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ソフトバンクグループの孫正義社長が約3.3兆円での英半導体メーカー買収を決断したのは、IoT時代を見据えての戦略。政官財一体で産業の行く末を真剣に議論する必要がある Photo by Takahisa Suzuki
財政再建は将来世代への責任 産業振興に政官財の危機感求む
http://diamond.jp/articles/-/119346
2017.3.2 加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長] ダイヤモンド・オンライン
日本の財政赤字は2020年代後半から本番を迎える。団塊の世代が後期高齢者になると、国庫の医療費負担が急増する。他方で、税金を担う現役世代の人口は減少を続ける。
労働年齢(20〜64歳)人口は2000年からの半世紀で36%も減ってしまう。今から30年ほどで労働年齢人口に対する高齢者(65歳以上)の比率は80%に近づく。
未来の若者に国債という借用証書を安易に押し付けるのを避けるためにも、われわれは財政問題を直視する必要がある。しかしながら、「政府には資産があり、それを差し引けば政府の借金を心配する必要はない」との主張が時折聞こえる。
本当だろうか。財務省が1月に発表した昨年3月時点の「国の財務書類」によると、負債は1193兆円であり、資産は672兆円だ。負債から資産を差し引いたネットの負債は521兆円。ネットで見ても負債の国内総生産(GDP)比は先進国の中で最悪だ。
また、資産の内訳を見てみると、(1)売却しても借金の返済に充てられないもの、(2)売却が難しいもの、(3)安易に売却してはいけないもの、が大部分である。
例えば、「有価証券」(125兆円)の大半は米国債などの外貨準備だが、この購入原資は国庫短期証券で賄われている。外貨準備を売却したら、その国庫短期証券の返済に充てなければならないため、公債(918兆円)の返済には使えない。
「運用寄託金」(107兆円)は、われわれが年金保険金として積み立てているものだ。これを公債の返済に使ったら年金制度は消滅してしまう。
また、「貸付金」(116兆円)は、県や市町村、政府系金融機関などへのローンだが、これを返済させるのは容易ではない。
そして、「有形固定資産」(181兆円)には、国立公園(6割の土地が政府保有)や国道、堤防、国有林などがあるが、買い手が付きにくいものや外国人に売って転用されてはまずいものが多い。
それに、そもそもの話として、われわれの時代に膨らませた借金のカタに、前の世代から引き継いできた貴重な財産を用いてよいのだろうか。例えるならば、家業を継いだ放蕩息子が、「うちには土地や田畑があるから、借金をまだまだ膨らませてもいいのだ」と言っているようなものだ。将来世代に対する責任感が欠如した議論といえる。
財政の維持可能性を辛うじてつないでいく上で重要なのは、主要産業の行方である。ジンバブエが借用証書を中央銀行に引き受けさせ続けた後に事実上破綻したのは、税収を担う産業が国内になかったからだ。
一方、日本の状況を考えてみると、かつて日本のお家芸だった電機産業はすでに苦しい状況に陥っており、今は堅調な自動車産業も電気自動車や自動運転の技術などが進展していく中では、不透明感がある。
昨秋、ドイツ・ベルリンでの「日独フォーラム」に参加した際に、ドイツ政官財界の人々から感じたことがある。あらゆるものがインターネットにつながる「IoT(Internet of Things)革命」に勝てなければ、ドイツ経済の未来はない、という強い危機感だ。そのフォーラム内では、中高年のプログラミング教育も含む、教育制度の早急かつ抜本的な見直しなどが真剣に議論されていた。
日本では同様の危機意識が妙に希薄な点が懸念される。
(東短リサーチ代表取締役社長 加藤 出)
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