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好調米国経済で、FRB「利上げの足音」が聞こえる イエレン発言からその時期を読む(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/348.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 2 月 20 日 12:09:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


好調米国経済で、FRB「利上げの足音」が聞こえる イエレン発言からその時期を読む
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51008
2017.02.20 真壁 昭夫 信州大学経済学部教授 現代ビジネス


2月14日、連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は今後の利上げに関して、「待ちすぎは賢明ではない」と発言した。これは、目先の利上げの可能性があることを多くの市場参加者に認識させた。

イエレン議長以外のFRB関係者からも、米国経済は好調であり今後数ヵ月の間に追加的な利上げは可能との見方が示されている。

一方、米国の金利上昇圧力は、今一つ高まっていない。利上げに前向きになりつつあるFRBに対して、市場参加者の多くは、利上げが可能かどうか判断しかねているようだ。

その背景にはトランプ政権の政策運営がどう進むかよくわからないという不透明感があるのだろう。先行き不透明感が意識されやすい中、FRBがどう政策を運営するか、先入観を排して考える必要がある。



■FRBは利上げに前向き

1月の米雇用統計では、時間当たりの平均賃金の伸び率が前年同月比2.5%と、前月の2.8%から鈍化した。

この水準がエコノミストらの予想を下回ったことも重なり、市場では当面の利上げは遠のいたとの見方が広がった。その結果、金利先物市場では3月のFOMCでの利上げ確率が20%程度にまで低下し、「年内の利上げは2回」との見方が増えた。

そこで多くの市場参加者が、上院銀行委員会でのイエレン議長証言に注目した。

1月の時点でイエレン議長は、2019年末までに年2〜3回ペースでの利上げが妥当との見方がFRB内で共有されていると述べていた。雇用統計を受けて議長が見解を修正し、より慎重な利上げへの考えが示されるのではないかと考える投資家は多かったようだ。

しかしイエレン議長は「待ちすぎは賢明ではない」と表明し、景気の過熱を防ぐために時機を逃がさず利上げを進める考えを示した。従来通り、議長はトランプ政権の財政政策などがFRBの経済見通しに影響するとの見方も示した。

この点において、議長は昨年12月のFOMCの声明の通り、経済成長率が想定よりも上振れる可能性を留意しつつ、景気動向に合わせて年数回の利上げが妥当と考えている。

他のFRB関係者からは利上げに加え、景気回復に沿ってFRBのバランスシートの正常化を進めるべきとの考えも示されている。地区連銀の総裁らは、トランプ政権の政策運営に不確実性があることを認めつつも、景気そのものは利上げに耐えられると考えている。

そのため、今後は各会合でバランスシートの正常化を含めた金融政策の正常化が議論され、追加的な利上げが行われる可能性はあると考えた方がよいだろう。

■3月の利上げは可能か

そこで重要になるのが3月の利上げが可能かどうかだ。

金利先物市場が織り込む3月の利上げの確率は40%台に上昇したものの、金利の上昇圧力は高まってはいない。ここ1ヵ月ほど、金融政策への予想に反応しやすい米国の2年金利は1.2%を挟んだレンジで推移している。

依然、多くの市場参加者が3月の利上げが可能か、判断しかねているようだ。

投資家は、利上げは時間をかけて慎重に進めた方がよいと考えているのだろう。それには、トランプ政権への不安が影響しているはずだ。フリン大統領補佐官の辞任、労働長官候補のパズダー氏の指名辞退など政権の脆さを警戒する投資家は多い。加えて、経済政策の具体化も進んでいない。

そのため金融市場では、これまでの期待が低下し株価が調整するなど、先行きへの警戒感がある。

一方、FRBにとって利上げのタイミングを後ずれさせることは得策ではないだろう。

中国経済は安定を維持し、欧州でも物価は緩やかに上昇している。石油輸出国機構(OPEC)の減産は計画に沿って進み、緩やかな物価上昇はサポートされやすい。米国内外の景気動向を客観的に評価すると、3月利上げの可能性は排除しきれない。

欧州では選挙が続く。注目されるフランス大統領選ではフィヨン氏、マクロン氏のスキャンダルが報道され、ルペン女史の当選も排除できない。

そうした不透明感に配慮して利上げを見送ると、低金利観測が高まり市場が過熱化する恐れもある。そう考えると3月利上げの可能性は“ライブ”だ。市場が3月利上げの可能性を再評価し始めれば、米金利、ドルの上昇圧力は高まるだろう。

先入観を排し、景気動向に基づいてFRBの政策運営を検証する意義は大きいと考える。




 

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