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「未払い残業代600万円払え!」 元従業員から内容証明が!
http://diamond.jp/articles/-/114463
2017年2月23日 小山 昇 ダイヤモンド・オンライン
小池都知事が「夜8時には完全退庁を目指す」、日本電産の永守社長が「2020年までに社員の残業をゼロにする」など、行政も企業も「残業ゼロ」への動きが急加速中!
株式会社武蔵野は、数十年前、「超ブラック企業」だった。それが日本で初めて日本経営品質賞を2度受賞後、残業改革で「超ホワイト企業」に変身した。
たった2年強で平均残業時間「56.9%減」、1.5億円もの人件費を削減しながら「過去最高益」を更新。しかも、2015年度新卒採用の25人は、いまだ誰も辞めていない。
人を大切にしながら、社員の生産性を劇的に上げ、残業を一気に減らし、過去最高益を更新。なぜ、そんな魔法のようなことが可能なのか?
『残業ゼロがすべてを解決する』の著者・小山昇社長に、人材育成のヒントを語ってもらおう。
■それは、ある日突然……
小山昇(Noboru Koyama)
株式会社武蔵野代表取締役社長。1948年山梨県生まれ。日本で初めて「日本経営品質賞」を2回受賞(2000年度、2010年度)。2004年からスタートした、3日で108万円の現場研修(=1日36万円の「かばん持ち」)が年々話題となり、現在、70人・1年待ちの人気プログラムとなっている。『1日36万円のかばん持ち』 『【決定版】朝一番の掃除で、あなたの会社が儲かる!』 『朝30分の掃除から儲かる会社に変わる』 『強い会社の教科書』 (以上、ダイヤモンド社)などベスト&ロングセラー多数。
【ホームページ】http://www.m-keiei.jp/
株式会社FirstDrop(神奈川県/飲食店)は、「はなたれ」「The Fish&Oysters」など、人気飲食店を経営する会社です。
平尾謙太郎CEOは、「ある出来事」をきっかけに、残業問題に本腰を入れることになります。
「ある日突然、当社を辞めて独立した元従業員から、未払い残業代を支払うよう、内容証明郵便が送られてきました。びっくりしました。金額は『600万円』です!」(平尾CEO)
結果としては、裁判所で争うことはなく、一銭も払わずに和解できたものの、この事件を機に、平尾CEOは社員の就業状況を見直すことにしました。
「基本的に飲食店は、労働時間の管理が甘いですし、残業代もせいぜい『みなし残業』(従業員の正確な残業時間を把握できない場合に、残業時間をあらかじめ見込んで給料を払うこと)があるくらいです。
お店の規模が小さくて従業員も少なかった時代は、従業員と一緒に飲みに行くだけでコミュニケーションが取れていたし、訴えられることもなかった。
けれど、店舗数が増えて(15店舗)従業員が180人体制になるとそれができないから、会社として、きちんとした仕組みをつくらないといけません。
内容証明が送られたときは、ちょうどわが社でも、新卒採用を始めたときでした。
新卒社員を定着させるうえでも、残業問題は無視できない状況になっていたんです」(平尾CEO)
■「残業問題」と「環境整備」を
同時に取り組む効果
平尾CEOは、元従業員から内容証明が届いたことを、思い切って全社員に公表しました。
「とても大事なことだから、隠さずに共有すべきだと思いました。
『みんなも知っている元従業員の○○から、こういう手紙が届いた。
未払い残業代として600万円支払えと書いてある。
この600万円を払うと、みんなが稼いでくれた会社の利益が減ってしまうということだよね』と全員に伝えたんです。
公表したことで、全員が同じ方向を向くことができたと思います」(平尾CEO)
FirstDropは、「新卒社員は9時間以上、仕事をさせてはいけない」と各店舗の店長に通達するなど、労働時間の管理に着手。
それと並行して「環境整備」に力を入れて、社員の価値観を揃えることに注力しています。
環境整備を就業時間の改善に使ったわけです。
「当社の場合は、残業問題と環境整備を同時に取り組んだことがよかったですね。
環境整備を徹底すると、社長と社員、それから社員同士の価値観が揃います。情報共有もしやすい。
環境整備を始めたことで、会社の方針や私の決定を守る組織に変わった気がします。
従業員の中には、環境整備に反発して辞めた人もいますが、その代わり、残った社員の連帯意識は高まっているので、よい方向に進んでいます。
小山社長がおっしゃるように、今の若い人は、『給料よりも休み』を優先しますが、私は『給料も休みも多い飲食店』をつくっていきたいですね」(平尾CEO)
■『残業ゼロがすべてを解決する』
小山昇からのメッセージ
このたび、『残業ゼロがすべてを解決する』を出版しましたが、わが社は、残業改革前と比較すると、社員換算で「1億円」、パート・アルバイトも含めると「1億5000万円」の人件費削減に成功しました。
