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トランプは「暴君」か「名君」か、それとも賢い「悪役」か(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/535.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 2 月 27 日 10:45:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

            大胆な物言いや振る舞いで話題に世界の注目を集めるトランプ氏 Photo by Keiko Hitomi


トランプは「暴君」か「名君」か、それとも賢い「悪役」か
http://diamond.jp/articles/-/119301
2017年2月27日 秋山進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役] ダイヤモンド・オンライン


 早いもので、トランプ氏がアメリカの大統領に就任してから1ヵ月超たった。どんなことが起きるのかと世界中が戦々恐々としていたが、すでにいろいろあったと言うべきか、首脳会談を満面の笑みで終えた安倍内閣にとってはひと安心といったところか。いずれにせよ、トランプ氏の大統領としての評価が定まってくるのはこれからだ。世界の緊張はまだまだ解けない。

 さて、会社においてもこのような“常人ではない人”がトップになることがある。これらの社長は、裏では「暴君」とも呼ばれたりもするが、暴君にも実際にはいろいろなタイプがある。

●暴君タイプ1「改革者型暴君」

 不振の会社に乗りこみ、大ナタを振るって改革を進めるプロ経営者と呼ばれる人がいる。

 改革のリーダーであるこのタイプは、既存の経営思想を否定し、新しい経営のパラダイムを掲げ、実際に改革を実施する人たちだ。競争上のポジションを変え、ビジネスモデルを変え、コスト構造を変え、人の意識を変え、人の動き方を変えていく。多くの場合、最初のころの評判は散々で、既得権益者とそれに乗っかる社内世論やマスメディアによって、暴君のレッテルが貼られる。

 しかし、彼らは時代に合った経営コンセプトと市場に適した戦略を持ち、(株主からの)強い後ろ盾などを背景に大胆な人事を押し通す胆力がある。そうして一歩一歩改革を進め、成果が出はじめると周囲の風向きが変わり始める。まず顧客や社会からの評判が変わり数字が伸びる。組織の中でも彼らに影響されたやる気に満ちた人たちが登用され、やがて多数派を占めるようになる。そうすると、評価も180度変わる。旧来の考え方やルールに慣れ親しんだ人から見ると、まぎれもない暴君なのだが、実は会社を救ってくれる名君だったというわけだ。

 この例に見られるように、改革を進める暴君が名君に変わるためには、目に見える成果と外部からの高い評価が絶対に必要だ。成果が出ても継続しなかったり、少しでも目立った失敗をすると、足元をすくわれて、いつのまにか外されてしまう。

 逆バージョンもある。かつて選択と集中を旗印に、「名君」の誉れが高かった東芝の西田氏は、原子力発電事業への過剰投資があだとなって、今日の東芝の凋落の元凶と評価されるようになってしまった。「リ・ジェネレーション」や「デジタル・ドリーム・キッズ」の旗印のもと、ハードとソフトの融合を掲げる戦略がメディアや株主から絶賛されていたソニーの出井氏も、2003年のソニーショックを皮切りにその後の凋落を招いたとして、名君から暴君へ、いとも簡単に滑り落ちてしまった。

 やわらかい雰囲気のおかげで「暴君」のイメージからは程遠い日銀の黒田総裁も、このままいくと実は暴君だったという評価になりかねない。掟破りの金融緩和やマイナス金利政策など、明らかに異例な施策を推し進めてきたのだが、デフレ脱却はできそうにない。近い将来、一連の施策が出口のない袋小路への選択だったということが決定的になれば、「とんでもない」暴君だった、と評価されるだろう。

●暴君タイプ2「ワンマン厳格型暴君」

 続いて、2つ目のタイプは、オーナーに多いワンマン型の暴君だ。彼らには自分のやり方に対する絶対的な自信があり、成果を出すため組織や人に厳しい要求をする。決して妥協や手抜きを許さない。納得いくまで何回でも直させるし、社員の私生活など完全に無視して、事を成し遂げさせる。彼らは信念に忠実で「環境×プリンシプル(思考行動原則)」で何をやるべきかを考えるから、環境変化を認識するやいなや、とたんに今まで自分で言っていたことを全否定するようなこともある。残念ながら、その思考回路は常人には予測がつかないので、どう対応してよいか途方に暮れることとも多い。

