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東芝本社が入る浜松町ビルディング=東京都港区芝浦(撮影・斎藤浩一)(写真:産経新聞)
東芝のお粗末な誤算 ガバナンス欠如で損失雪だるま 再生は前途険しく…
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170211-00000511-san-bus_all
産経新聞 2/13(月) 10:15配信
米国の原発事業で巨額の損失を出すことになった東芝が、14日の決算会見で損失額とともに損失原因を明らかにする。会見では、損失が膨らんだ詳しい経緯だけでなく、背景にあった経営判断の甘さやガバナンス(企業統治)の欠如にも言及することになりそうだ。同社は、すでに原発事業を見直す方針を打ち出しているが、経営のあり方を抜本的に変えない限り、立て直しは難しい。
東芝が巨額の損失を抱えることになったのは、米原発子会社のウェスチングハウス・エレクトリック(WH)が2015年末に原発建設会社、米CB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)を買収したためだ。当初、買収価格と実際の企業価値との差額を示す「のれん代」は、8700万ドル(約105億円)と見積られていた。だが買収後に精査してみると、米国で受注した原発の建設工事が遅れたことで、人件費などのコストが膨らんだことから、実際の価値は大幅に下回っていた。その結果、損失は数千億円に膨らむ見通しとなった。
WHやS&Wが米国の原発建設を請け負ったのは08年だが、米政府の安全規制が強化されて設計変更などが必要となり、スケジュールが大幅に狂った。しかもWHは、電力会社やS&Wの親会社である米CB&Iと、遅延によるコスト負担をめぐりトラブルになってしまった。
そこでWHは、CB&IからS&Wを買収し、建設を含め自ら管理する一方、電力会社などとのトラブルを一挙に解決し、損失が拡大するのを食い止めようとした。
だが、それでも工事は遅れ、コストは増え続けた。WHは買収の際に、追加コストが発生すれば自ら引き受ける取り決めを電力会社側と交わしていた。このため、買収しなければ回避できた損失まで背負い込むハメになってしまった。損失拡大を防ぐための買収が、完全に裏目となった格好だ。
東芝は「新たなコストの発生は想定外だった」と説明する。
しかし、米国の安全規制強化は11年の東京電力福島第一原発事故を受けて行われたものだ。しかも、規制強化は世界的な動きになっており、他の日系原発メーカー関係者は「買収を決めた時点で工事がさらに遅れ、費用がかさむ可能性は十分に予見できたはず」と首をかしげる。
WHは以前から不安定な経営が続いていた。経営改善を急ぐあまり、リスクをとりすぎた可能性もある。
一方で、損失の背景としては、東芝経営陣のWHに対するガバナンスの欠如も指摘される。
東芝の綱川智社長は、巨額損失の存在を明らかにした昨年12月27日の会見で、「コストを見積もったのが10月初め。資料を再びチェックして報告したのが12月初め。私は今月半ばに報告を受けた」と述べた。「WHのチェック時期が遅かったと思う」とも語った。
だが、WHは東芝が約87%を出資するレッキとした子会社だ。経営に目を配るのは当然で、遅かったでは済まされない。
WHのダニー・ロデリック社長は、12年の就任前に日立と米ゼネラル・エレクトリック(GE)の合弁会社で副社長を務めた経験があり、原発ビジネスを知り尽くしている。不正会計への対応に忙殺されていた東芝経営陣が、「プロ」であるロデリック社長に経営を任せきっていたことが、把握の遅れにつながった可能性も否めない。
「エネルギー(分野)の最注力領域としてきたが、位置づけを変えていく」
綱川社長は1月27日の会見で原発事業についてそう語り、縮小も視野に入れていることを明らかにした。国内では今後、安定した利益を稼げる再稼働やメンテナンス、廃炉の関連で収益を確保。海外は、損失の原因となった建設から撤退することを検討するほか、新規受注についても「考え直す」とした。
ただ、今後も技術を維持し続け、国内で廃炉や再稼働をこなすには、海外でコンスタントに受注を積み重ねていく必要がある。一方で、WHを売却しようにも「買い手はいない」(証券アナリスト)。今後、効果的な施策をどれだけとれるかは不透明で、半導体事業の分社化と一部売却などで債務超過を回避できたととしても、前途が険しいことに変わりはない。(経済本部 井田通人)
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