通常、労働時間が短くなれば、それだけ売上や利益も減ると思われがちですが、当社は違います。
2014年3月の月間平均残業時間は57時間18分でしたが、2016年7月は24時間41分と56.9%ダウンしました。
にもかかわらず、この間、売上アップ率は123.8%となっています。
残業を減らせば減らすほど業務改善が進んで、過去最高売上、過去最高益を更新しました。
つまり過去最高売上・最高益を更新しながら、大幅な人件費減を達成したわけです。この間、解雇などのリストラは一切していません。
同時に、従業員の可処分所得をできるだけ下げないよう、残業減の一定基準を満たしたパートには賞与を倍にしたり、社員のベースアップ(ベアではない)と賞与の増加を図った結果、離職率も大幅に下がった。
こんなことは、私が社長になって28年間、まったくなかったことです。
正直に言うと、残業改革を始めた2年前は、こんなにうまくいくとは思わなかった。
でも、「絶対やる!」と宣言してやってみたら、社員同士がうまく競い合ってすぐ結果が出ました。
そして、武蔵野でうまくいった事例を業種の違う企業にも横展開したら、うまくいった事例が次々出てきたのです。
「残業ゼロ」に意識と行動を向けると得られるもの。
過去最高売上・最高益の更新、劇的な生産性アップで人件費激減、モチベーションアップで社内活性化、ダラダラ社員がキビキビ動く、新卒採用で最大の武器になる、社員が辞めない会社に変わる、明るく健康で家庭円満になるなど、まさに“一石七鳥”の効果です。
まさに、「残業ゼロがすべてを解決する」のです。
かつてわが社は、ライバル会社からも「武蔵野以上にブラックな会社はない」「株式会社ブラック企業」と揶揄されていました。
ところが現在では、「超ホワイト企業」に生まれ変わっています。
長時間労働への風当たりは、ますます厳しくなっていくでしょう。
「残業ゼロ」の流れは、今後、急速に行政と民間企業に広がっていきます。
今すぐ「残業ゼロ」へ一歩を踏み出す企業とそうでない企業とでは、1年後、大きな違いが生まれ、そこからでは埋めようもない「格差」となって表出してきます。そのときになって、「ああ、やればよかった」と後悔しては遅い!
時代の変化は、あなたの会社の都合を待ってくれません。
時代の変化は、あなたの会社の都合を“容赦なく”置いていきます。
■「いつかいつかと思うなら今!」
手を打つのは今しかありません!
本書は、再現性の追求のため、武蔵野だけでなく、飲食、各種メーカー、不動産賃貸、建設、リサイクル、葬儀、物流、ガス販売、薬局、和紙加工、税理士法人、アミューズメント(パチンコ)、水処理、自動車整備、メガネ用品販売、中古パソコン販売、燃料、清掃(ビルメンテナンス)など全国32社の残業削減(早帰り)の取り組みと「椅子なし改革」など、従業員の労働環境が劇的に改善するポイントをわかりやすく紹介しました。
本書では、私からの目線だけでなく、武蔵野のパート・アルバイトや社員の声、現場の第一線で格闘する経営者の喜怒哀楽の声がふんだんに収録されているので、次のアクションへの有益な示唆が得られるかと思います。
『残業ゼロがすべてを解決する
─ダラダラ社員がキビキビ動く9のコツ』
『残業ゼロがすべてを解決する ──ダラダラ社員がキビキビ動く9のコツ』 小山 昇:著
価格(本体):¥1500
発行年月:2016年12月 判型/造本:46並製
ISBN:978-4-478-06983-7
話題沸騰! 発売たちまち重版!
12/6、12/13、12/24「日経新聞」掲載!
なぜ、残業が56.9%減ったのに、
過去最高益を更新したのか?
ダラダラ社員がキビキビ動く9のコツ!
劇的な生産性アップで、
たった2年強で1.5億円削減!
→椅子なし
→iPadで空中戦
→モニタリングカメラ
→企画書はテキトー……etc
全国32社の最新事例と社員・パートの声も収録!
再現性が担保された注目の一冊!
残業ゼロで“一石七鳥”の効果!
1.過去最高売上・最高益の更新
2.劇的な生産性アップで人件費激減
3.モチベーションアップで社内活性化
4.ダラダラ社員がキビキビ動く
5.新卒採用で最大の武器になる
6.社員が辞めない会社に変わる
7.明るく健康で家庭円満になる
【目次】
【プロローグ】なぜ、「超ブラック企業」が「超ホワイト企業」になったのか?
【第1章】残業を放置する社長は犯罪者である
【第2章】「今と同じやり方」の先にあるのは「地獄」だけ! 残業をなくす3つの処方せん
【第3章】たった2年強で「1億5000万円」を削減した早帰り「9」の取り組み
【第4章】なぜ、「椅子」をなくすと残業が減るのか?
【第5章】「辞めない社員」の育て方
【巻末スペシャル】躍進する「32社の社長」がこっそり教える「残業ゼロ」を実現する5つの秘策
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