 このようにハラスメントぎりぎりの高い要求を突きつけられ、未達成時には叱責や左遷があるとなれば、社員は必死の思いでノルマの達成に挑まなくてはならない。でも、だからこそ成果も出る。そして、誰よりもトップが一番事業について考えており、誰よりも会社のことを大事に思い、実際にアイデアを出し実行し成功に導くから、社員もおいそれとは文句が言えない。そして歯を食いしばって、暴君についていけば、相当高いビジネス遂行能力が身につく。

 このワンマン厳格型は、社員にとってはとんでもない暴君だが、顧客から見ると、優れた商品やサービスを実現する頼もしいリーダーであり、名君と思われていることも多い。とはいっても、厳しさの度が過ぎると社員の大量離職やクーデター騒ぎが起こるなど、内部崩壊にもつながる懸念は常にある。

●暴君タイプ3「大風呂敷型暴君」

 3つ目は、誇大妄想ともいうべきスケールの大きい発想を持ち、誰もが驚くような施策を果敢に実行していく暴君である。とてつもなく高い目標を掲げ、新しい領域に次々と乗りだすから、社員はそのスピードについていくのが本当に大変だが、そのダイナミズムの中に自らを没入させることで「自分自身も大きな物語の一部を作っている」という充実感を得ることもできる。

 私が新卒時に入った江副社長時代のリクルートもそんな会社だった。紙の情報誌の会社だったリクルートが、情報と通信の融合を掲げ、通信コンピュータ事業に巨額の資金で進出したときには(それで事件にもなったが)誰もが驚いたものだし、優秀な管理職や営業マンが大量に通信事業に引き抜かれて社内は大混乱だった。

 しかし、時を経て、何が現在のリクルートを支えているかといえば、そのときに採用した大量の理科系人材たちがその後に作りあげたネット上でのプラットフォーム事業である。当時の江副氏の誇大妄想的な事業拡大志向がなければ、今の隆盛は無かった。大風呂敷型の暴君は、極めて優れた先見性があるために、ともすればドン・キホーテのように思われてしまう。しかし、彼らにだけ見えている世界があるのだ。ただ、残念ながら、ただのほら吹きで終わってしまう経営者もいるし、途中で挫折することも多い。

●暴君タイプ4「悪役(バッドマン)型暴君」

 暴君として社内外に無理な要求をするトップ「悪役(バッドマン)」と、それなりの落としどころを探る二番手「善人役(グッドマン)」とで役割分担をする会社もある。内外に、うちの社長は暴君だというイメージをつくっておき、「こんな条件を出してくるような会社とは今すぐ契約を切れ!」とバッドマン暴君が暴れているということにして、「うちのトップはご存じのように“あんなふう”で言うことを聞かないので、なんとか、このあたりでお願いしますよ」とグッドマンの二番手が言えば、「仕方がない。お互い大変ですね」と、有利な条件が獲得できるというわけだ。この場合、バッドマンは真の暴君ではなくただの見せかけで、本当は相当に賢い演技派である(同時にグッドマンも決して、“善い人”ではない)。

●暴君タイプ5「ホンモノ暴君」

 最後のタイプは、権力の行使や名声の獲得、自分の趣向だけに興味があるホンモノの暴君である。私利私欲に走り、ファミリーやお友達で組織を私物化する。能力に関係なく「お気に入り」を贔屓し、諫言してくる社員はそばに置かないし、批判的な意見はまったく聞かない。「面白いから」とデタラメな出資をしたりする。社長の愛人が役員、なんてこともある。ここまでくると、もう何でもありである。彼らにとって、社員はただの使用人だ。世襲の二代目、三代目によくある話なのだが、創業者が金と名声を得たのち、突然狂ってしまって、このタイプになることも実際にある。「昔はこんな人ではなかったんですけどね…」と古参社員の嘆き節を聞くことはなかなか辛いものである。

■トランプ大統領はどのタイプ?

