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生活保護のリアル〜私たちの明日は? みわよしこ
【第79回】 2017年2月10日 みわよしこ [フリーランス・ライター]
「生活保護なめんな」ジャンパーだけじゃない
小田原市の福祉不毛地帯ぶり
「保護なめんな」は氷山の一角?
「またか」と悪評高い小田原市の実態
小田原市の「保護なめんな」ジャンパー問題。生活保護だけではなく、同市の「福祉不毛地帯」ぶりは以前から問題視されていた。その実態とは?
2017年1月17日に明らかになった、小田原市「保護なめんな」ジャンパー問題は、3週間が経過した現在も話題になり続けている。
これは、神奈川県小田原市の生活保護担当職員が、ローマ字および英文で「保護なめんな」「我々は正義だ」「(不正受給しようとする人々に)あえて言おう。クズであると」などと書かれた揃いのジャンパーを着て、生活保護受給者の自宅への訪問を含む業務を行っていたというものだ(参照:現代ビジネス/大西連氏記事『「生活保護なめんな」ジャンパーが冒涜したもの』)。
その後、「ジャンパーは2007年からつくられていた」「当初は福祉事務所内だけで着用するつもりだった」「夏向けにTシャツもあった」「携帯ストラップもマグカップも」といった事実も明らかにされている。
翌1月18日、社会運動家の稲葉剛氏は、小田原市ホームページにあった生活保護制度の解説が誤っており、利用できない可能性ばかりが列挙されていて、違法性が高いことを自身のブログで指摘した。小田原市は、問題のあった記述を同日中に修正した。
小田原市役所の「生活保護における不適切な行為についてのお詫び」のページ 拡大画像表示
翌週の1月24日には、生活保護問題対策全国会議のメンバーら7名が小田原市役所を訪問し、事前に送付していた公開質問状に基づく申し入れと意見交換を行った(参照:ハフィントンポスト/雨宮処凛氏記事)。小田原市は、ホームページに「お詫び」を掲載した。また、1月24日の記者会見で、第三者も含めた検証・不足していたケースワーカーの増員を行う考えを明らかにした(参照:日経新聞記事)。
検証委員会には、生活保護を必要とする人々の権利擁護に取り組んできた弁護士・森川清氏、および生活保護受給経験を持つ和久井みちる氏(参照記事)が参加する予定である(生活保護問題対策会議による)。当事者目線・当事者経験を持つ人々による生活保護制度運用の検証には、大いに期待できそうだ。
それにしても、正直なところ「また?」という印象だった。小田原市に限らず全国で、生活保護の申請に行った人々や、生活保護を受給している人々から、「生活保護ケースワーカーや相談員に困らされ、泣かされ、屈辱を味わわされている」という話を、私はあまりにも度々耳にしているからだ。年に最低2回と定められている訪問調査のときに土足で上がりこまれたとか、ズカズカと屋内に入り込まれて冷蔵庫やタンスを勝手に開けられたとか、精神の不調を抱えている人が気絶するまで罵倒を続けたとか……。
小田原市ジャンパー問題が明るみに出た頃、私の周辺ではそういう事例が同時多発的に持ち上がっていた。小田原市に行く時間を取れなかった私は、近所のスーパーでスイーツのデコレーションに使うチョコペンを購入し、毎日、おやつのクッキーや饅頭に「生活保護」と書き、「ナメたら甘い生活保護」を味わって一息ついていた。「保護なめんな」というジャンパーの文言へのささやかな抵抗だ。
それにしても、小田原市の問題点は生活保護だけなのだろうか。生活保護で何か問題が起こる自治体は、福祉全般に問題を抱えていることが多い。そこで、神奈川県内・小田原市の近くにある精神科病院で、長年ソーシャルワーカーとして働く友人のカオル(47)に「小田原市って、どう?」と尋ねてみた。
あまりにも不親切な小田原市
ホームページの障害福祉情報
カオルは「あの『保護なめんな』ジャンパーの報道を見たとき、『ああ、小田原だからなあ』と思ったよ」と、話を切り出した。
「小田原市は、いわゆる“福祉不毛地帯”なんだよ。入院している患者さんの住所が小田原市だとわかると、『ああ、残念だなあ』と思うよ。障害福祉も児童福祉もとにかく福祉が貧弱だから、退院してからが大変。実際、暮らしていけなくて、病状が悪化して、またすぐ入院しなきゃいけなかったりすることもあるし」
その患者さんは、入院する前も「健康で文化的」と言える生活はできていなかったのだろう。しかし入院は、病院のスタッフの支援のもと、普段の生活を立て直すきっかけともなり得る。退院後の病状を安定させるためにも、何か異変や不調を感じたら気軽に医療機関を受診できることや、ヘルパー派遣などの支援を受けられることは重要だ。
しかし、「でも小田原市は本当に、あれもない、これもないという、使えない感じなんだよ」とカオルは言う。そこで私は、改めて小田原市のホームページを確認してみた。
