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カルロス・ゴーン氏(AP/アフロ)
日産ゴーン社長電撃退任の真相…難題噴出で「敵前逃亡」、トランプ・ショックやルノー不正疑惑
http://biz-journal.jp/2017/02/post_18122.html
2017.02.24 文=編集部 Business Journal
日産自動車は2月23日、4月1日付でカルロス・ゴーン氏(62)が社長を退き、後任社長に共同最高経営責任者(CEO)の西川広人氏(63)が就任するトップ人事を発表した。
ゴーン氏は代表権のある会長に専念する。同氏は2000年6月から社長を務めており、17年ぶりのトップ交代となる。
西川氏は16年11月から共同CEOとなり、日本には年間100日もいないゴーン氏を補佐してきた。西川氏はゴーン氏より1歳年上で、今回の人事は若返りにはならない。
ゴーン氏の社長交代には伏線があった。同氏は1月に日本経済新聞で『私の履歴書』を連載した。日産の社長として一区切りつけたいとの思いがあったのかもしれない。
ゴーン氏は1999年、日産が経営不振に陥り傘下に入った仏自動車大手ルノーから送り込まれた“コストカッター”として知られ、経営不況に陥っていた日産の業績をV字回復させた。
2001年にCEO、03年には会長を兼務し、文字通りワンマン体制で日産の経営をリードしてきた。
新年早々、“トランプ・ショック”が襲い、ゴーン氏にとって17年は受難の年になるとみられていた。雇用を守り「米国第一主義」を掲げるドナルド・トランプ米大統領は就任早々、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を表明し、日本自動車メーカーのメキシコ事業のリスクが顕在化した。
NAFTAとは、米国、カナダ、メキシコ3カ国が相互に市場を開放し、自由貿易圏をつくるための地域協定。94年1月に発効し、08年1月に関税が完全に撤廃された。メキシコで生産した工業製品は北米にフリーパスで輸出できる。しかも、メキシコの人件費は米国の6分の1程度と安いため、日本のメーカーは自動車・同部品を中心に生産拠点をメキシコに相次いで移転した。日産、トヨタ自動車、本田技研工業(ホンダ)、マツダが工場を建設するなど、自動車メーカーの進出ラッシュとなった。
■米国のNAFTA見直しで192億円減益か
そんな日系メーカーのなかで、米国がNAFTAから離脱することでもっとも大きな影響を受けるとされているのは、日産だ。メキシコに進出した日本の自動車メーカーのパイオニアが日産だからである。
日産は59年にメキシコに進出し、生産台数はメキシコでトップ。メキシコ自動車工業会(AMIA)の発表によると、16年1年間の生産台数は、日産が84万8808台(生産シェア24.5%)で1位。以下、米ゼネラル・モーターズ(GM)の70万3030台(同20.3%)、フィアット・クライスラー・オートモービルズの45万9116台(同13.2%)と続く。
このうち、日産の輸出台数は50万台。日産はメキシコを、米国市場だけでなく欧州や中南米もにらんだ世界的な生産・輸出拠点と位置付けている。メキシコで生産するクルマの約半分が米国向けで、小型セダンの「セントラ」や「ヴァーサ」を中心に輸出している。
業界の推計によると、17年3月期に米国で販売する自動車のうち、メキシコ生産車の比率は日産が25%と頭抜けて高い。ホンダ、マツダは6〜7%、トヨタは5%だという。
JPモルガン証券の試算によると、NAFTAの関税引き上げに伴う業績への影響は日産が最大で、次にマツダ、ホンダ、トヨタの順。トヨタとホンダについては世界生産に占めるメキシコ生産比率が5%以下だからリスクは相対的に小さい。メキシコ産の輸入車にかかる関税が世界貿易機構(WTO)加盟国に適用する2.5%に引き上げられた場合、日産の18年3月期決算は192億円の営業減益要因になると試算している。
ゴーン氏は1月20日、スイスのダボスで開かれた世界経済フォーラム(ダボス会議)に出席した際、トランプ大統領が掲げるNAFTAの見直しについて問われ、「米国で事業を展開するすべての自動車会社は、生産拡大の際に米国(への投資)を最初に考えることになる」と語った。日産の米国工場は2カ所で、現地化比率は約6割。ホンダ(5工場)、トヨタ(4工場)に比べて見劣りするうえ、米国で雇用している人数も少ない。ダボスでの発言は米国内で生産拠点を増やし、現地化比率をさらに引き上げることを示唆したものと受け止められた。
■前途多難な日産
日産は昨年10月に三菱自動車の株式を34%購入して、傘下に収めた。ルノー、日産、三菱自を合算した世界販売台数は1000万台の大台に王手をかけた。だが、三菱自の社内には益子修氏がゴーン氏の要請を受けて社長を続投したことに対する強いシコリが残っており、再建は一筋縄ではないとみられている。
確かに、日産は三菱自の買収によって軽自動車と東南アジアの生産拠点を手に入れた。また、プラットフォーム(車台)の共用など、スケールメリットもある。しかし、ゴーン氏が日産に乗り込み、業績のV字回復を実現した時のようなドラスチックな変革は望み薄だ。
また、1月には仏検察当局が、ゴーン氏が会長を務めるルノーの排ガス不正疑惑について捜査を開始した。ルノーが排ガスに含まれる汚染物質の数値を不正に操作したという疑惑は、昨年からあった。ルノーは、捜査が始まった事実は認めたが、不正は否定した。だが、ルノーの株価は下落した。
加えて、英国のEU完全離脱も、英国に工場を持つ日産には重荷だ。米中の貿易摩擦が激化すれば、中国市場での日本車の売れ行きにも影響が出るとみられている。日産はその中国市場において、日本車でトップシェアを誇るため、業績に占める比重は高い。
こうしてみてくると、まさに内憂外患だ。17年は、ゴーン氏に明るい材料が見当たらない。そのため、会長に専念して日産の経営の重荷を西川氏の肩に移そうとしたとの見方が強い。
(文=編集部)
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