 さて冒頭の話に戻ろう。トランプ氏は一体、どのタイプだろうか。統一化された思考行動原則に基づいて行動するタイプ2ではどうもないようだが、タイプ1、3、4、5の要素はどれも持ち合わせているように見える。

 私たちは「関税が最適な資源配分を歪める」といった経済学的パラダイムに影響され過ぎており、もしかしたらその先にある(トランプ氏には見えている)ポリティカルエコノミー次元での最適化の枠組みに気づいていないのかもしれない。言論の自由を尊重しながら議論によって意思決定していく、チャーチルのいう“これまで試みてきた民主制以外の政治体制を除いて最悪”の民主制政治のあり方は、トランプ氏には見えている“それよりもましな別の方法”によって代替される可能性もある。民主制の枠内にとどまることを前提にしたとしても、直接国民と語り合える新しいメディアの活用を前提にすれば、既存のマスメディアとの関係を変えていくべき時期なのかもしれない。

 トランプ氏が主張するような減税や財政出動による、Great America again政策は、庶民が再びアメリカンドリームを持つことを可能にし、新しい未来を作りだす可能性を高めるのかもしれない。言葉そのものもそうだし、国境に巨大な壁を築くプランなどは、誇大妄想性を感じさせるに十分だ。

 そしてトランプ氏はビジネス経験で培った「はったり」を計算づくで使うタイプ4を上手に演じている可能性もある。役どころとしては、ペンス副大統領か誰かが、温家宝中国元首相のようなグッドマン役をやることになるのかもしれないが。

 さて、上記のどれかのタイプであれば問題はないが、もしトランプ氏がホンモノ暴君だった場合は、本当に困ったことになる。一般の企業でタイプ5の社長が任命されたら、暴君には自由に使える相当額のお金を渡して、称賛を受ける外部活動や名誉職に勤しんでもらい(要は、遊んでもらって)、重要なことは内部で賢人がしっかりマネジメントするという手段を取ることが多い。

 しかしながら、そんな子どもだましの方法に乗ってくれるのは、実務に不案内な、お坊ちゃま、お嬢ちゃま社長の場合であって、創業経営者が変節した場合は、猜疑心も強く、なかなか思うように権限を手放してくれない。そんな場合は、幹部や社員は本当に途方に暮れてしまう。タイプ5の人は社長にしないのが一番だし、もし経営者がこのタイプに変節したときには、何が何でも、誰かが早めに引導を渡さなくてはならない。

 最後に個人としてのトランプ氏評だが、慣例にならって、就任後100日までは新しいリーダーの施策に対するコメントは控えたいし、そもそも筆者にはコメントをするだけの見識も能力もない。「トランプ氏は一見暴君に見えていたが、実はタイプ1の名君だった」と評価されることになればそれに越したことはないが、果たしてどうだろうか。とにかく今は、タイプ5ではないことを祈るばかりだ。

(プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役 秋山進、構成/ライター 大高志帆)

 

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コメント
 
1. 2017年2月27日 11:37:08 : NNHQF4oi2I : p@MqjzZMakU[728]
トランプは 打たれ強い  

 日本の政治屋は 官僚のクビが切れない 臆病


2. 2017年2月27日 12:52:00 : w3M1BHSquE : 5KToaZSVnLw[1272]
っま トランプが 口先だけ威勢の良い 「言うだけ番長」 なのかどうかは、北朝鮮をどうするかによって
その全てを判断できる【絶好の材料】があると言える

今後 トランプが、北朝鮮を 力ずくで屈服させる事を選択するかどうかだ
口先だけの “口撃”では、顔色一つ変える事のない北朝鮮を 言う事聞かせるにはどうするのか
経済制裁なんて 慣れっこの北朝鮮 これをトランプ政権がどう対処するか 注目するところだろう。


3. 2017年2月27日 20:26:09 : Y6UFREnJH2 : Xuie_5ub41c[23]
トランプは「暴君」か「名君」か、それとも賢い「悪役」か

トランプの買いかぶりも甚だしい。

単にペテン師だ。


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