まず、「障害者支援」ページを見てみると、障害者福祉に関する各種メニューが列挙されているだけだ。誰が何を利用できるのか、さっぱりわからない。それでもメゲずに、目を皿のようにして「障害者支援」ページを見てみると、下の方に「障害福祉サービスについて」とある。ここを見れば良さそうだ。
小田原市役所の障害者支援のページ 拡大画像表示
ところがクリックしてみると、「利用するまでの流れについては、厚生労働省監修のパンフレット(略)ご覧ください」「利用を希望される場合は、まず、障がい福祉課または相談支援事業者にご相談ください」と淡々と書かれているだけだ。
「困ったときに頼ってほしい」と思っているのなら、情報提供ページをこんなつくりにはしないだろう。もしかすると、「ご相談」に行かざるを得ないようにウェブページをつくっておき、うかうか1人で「ご相談」に来た障害者や家族を、聞き取りや対話の中で、利用を断念せざるを得ない状況に追い込もうということなのかもしれない。
小田原市が実際にはそうではないことを願いたいが、生活保護で「水際作戦」として知られる利用抑制・申請妨害は、障害者福祉にもある。周囲には経験者が少なからずいるし、私自身も経験した。少なくとも、このウェブページのつくりから、「小田原市では、障害福祉の“水際作戦““硫黄島作戦“はなさそうだ」と確信することはできない。
神奈川県内で堂々のブービー賞
「20万都市」精神保健福祉の貧しさ
さて、精神障害者福祉に関する情報はどこだろうか。探しに探してやっと、「精神保健福祉ガイドブック」を発見できた。精神障害だけなら、このガイドブックで必要な情報が得られるかもしれない。でも重複障害の場合はどうか。まず、どこに相談に行けばいいのだろうか。
小田原市役所の障害福祉サービスについてのページ 拡大画像表示
昨日まで障害者でも障害者家族でもなかった人々が、このどこまでも不親切な小田原市ホームページから、必要な障害者福祉情報にたどり着けるとは、とても思えない。
では、小田原市の精神保健福祉は、実際のところどうなのだろうか。地域で生活する精神障害者の生活や病状の安定は、不調のときに病院に行くことができるかどうかで、大きく左右される。このため、貧困状態でも通院できるように、様々な助成制度が設けられている。精神疾患による通院であれば、国の制度である「自立支援医療」による医療費助成が受けられる。
しかし、精神障害者が必要とする医療は、精神科だけで事足りるわけではない。虫歯にもなれば、インフルエンザにも罹る。精神障害者の精神疾患以外の病気をカバーするため、「重度障害者医療費助成制度」が存在し、都道府県単位で実施されている。ところが地域によっては、同じ障害でも適用対象となったりならなかったりするのだ。なんと東京都では、精神障害者が対象とされていない(参照:筆者記事)。
では、神奈川県内の各市区町村ではどうなっているのだろうか。
「いい医療.com」の「重度障害者医療費助成制度 市町村別一覧」を見てみると、市町村によって大きな差がある。まず神奈川県基準では、精神障害者保健福祉手帳1級(以下、精神障害1級)では通院のみ対象、精神障害2級では対象とならない。各自治体は、独自の判断で県基準の一部負担金をなくしたり、対象者を拡大したりするなど若干は充実させている。
この内容を整理したのが以下の表だ。神奈川県基準よりも充実している部分を黄色で示し、「幸福の黄色いセル」が多い市町村を左側に、少ない市町村を右側に配置した。
拡大画像表示
並べて眺めてみると、精神障害者に対する医療費助成の充実ぶりには、若干は自治体の財政的体力が関係しているようだ。とはいえ、「自治体が豊かなら、精神障害者福祉も豊か」と言い切れるほど明確な関係性は見えない。財政体力の問題というよりは、取り組み姿勢が表れている観がある。小田原市は全12ランクのうち、充実している方から11ランク目、堂々のブービー賞だ。
県の基準に違反してはいないが……。
市町村裁量の「充実度」はほぼゼロ
小田原市の精神障害者は、障害等級が1級なら精神疾患以外の病気でも通院だけは無料になる。しかし入院まではカバーされない。2級なら、通院を含めて精神疾患以外の病気に対する医療費助成が存在しない状態だ。また、在宅重度障害者等手当(年間6万円)も、小田原市の場合、精神障害だけでは対象にならない。重度身体障害との重複、重度知的障害との重複、身体+知的+精神の重複障害でないと対象にならないのだ。
この現状にカオルは怒る。
「小田原市は、市町村裁量の部分がゼロに近いだけ。神奈川県の基準に違反しているわけではないんだけどさ、小さい町ならともかく小田原市レベルの中都市では、あ・り・え・ない! だよ」
その現状は、どのような問題をもたらすだろうか。「小田原市では、入院が必要な人が入院できなかったりするんだよ。児童福祉も障害福祉も貧弱すぎ、社会資源が足りなさすぎるから」とカオルは言うが、どういうことだろうか。
全体が「残念」な小田原市の福祉
何もかもが機能していないのか?
