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出光興産・月岡隆社長(ロイター/アフロ)
出光創業家、役員就任を拒否され合併反対か…泥沼対立招いた代理人が電撃辞任
http://biz-journal.jp/2017/03/post_18188.html
2017.03.02 文=編集部 Business Journal
出光興産の株価が高い。2月16日、5日続伸で始まり、一時前日比160円高の3700円をつけて、1月27日以来3週間ぶりに2007年以来の高値を更新した。
原油価格が堅調なことが支えとなったが、株価が反転したきっかけは、昭和シェル石油との経営統合をめぐって出光創業家の代理人、浜田卓二郎弁護士の辞任が伝えられたからだ。これで合併交渉が進展するとの期待から買われたとみられている。
創業家の代理人として、経営側と協議してきた浜田氏は2月10日、代理人を辞任したと発表した。9日付で代理人と創業家の資産管理会社、日章興産の代表取締役を辞任したという。
浜田氏は「昨年10月に合併の無期延期が表明され、その後、統合の基本合意も実質的に白紙撤回され、ひとつの目標は達成できた」とするコメントを出した。
浜田氏の突然の辞任に各メディアは「合併交渉は不透明」と報じた。合併に強く反対する出光創業家と、対立解消を模索していた浜田氏との意見の温度差を取り上げた媒体もあった。
ところが、市場の反応は違った。浜田氏の辞任で経営側と創業家の和解が進み、昭和シェルとの合併交渉は進展すると先読みした。つまり、創業家の出光昭介名誉会長が、経営側との和解を決断したと受け取ったということだ。
浜田氏は、「出光昭介名誉会長からは、できるだけ争わずに話し合いで決着してもらいたいという委任を受けた」と明かし、そのうえで「委任の趣旨を踏まえて代理人を辞任する」とコメントした。
浜田氏は2016年6月の出光定時株主総会で、昭和シェルとの合併に反対を表明。同年7月、昭介氏が昭和シェルの株式40万株を取得する奇策を打ち、出光の昭和シェル株取得を困難にした。
16年10月、両社は17年4月に予定していた合併期限の延期を決めた。これが「目標を達成した」と浜田氏がコメントした実績だ。合併阻止はやり遂げたということになる。
だが、これに昭介氏が諸手を挙げて賛成したわけではなかった。「争わずに話し合いで決着してもらいたい」と思っていたのに、経営側と抜き差しならぬ対立を招いた。浜田氏はその後も強硬姿勢を示し、創業家と経営側が話し合いのテーブルにつけないほど対立は泥沼化した。
出光は昨年12月、公正取引委員会の承認を受け、昭和シェル株式の31.3%を英蘭系大手ロイヤル・ダッチ・シェルから取得。現在は昭和シェルと合併に向けた協議を進めている。ただ、合併には出光株の3分の1超を握る創業家の同意が不可欠だ。
一部には、泥沼の争いを招いた浜田氏を昭介氏が解任したという見方もある。
■創業家の狙いは、昭介氏の息子の取締役就任
米通信社のブルームバーグは2月10日付の記事で、「出光の創業家の新しい代理人に弁護士の鶴間洋平氏が就任した」という関係者の話を伝えた。鶴間氏は1996年に慶應義塾大学大学院を卒業し、2000年に弁護士登録。現在、寺本法律会計事務所のパートナーを務めている。
創業家の代理人となった鶴間氏が経営側との交渉のテーブルに座る。落としどころに関して、関係者の見方は一致している。「創業家から取締役を1人出す」ことだ。
15年12月に昭介氏は浜田氏を通して、創業家の見解として月岡隆社長に文書を提出。その中で、出光家から取締役1人を登用するよう求めた。
出光は06年の株式公開後、出光一族の役員は1人もいなくなり、創業家が経営に口を挟むことはなくなった。そのため、月岡社長をはじめとする経営陣は「創業家の影響力はほとんどなくなった」と読み誤った。
月岡社長は「役員就任」の要求を無視。16月6月の株主総会に向けた役員候補に創業家一族の名前はなかった。これに激怒した昭介氏は、浜田氏を代理人に立て、合併反対の狼煙を上げた。
昭介氏と千恵子夫人の間には2人の息子がいる。長男の正和氏と次男の正道氏で、共に出光の発行済み株式の1.5%を保有している大株主だ。正和氏は出光を離れ、創業家の資産管理会社で筆頭株主の日章興産の代表取締役となっている。正道氏は出光に在籍しているが、管理職にはなっていない。2人の処遇に不満を持つ昭介・千恵子夫妻が、息子たちをもっと重用しろと迫ったわけだ。
今度は、経営側が真剣にボールを投げ返さなければならない。
月岡社長が辞表を懐に入れて創業家を直接説得し、正和氏か正道氏を役員、それも常務以上に就ける妥協案を早急に示すしかないとの意見が多い。役員にするなら、筆頭株主である日章興産の代表の正和氏が有力視されている。
今年も6月末に株主総会が行われる予定だ。5月までには、新任の取締役候補を決めなければならない。月岡社長は、創業家側から役員を受け入れることができるのか、経営者としての器が問われることになる。
(文=編集部)
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