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原油減産合意は順守されるも需給均衡せず上値は限定的
http://diamond.jp/articles/-/120134
2017.3.6 芥田知至:三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員 ダイヤモンド・オンライン
2017年入り後の原油相場は、狭いレンジでの取引が続いている。年初来の高値は欧州北海産のブレント原油で1月3日に付けた1バレル当たり58.37ドルであり、安値は同指標が1月10日に付けた53.58ドルである。
産油国による減産が需給引き締まり観測につながり、相場の下値を支えている一方で、米シェールオイルの増産観測などが需給緩和要因として意識され、相場の上値を抑えている。
OPEC(石油輸出国機構)は16年11月の総会で日量約120万バレルの減産で合意し、12月にはロシアなど非OPEC産油国も同55.8万バレルの減産で合意した。今年1月から減産が実施されている。
産油国による協調減産は、順調に進捗しているようだ。各機関による推計では、サウジアラビアが合意内容よりも大幅な減産を行ったこともあり、OPECの実際の減産幅は、合意分の9割前後に達している。2月22日に開催されたOPECと非OPECによる協調減産の監視委員会によると、非OPECを含めた全体での減産幅は合意した枠の86%に達したとされた。
割当減産枠に対する順守率が1月に低めだったアラブ首長国連邦やイラクが、その後、順守率を引き上げる意向を示していることなどから、減産はさらに強化されるとみられる。サウジなどOPECは、減産を通じて、世界の石油在庫を年央までに3億バレル減少させ、過去5年平均並みにすることを目標としているようだ。確かに減産分がそのまま在庫の減少につながれば、減産の合意期間である6カ月のうちに、3億バレル在庫が減る計算になる。
しかし、そうしたペースで過剰在庫の削減が進む可能性は高くないだろう。まず、OPEC内では、国内に紛争を抱えて大規模な生産障害が発生しているため、減産合意の対象外となったリビアやナイジェリアが増産する動きを見せている。
また、米国では、先行指標である石油掘削リグの稼働数が増加傾向で推移しており、シェールオイルの増産が見込まれる。加えて週次統計で速報性があるため注目度が高い米国の原油在庫は、過去最高を更新し、米国内の需給緩和を示している。
産油国は、協調減産を7月以降も続けることを検討し始めているとの一部報道があった。5月25日の次回OPEC総会で、減産延長の可否が決定されるとみられる。
減産延長は市場に織り込まれておらず、延長が濃厚となれば、相場を押し上げる材料になる可能性がある。もっとも、減産延長は、それだけ原油市場の需給が、OPECが目標とする均衡状態からは遠いことも意味しており、相場の上値は限定的だろう。
(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員 芥田知至)
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