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賞味期限、実際より2割も短く設定?卵は生で2カ月もつ?お金が貯まる人の食品ロス回避法
http://biz-journal.jp/2017/02/post_18045.html
2017.02.16 文=西山美紀/マネーコラムニスト Business Journal
「お金を貯めたい」と思ったら、実は家庭内にも目を向ける必要があります。「1世帯当たり、何気なく年間6万円を捨てている」と聞いたら、驚くのではないでしょうか。
実はこれ、1世帯(4人家族)当たりで無駄にして捨てている食品を金額に換算したもの。あまり知られていませんが、「お金を貯めたい」という人にとって、食品を捨てていることは、少しでも早く気づかなくてはならない大問題なのです。
今回は、「食品ロス」問題の専門家に、「知らず知らずのうちに垂れ流している年間6万円分の損失を防ぐコツ」や「賞味期限と消費期限の実態」などについて、お話を聞きました。
■家庭の食品ロス、全国で年間11兆円の試算も
2016年10月に刊行された『賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか』(幻冬舎)の著者で、食品ロス問題専門家・消費生活アドバイザーの井出留美さんは、「京都府京都市の試算によると、家庭から出る食品ロスを金額換算すると、1世帯4人の場合、年間で6万円相当に上ります」と話します【※1】。
「さらに、ごみの処理費用として5000円かかるので、合計で6万5000円です。京都大学名誉教授の高月紘先生の試算によると、これが日本全国で起これば、年間総額11.1兆円に上ります。これらは、すべて“ごみ”として捨てられているのです」(井出さん)
お金をかけてつくられ、自分がお金をかけて手に入れた食品を、食べることなく捨ててしまうのは、お金をドブに捨てているようなもの。毎年毎年、6万円以上の無駄を生み出していたとは驚きです。
とはいっても、日々忙しいのがビジネスパーソン。「食品を冷蔵庫に眠らせたまま、いつの間にか賞味期限や消費期限が切れていた」「野菜室の奥のほうで野菜が腐っていた」「食べきれなくて捨ててしまった」という方も多いのではないでしょうか。
また、自分は「賞味期限を1〜2日過ぎても大丈夫だろう」と思っても、家族が「絶対にダメ!」と、すぐに捨ててしまう場合もあるでしょう。そこで知っておきたいのが、井出さんの「賞味期限は鵜呑みにしなくてもいい」というアドバイスです。
■賞味期限のウソ…卵は生で57日間食べられる!
「私は以前、大手食品メーカーに長年勤めていました。食品は命にかかわるものなので、安全性が第一。あまり知られていませんが、『万が一の場合を考えて、賞味期限は実際よりもかなり前倒しで記す』という食品業界全体のルールがあります。5日以内の日持ちのものは『消費期限』が使われ、それ以上のものは、おいしさの目安として『賞味期限』が使われるのですが、これらの表示の多くは2割以上前倒しになっています」(同)
賞味期限と消費期限のイメージとしてわかりやすいのが、以下のグラフ。
「農林水産省 北陸農政局」より
このグラフが掲載されている農林水産省のホームページを見ると、「賞味期限を超えた場合であっても、品質が保持されていることがあります。見た目やにおいなどの五感を使って食べられるかどうか判断することも大切です」という記述があります。
「賞味期限の設定は、さまざまな試験を基に算出された『実際に日持ちする日数』に『安全係数』という数字をかけて決められます。企業によってさまざまですが、国としては加工食品のガイドラインで『0.8以上の安全係数』を推奨しています。0.8の場合、賞味期限は本来おいしく食べられる期限の8割ということになります。この安全係数は、賞味期限だけでなく消費期限に使われることもあります」(同)
たとえば、「実際に日持ちする日数」が18カ月の場合、安全係数の0.8をかけた賞味期限は約14カ月になり、本来の期限より4カ月早い期限が表示されているということになるわけです。
それを知らずに「賞味期限が過ぎたから、もう食べられない」と確認しないで捨てていたら、大切な食品はもちろん、お金も無駄にしてしまっているわけです。
そして、井出さんが教えてくれたのが「卵は生で57日間食べられる」という事実です。
「卵は、『パックしてから2週間が賞味期限』と一律に決められていますが、これは『夏場に生で』食べることが前提です。産卵してから1週間以内にパックされることが決められているので、産卵後3週間で賞味期限がきてしまうわけです。ところが、気温の低い冬場(10℃程度)なら、本来は産卵から常温で約2カ月(57日)は生で食べることができます」
冬場に卵を冷蔵庫できちんと管理していても、賞味期限が1日でも過ぎれば捨ててしまっているという方も多いのではないでしょうか。しかし、「適切に管理されていれば、賞味期限を過ぎても加熱調理すれば十分食べられます」(同)とのことです。
■空腹で買い物に行くと64%も無駄遣いする危険!
