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スーパーやコンビニの総菜、味覚障害の恐れ、生命の危険も…サプリでかえって栄養欠落も
http://biz-journal.jp/2017/02/post_18159.html
2017.02.28 文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事 Business Journal
子供たちの間に「味覚障害」が増え問題となっていることは、本連載でも取り上げましたが、この問題は大人たちの間でも広がりを見せています。患者数は20万人以上ともいわれ、さらに増加傾向にあるようです。
私たちが「味」を感じるメカニズムは、食べものが口に入った後、咀嚼しながら、味蕾(みらい)が甘い、しょっぱい、からい、すっぱい、苦い、うまいなどをキャッチするわけですが、その味蕾の感覚が鈍くなることが味覚障害の初期段階です。やがて、薄い味には反応しにくくなり、徐々に味そのものを感じなくなってしまいます。
味覚は約1万個あるといわれる味蕾細胞から顔面神経を介し、脳の側頭葉にあるといわれる味覚野(味覚中枢)に伝わって認識されます。ちなみに、味覚と関係が深い、においを感じる嗅覚野は、味覚野に近いところにあります。
味蕾が正常に働くためには、16ある必須ミネラルのひとつである亜鉛が必要ですが、現代日本の食生活では、亜鉛が不足しがちであることがわかっています。成人男性で10ミリグラム、女性は8ミリグラムが1日の推奨量とされていますが、それだけ摂取できている人は少ないと思われます。
味覚障害は、亜鉛を補給することで改善する場合が多く、そのため医療機関では「プロマック」という薬が処方されています。それは、このプロマックの中に亜鉛が含有されているからですが、プロマックは実は胃潰瘍の治療薬です。プロマックの適応症に亜鉛欠乏症及び味覚障害は入っていませんが、厚生労働省が「医薬品の適応外使用に係る保険診療上の取扱いについて(保医発第0928第1号)」のなかで、保険審査上プロマックを味覚障害に対しての使用も認めるとの通達を出したため、処方されているのです。
■亜鉛の過剰摂取で貧血に
しかし、ここで考えなければいけないことがあります。それは、亜鉛は不足させてはいけない栄養素ではありますが、逆に過剰摂取してしまうと、同じく必須ミネラルである「銅」が体内から欠落してしまうという事態を招くのです。私たちの体内で銅は、神経伝達物質ノルアドレナリンの生産に関与したり、鉄の吸収を促進するといった重要な役割を果たしています。欠乏すると、イライラしたり、貧血を引き起こすといわれています。過剰摂取された亜鉛は、腸で銅が吸収されるのを阻害します。また亜鉛は銅を便とともに体外に排泄してしまうという働きもします。
それらの害を防ぐために通常、亜鉛のサプリメントには銅が配合されています。もちろんプロマックには銅は含まれていません。プロマックは、錠剤1錠、または顆粒1包(0.5グラム)の中に、亜鉛が16.9ミリグラム含まれています。通常、1日2回服用という指示が出るようです。そうすると、1日の亜鉛摂取量はプロマックだけで33.8ミリグラムとなり、1日の推奨量の3倍を超します。継続して服用した場合、過剰摂取になることは考えなくていいのでしょうか。
亜鉛と銅の理想的な摂取比率は、亜鉛=10に対して銅=1だといわれています。プロマックを服用した場合、確実に亜鉛の過剰摂取が起きます。
筆者が知る医療関係者の多くは、味覚障害の患者に対してプロマックを処方するのが正しいかどうかについて疑問を持っていますが、実際には処方されています。ついでですが、プロマックは、本家本元の胃潰瘍治療薬としても、銅欠乏症の副作用が報告されており、使用上の注意も改訂されています。
しかし、ここで単純にプロマックを処方する医療関係者(主に医師)を批判するのは間違いだと思います。医療機関に診療を求める患者のなかには、薬を出さないと文句を言う人もかなりいます。そんな人に限って、薬について薬剤師たちが詳しく説明しようとしても聞く耳を持たず、少しでも体調に変化があれば副作用だと騒ぎだします。「処置なし」とはこのことです。だから、医療関係者がまじめに味覚障害の人に食事の大切さを説こうとしても、受け入れられないというのが現実です。
人間の感覚はすべて大切なものだと思いますが、筆者は味覚がもっとも大切だと言いたい。なぜならば、生命をつなぐ食べ物がまず入ってくるのが口で、味覚によって、それが食べていい物かどうかを判断しているからです。本来であれば、自分にとってふさわしくない、安全でない食べ物は口に入れたとたんに吐き出します。味覚が狂ってしまうと、または味覚がなくなってしまうと、その判断ができなくなります。つまり、それは生命の危機に直結するのです。
現代人は、その味覚が鈍くなっています。人によっては、味覚が失われています。これは、生命力が極端に弱まっていると考えるべきでしょう。味覚障害になってから医療機関を頼るのではなく、日々の食生活を見直すべきです。
■ファストフードやジャンクフードは厳禁
味覚を健全に保つためには、どのような食生活をすればいいのでしょうか。それはまず、たんぱく加水分解物、酵母エキスなどの加わった工業製品的加工食品を避けることです。また、濃い味付けを施してあるファミリーレストランなどの外食の比率を下げること、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで売っている総菜などを頻繁に食べないこと、スナック菓子などのジャンクフード、ハンバーガーや牛丼などのファストフードを食べないことが肝心です。
逆に、食べるべきものとしては、精製度の低い穀物や豆類、新鮮な野菜類、遺伝子組み換え飼料や抗生物質、成長ホルモンを投与されていない健康な畜産物、溶剤などを使用せずに搾油された新鮮な植物油、きのこや海藻類などです。これらの要件を満たす食生活は、十分に実現可能なものです。すでに筆者を含め、多くの方々が実践しています。
医療機関で、自分の思ったような治療を受けられない、投与された薬を飲んで、逆に体調が悪くなったなどと文句を言う患者が急増しているといいます。そういう人たちは「モンスターペイシェント(怪物患者)」と呼ばれています。医療機関の誠意というものを疑っている人が増えている結果なのかもしれません。
これまでのような、旧態依然とした稚拙な栄養学に早く見切りをつけ、本当の意味での「食事指導」ができる医療機関の存在が求められているのではないでしょうか。
今から約2500年前、ギリシャのコス島に生まれたひとりの天才医師、後に「医聖」と呼ばれたヒポクラテスが、こんな言葉を残しています。
「食べ物について知らない人が、どうして人の病気について理解できようか」
医療機関で働く人のみならず、私たち現代人が噛みしめ、理解すべき言葉ではないでしょうか。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)
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