「小田原市は、障害があっても障害者手帳を持ってないとか、障害者手帳を持っててもヘルパー派遣などの支援を受けるための『障害支援区分』の認定を受けてないので利用できる制度がないとか、認定を受けてても期限が切れたままそれっきりとか、本当によくあるんだ。生活全般に支援が必要なお宅でも、支援を受けるために必要な前提となるものがないわけ」(カオル)
それでは、生活が成り立たないではないか。
「精神障害などの障害があっても、ヘルパーさんに家事援助に入ってもらったり、相談支援(介護保険のケアマネに該当)の担当者に日常の金銭管理の相談に乗ってもらったりしていれば、それなりに暮らせるはずなんだよ。でも、病院に来た小田原市の患者さんが日常生活に困ってるから聞いてみたら、相談支援の担当者もいない状態でね。小田原市の福祉課に電話で問い合わせてみたら、福祉課はその患者さんの状況を把握してなかった」(カオル)
その家庭に子どもがいたら、いったいどうなるのだろうか。
「もし、生活全体に支援が必要な家庭で、血縁者の協力が得られない状況だったら、親の病状が悪化したら、すぐ、子どもの生活全体に影響が出るからね。でも、障害者福祉と児童福祉とか他部署との連携、小田原市の場合は、こちらが言って初めてやってくれる感じ」(カオル)
障害者福祉、児童福祉、生活保護。もちろん、小田原市にも、それぞれを担当する部署がある。県の児童相談所もある。でも、カオルによれば、小田原市役所内の連携は全くスムーズではないし、そもそも福祉に使える資源の総量が不足している感じだ。
「結局、社会資源があまりにも足りないと、ちょっとやそっとの周囲のフォローがあっても、どうにもならないね」(カオル)
そうは言っても、地域には民生委員がいるだろう。困難を抱えた家庭や人々のSOSを何らかの形で行政に届ける方法は、ありそうな気がする。民生委員も福祉職員も含めて、小田原市では何もかも機能していないのだろうか。
「でもさ、『支援が必要だ』と発信する能力の低い世帯には、自治体福祉のシステムは介入できないからね。そこに介入するのが福祉課だと思うけど、そういうシステムになってないから、現場を責める気はしない。それに、行政のヒューマン・リソースも足りてないんじゃないかな」(カオル)
問題は人員の不足ではなく
「気持ち」にあるのでは?