「賞味期限が過ぎてしまった」などの理由で、まだ食べられる食品が廃棄されてしまう「食品ロス」問題。井出さんは、この実態について、以下のように話します。
「日本の家庭から出る食品ロスは、年間302万tにも上ります。京都市は、ごみと食品ロスを半分に減らす『ごみ半減プラン』に取り組んでおり、ピーク時から約4割に減らしてもなお、ごみ処理に261億円も使っています。食品ロスを減らせば、それだけごみ処理費が減り、その税金を教育や福祉など、もっと市民に役立つことに使えるようになると思うのですが……」
では、食品ロスを減らすために、個人でもできることには、どんなものがあるのでしょうか。井出さんに“5つのコツ”を教えてもらいました。
(1)すぐ食べるなら、賞味期限が近いものを買う
「売り場の棚の奥にある、賞味期限が長いものを買うこと」が習慣になっている人も多いかもしれません。しかし、今日明日に食べることがわかっていたら、賞味期限や消費期限が近いものを買いましょう。「50円引き」「半額」などの割引シールが貼られているものもあってお得な上に、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの廃棄食品を減らすことにもつながります。
(2)空腹で買い物に行かない!64%も無駄遣いする危険を回避
買い物に行くタイミングも重要。「おなかが空いた状態で買い物にいくと、最大で64%も購入金額が増える」というアメリカの研究結果があります(ミネソタ大学のアリソン・ジンシュー氏らの実験による)。空腹だと、あれこれ食べたくなるもの。家や職場で飴やチョコレート、お茶などを軽く食べたり飲んだりしてから、スーパーやコンビニに行きましょう。
(3)日なたに食品がある店は避け、適切な管理をしているお店を選ぶ
お弁当やお菓子、ドリンクなど、直射日光がサンサンと当たっている店は要注意。食品の賞味期限は「直射日光を避ける」「高温多湿のところに置かない」という前提で設定されることがほとんどのため、適切な品質管理をしているお店で買うようにしましょう。自宅に持ち帰ってからも、ガスコンロや暖房器具のそばには置かず、冷蔵庫など適切な場所にすぐに移動させることも忘れずに。
■食品ロスが減れば貯金が増えて税金利用も有効に
(4)食べきれる量や使いきれる量を買う
安いからといって買いだめをしない。自分が食べきれる量、使いきれる量を買いましょう。外食でも同じく、食べきれる量を注文しましょう。どうしても料理が余った場合はドギーバッグ(食べ残しの持ち帰りバッグ)をお願いできないか、店に相談してみるのも一案。ドギーバッグを持ち帰った場合は、早めにしっかり加熱してから食べましょう。また、たとえ(いくら食べても定額の)ビュッフェでも、食べ残しをしないことが大切です。
(5)賞味期限が過ぎたものは、五感を使って状態を確認
賞味期限は、ある程度の余裕があることも多いので、少し過ぎた程度であれば、目で見たりにおいをかいだりして状態を確かめてみましょう。水分が多いものや薄味のものは、傷みやすいので注意。ただし、体調の悪いとき、小さな子どもや高齢者がいる場合は、消費期限はもちろん、賞味期限にも注意して食べましょう。
以上、食品ロス問題の実態と、すぐに個人で減らせる5つのコツについてお伝えしました。食品ロスが減れば、個人の無駄な出費も減って、お金が貯まります。そのお金を、ほかの大切なことに使うことができます。ごみ処理に使われている税金も、私たちの暮らしがより豊かになるために使われるようになることでしょう。まさに、いいことずくめです。まずは、身近なことから始めてみませんか?
(文=西山美紀/マネーコラムニスト)
【※1】「京都生ごみスッキリ情報館」
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