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トヨタ自動車・豊田章男社長(AP/アフロ)
トヨタ社長、好き嫌い&粛清人事で優秀な人材を次々放逐…幹部「働くのが馬鹿らしい」
http://biz-journal.jp/2017/03/post_18219.html
2017.03.03 文=編集部 Business Journal
トヨタ自動車は1日、役員人事と組織改正を発表した。その全容は一言でいえば、厚化粧をしてごまかした人事であり、お化粧の下はまるで「化け物」だ。
6月の株主総会後に取締役数は現在の11人から9人に、代表権を持つ取締役数も6人から2人にそれぞれ減らす。そして9人の取締役のうち3人が社外取締役だ。取締役会をスリム化して意思決定の迅速化を図り、経営の監督体制の強化が狙い、とされる。
今回のトヨタの役員人事は、時代の変化に合わせたガバナンス体制の変更のように映る。一部のアナリストやコンサルタントは、「大企業でも変わろうとしている」などと持ち上げて誉めることだろう。
しかし、実態はそのようなものではない。では、実態は何かといえば、豊田章男社長の傍若無人と側近の重用ぶりが常軌を逸脱し、好き嫌い人事や懲罰人事がオンパレードの目も当てられない人事なのである。
■イタコ族
優秀な人材や哲学・意見を持った人材が社外に放逐され、豊田社長の心のなかを読める「イタコ族」が跳梁跋扈する。イタコ族とは一部トヨタ関係者内での流行語で、死者と会話できるとされる東北地方の巫女「イタコ」にたとえられ、豊田社長の心のなかを代弁できるという意味だ。
イタコ族の代表格は、友山茂樹専務役員と上田達郎常務役員だ。4月1日付の組織改正で友山氏は事業開発本部長、情報システム本部長、コネクティッドコンパニープレジデント、ガズーレーシングカンパニープレジデントの4つの役職を兼ねる。さらに加えて、渉外・広報本部のサブ担当にもなり、東京五輪関係を受け持つ。前例踏襲がいいわけではないが、トヨタで一人の専務が2つの本部長、2つの社内カンパニートップを兼任するのは極めて珍しい。各本部や各カンパニーはそれぞれ関連性があるとはいえ、一人の役員が担当するには物理的に不可能ではないかとみるトヨタ内部の関係者も複数いる。さらに、トヨタ社内には、友山氏に権力を集中させ過ぎているといった意見もある。
友山氏は豊田社長が役員になる前からの部下で、「お友達」の関係にある。「役員になってからの実績は今一つ。金を使うのは得意だが、稼ぐのは苦手で、社長のお友達だから無駄金を多く使っても評価には響かない」(トヨタグループ幹部)との指摘もある。
もう一人の上田常務役員は4月1日付で専務に昇格する。人事部門の経験が長く、現在は総務・人事本部長として、トヨタ本体およびグループの役員人事の原案を作成している人物だ。上田氏は4月以降、コーポレート戦略部と戦略副社長会事務局を管掌し、経営の舵取りに直接かかわる。上田氏は、社内では密かに「トヨタの柳沢吉保」と呼ばれている。その心は、豊田社長に食い込むのがうまく、同時に「私腹」も肥やしていくという意味だ。
「人事の原案を作成する立場であることを利用して、入社年次が近いライバルを巧妙に他社に追い出し、自分の出世を確実にしていくタイプ。今年1月1日人事でも将来の人事担当役員候補の部長を豊田合成に追い出したので、当面、後輩に自分の地位を狙われる恐れはない」(トヨタ関連企業役員)
■粛清人事
役員人事については、豊田社長が「誰を引き上げろ」などと直接指示することはなく、原案に対して拒否権を発動するといわれている。上田氏は豊田社長の意向を斟酌して原案をつくるのがうまい。このため、能力や実績とは関係なく、豊田氏にかつて秘書として仕えた人物や豊田家を支えた血筋の人物などを昇進者リストに組み入れ、豊田氏の心をがっちり掴んでいる。
その上田氏が事実上の役員の人事権に加えて、経営戦略部門を牛耳る立場に就くことで、
