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東芝は、米原発事業で7125億円の損失を計上。「虎の子」である半導体事業を手放す可能性も
原発巨額損失の東芝、半導体事業を手放す可能性も
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170214-00000117-zdn_mkt-bus_all
ITmedia ビジネスオンライン 2/14(火) 23:33配信
東芝は2月14日、東京・浜松町の本社ビルで記者会見を行い、2016年度第3四半期と16年度業績の見通しと、原子力事業における損失発生の概要と対応策に関する発表を行った。米原発事業で7125億円の損失を計上し、最終損益は4999億円の赤字。「虎の子」である半導体事業を手放す可能性があると述べた。
午後4時から16年度第3四半期の決算を発表する予定だったが、「内部統制の不備を示唆する内部通報と、経営者による『不適切なプレッシャー』の調査・検討が完了していない」として、最大1カ月後に延長。2時間半遅れの午後6時半、報道陣150人超が待つ会議室に、綱川智社長、佐藤良二監査委員会委員長、平田政善専務、畠澤守常務原子力部長が現れた。
東芝は、06年に米原発会社ウエスチングハウスを買収。08年に米国における原発建設プロジェクトに参加した。しかし、工事の遅延や訴訟・コスト負担発生の危惧から、ウエスチングハウスを通じて15年末に原発建設会社S&W(現WECTEC)を買収した。しかし買収後に、買収時に認識されていなかったコストが判明し、7125億円にのぼる巨額損失となった。
●「原発の戦略的選択肢」「メモリ事業売却」
12月末時点の株主資本はマイナス1912億円と、負債が資産を上回る債務超過に転落する。資本対策として打ち出された方針は、「海外原子力事業の戦略的選択肢」と「メモリ事業のマジョリティー譲渡を含む外部資本導入」の検討だった。
「海外原子力事業は、燃料・サービス部分では収益を上げている。今後は土木建築部分のリスクは負担せず、機器供給やエンジニアリングに特化。15年から30年までに45基の受注を目指していたが、台数や金額は減る見通し。ウエスチングハウスの持ち株比率を下げていくこともありうる」(綱川社長)
東芝のメモリ(半導体)事業は、同社の業績をけん引する分野だが、3月末に100%子会社化し、外部資本の導入も視野に入れると発表している。これまでは「外部資本の受け入れは20%未満」としていたが、姿勢の大きな変更を迫られた。
「分社化するメモリ事業は、マジョリティー(株式の過半数取得)キープはこだわらない。マイノリティーになったとしても、外部資本導入を検討し、柔軟な体制で進めていく。既にいろいろなところからオファーをいただいている。(100%の売却はあり得るかと問われて)全ての可能性はある」(綱川社長)
今後東芝は、社会インフラ、エネルギー、電子デバイス・ICTソリューションを軸に事業を展開するという。しかし、「虎の子」の半導体事業を手放す可能性や、柱と育てようとしていた原発事業の不調はあまりに痛い。
「振り返って、どこが今回の巨額損失に至るポイントだったか?」記者に問われた綱川社長は、「今から見ると、ウエスチングハウスの買収が原因だったと言えなくもない」と重く答えた。
なお、内部統制の不備を示唆する内部通報や、買収に関する「不適切なプレッシャー」については、「調査中」としてコメントをしなかった。
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