディングス(HD)、『ペッパーランチ』のペッパーフードサービス、『しゃぶ菜』などを運営するクリエイト・レストランツHDといった会社の優待を使えば、ほぼ現金を使わず食事できます」
食後は最寄りのイオンモールでショッピング。イオンの優待でキャッシュバックがあり、優待を使えるテナントも数多く入る。
たとえば、靴店「グリーンボックス」はジーフットの優待券で買い物でき、優待でもらった図書カードを書店で使える。小腹がすいたら、「サーティワンアイスクリーム」や「銀だこ」で一息。ハニーズやライトオンで、洋服やファッション小物もそろう。
夫婦でゴルフを楽しむ日は、平和やトーシンなどのゴルフ銘柄の優待を使い、外出時の駐車料金はパーク24の優待を使う。文字どおり優待三昧の日々だ。
優待制度を持つ企業は、保有株数に応じて自社商品や自社店舗での買い物券を株主に贈るケースが多い。法人向けビジネスの企業は、クオカードなどの金券や独自に選んだ商品を贈る。配当金に加え、なんらかのプレゼントを贈る制度は日本企業独特の慣習だ。
大和インベスター・リレーションズによると、優待の実施企業は昨年9月末時点で1307社。4年連続で過去最高を更新した。上場企業約3700社の3分の1超が、何らかの優待を実施している。同社の中村聡業務推進部長は「株主優待はここ数年、ちょっとしたブームで、個人投資家の関心が非常に高いです。新たに優待制度を導入する企業はもちろん、優待の内容をさらに充実させる企業も増えています」と話す。
同社が2015年に個人投資家向けに行った調査によると、優待内容が投資判断に影響すると答えた人は8割以上いた。さらに保有株の株価が短期的に下がっても、優待が魅力的ならば持ち続けると答えた投資家が7割超いた。
「株価が多少下がって含み損が出ても優待を受け取り続けられるので、『塩漬け』中でもメリットがあります。その間に株価が回復する可能性もある。優待そのものを楽しめば、日々の株価の変動に一喜一憂しなくてすみます」(中村氏)
同社が15年に実施した別の調査によると、優待制度を新設した企業の7割は、発表後1営業日後の株価が上がったという。「新設」の発表で個人投資家の買いを呼び、値上がり期待の投資家の買いも広がる。株価を動かす材料だ。また、優待ねらいの個人投資家は「株価が下がれば買い」と考えている人も多く、株価を下支えしてくれる存在でもある。
新たな導入企業で最も多い優待内容は、クオカード。コンビニや書店、ガソリンスタンドなどで現金同様に使え、換金もしやすいので人気が高いという。
「企業向けビジネスが主体の会社は、個人投資家の知名度が低い。PRを兼ねてクオカードに社名や商品を印刷して優待に使う企業が目立ちます」(同)
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