同氏の権勢は増すばかりだ。しかし、「厚遇されている友山氏や上田氏も内心はびくびく状態」(同)なのだという。その理由は、側近でも豊田氏の意向に背くと粛清人事が待っているからだ。
役員ではないが、部長職の立場で秘書として仕えていたN氏がその象徴だろう。N氏は香川県内のトヨタ系大手販売会社の経営者の子息で、大学卒業後、デンソーに入社。その後、トヨタではなく豊田家に採用され、執事として豊田社長の私生活の世話までする役割を果たしていたが、正式にトヨタに入社して何年か経つと、「力量不足」とみなされ、閑職に放逐された。栄華の中心からどん底に落とし込まれたのだ。
それを恐れて、トヨタを去る人材もいる。たとえば、豊田社長肝入りで宣伝部を発展的解消して設立した子会社のトヨタマーケティングジャパンの取締役を務めた後、トヨタ本体でレクサス担当の部長を務めていたT氏が突如、昨年夏にトヨタを退社した。粛清される前に逃げたと、専らの評判だ。
■最大の懲罰人事
そして、今年の役員人事で最大のサプライズでもあり、最大の懲罰人事だったのが、グループのトラックメーカー、日野自動車の役員人事だ。
日野社長にはトヨタの常務役員だった下義生氏(58)が就く(1月28日付当サイト記事では日野社長に毛利副社長が昇格するとしていたが、訂正する)。下氏は昨年、日野の専務からトヨタの常務に転じたばかりで、1年で出身母体に戻って社長に就くのは異例だ。そしてトヨタ専務の牟田弘文氏(61)が日野に移って副社長に就任する。トヨタで常務だった者が社長で、専務だった者が副社長になるわけで、「逆転現象」が起こってしまった。この人事こそが「懲罰」とトヨタ社内ではみられている。
トヨタ社内の事情通がこう解説する。
「牟田専務は2つの点で豊田社長の逆鱗に触れました。ひとつは昨年4月から導入したカンパニー制導入に対して、自動車メーカーにはそぐわないと言って猛反対したことです。二つ目は、2年前に中国天津の物流拠点で爆発事故があった際に、トヨタの工場も被害を受けて従業員が負傷しました。その際に豊田社長が現地に乗り込もうとしたら、牟田専務が『いまは現場が大混乱しているので日本から経営トップが入る局面ではありません』と意見具申したことに、豊田氏は腹を立てました。それ以来、ほかの役員がいる前でも牟田氏を執拗に批判するようになりました。そしてカンパニー制への反対が懲罰人事を決定づけました」
牟田氏の意見がおかしいわけではなく、正論を言ったにすぎない。この牟田氏は、トヨタの工場の生産ラインを建設するなど工場運営を任せられる生産技術部門の「エース」といわれた逸材で、トヨタの生産性向上などに功績のあった人物でもある。
歴代、生産技術系の役員は歯に衣を着せぬ物言いの人が多い。是々非々と意見を戦わせながら現場で工場運営に携わるタイプが多く、牟田氏はその伝統を受け継いでいた。トヨタ社内では自分の意見を言わず、豊田社長の意向を忖度する幹部が増えたなかで、正論を意見具申できる数少ない役員だった。功労者に対してひどい仕打ちの人事で、トヨタのある幹部は「サラリーマンにとって人事は大きな関心事。こんな人事をみていたら、一生懸命働くのが馬鹿らしくなる」と吐き捨てた。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、のごとく、豊田氏は牟田氏の出身母体である生産技術部門の解体にも乗り出しつつある。牟田氏の後継者とみられ、主力の高岡工場長と堤工場長を兼任していた花井幹雄常務理事までも今回の人事で放逐してしまったのだ。
「この人事は将来に禍根を残す人事。トヨタの競争力の源泉のひとつであった生産技術部隊は優秀なリーダーたちを失い、今後立ち直れないだろう」(トヨタOB)
巨大組織では、誰もが納得する人事などできないことは当然であり、人間がやる以上、好き嫌いも入る。しかし、あまりにも公平さを欠き、トップやその側近の好き嫌い人事が横行するようになると、面従腹背の人材が増え、内向きで風通しは悪くなり、組織は必ず腐っていく。
(文=編集部)
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