ジャンパー問題で、小田原市の生活保護ケースワーカーは若干不足していることが明らかになった。でも、それほど大きな不足ではない。問題は、人数ではないどこかにありそうだ。
「まだ、小田原市の生活保護担当とやりとりしたことはないけど、あのジャンパー着てた時点で『全体が残念な役所なんだろうな』と思った。障害者福祉が脆弱ってことは、もちろん生活保護とも連動するはずだからさ」(カオル)
本連載の著者・みわよしこさんの書籍「生活保護リアル」(日本評論社)が好評発売中
今、お住まいの自治体の福祉サービスを利用していないあなたが、明日障害者にならないという保障はない。そのときに初めて、「この地域では生きていけない」と気づいたら大変すぎる。もしも同時に生活保護を必要とする状態になったら、他自治体への転居も簡単にはできない。
「自治体によって、『障害福祉は悪くないけど生活保護はイマイチ』とか、その逆とか、色々あるね。小さすぎる自治体で福祉が貧弱になるのは、内情を考えると無理もないし、担当者の当たり外れもあるし。でも公務員だったら、せめて最低レベルはクリアして欲しいよ」とカオルは言う。私も同感だ。どこに住んでも「大ハズレ」だけは引かないという安心は、私も欲しい。「そんな安心、別に欲しくない」という人はいないだろう。
「保護なめんな」ジャンパーで話題になり、反省と方針転換を迫られている小田原市の福祉の今後に、「期待しすぎないように」と自分に言い聞かせながら、少しだけ期待したい。
http://diamond.jp/articles/-/117428
一流の育て方
【第36回】 2017年2月10日 ミセス・パンプキン
中途半端に勉強だけできる人が、二流なワケ
勉強だけでなく、仕事でも活躍する子は、こんな勉強をしている
将来、子供に感謝される「育て方」とはどのようなものか?約200人の「リーダーシップ溢れる学生」および、各界で活躍するビジネスリーダーたちが「親に最も感謝している教育方針」を徹底的に調査した『一流の育て方?ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』。本書は短期間で20万部の大ベストセラーとなっており、育児書としてだけでなく、子供がいないビジネスパーソンにも「主体性・リーダーシップの育み方」として絶大な支持を得ている。
今回から、著者であるミセス・パンプキン氏が、本書や数々の講演会で伝えている「自分の価値観で、自己実現できる人の育て方」のエッセンスを公開していく。
偏差値至上主義を超える「新しい育て方」
『一流の育て方』というタイトルで、この本は子供を東大・京大などのエリート校に入れ、外資系企業や大企業で活躍するビジネスエリート養成本だという誤解を受けることが多々あります。
?しかし実際は、「旧来のような偏差値エリートに育てる教育が、いかに不幸の元凶か」という「新しい育て方」を論じた本だということが、本書が半年で20万部もの支持を受けることができた一因だと思っております。
?まずは、本書にも編纂されています、「エリート大学生自身が語る、偏差値エリート教育の無意味さ」に関するアンケートを紹介したいと思います。
勉強至上主義で育てない──勉強ができても偉くはない
【アンケート結果】
●勉強ができるくらいでは偉くない
?私の両親は勉強については一切口を出さず、人間性や教養の教育を重視していました。そのせいか、私は「勉強ができることは偉い」という感覚はあまりありません。実際、勉強をして得をするのは他ならぬ自分だし、勉強するだけでアウトプットがなければ、他人に何か大きく貢献しているわけではないと今でも考えています。
?私は、子どもに「勉強ができることは偉い」「素晴らしい」と言うのは不適切だと思います。子どもが、勉強ができる自分は偉いと勘違いしかねないからです。勉強して得た知識や立場を自分の欲望のために使うのは個人の自由であり責められることではありませんが、ほめられることでもありません。(東京大学大学院情報理工学系研究科Tさん)
●勉強は「しなければならないもの」ではなく「できたらいいもの」
?私は高校卒業まで両親から勉強に関し、干渉されたことがない。また、成績がよかったときはほめてくれたが、成績が悪くても特に怒られることはなかった。したがって勉強を両親のためにしているように思ったことはなく、すべて自分のためだと納得して取り組むことができた。そして、勉強は「しなければならないもの」ではなく「できたらいいもの」と教えてくれた両親に大変感謝している。(京都大学経済学部Fさん)
学力をほめすぎると勘違いした大人になる
?学力至上主義で子供を育てると、テストの偏差値や成績でしか人と自分を評価できない、偏狭な人間に転落してしまいます。
?私が親しくさせていただいているある小学校の校長先生が、「子どもの道徳教育は、親と一緒にしないとどうにもならない」とよく仰っておられました。小学生の子を持つ親が偏差値で人を評価したり成績至上主義者だと、たいがい子どももそうだというのです。
?そういえば、私が4人の子どもを通わせた塾では、どの年も、成績がよいことで天下を取った気分でいるような親子が、必ず数組はいたものです。たかだか中学受験の成績で一生が保証されるわけでもないのに、人を見下げるような言動をし、しかも本人たちは気づきもしません。
?世の中には、学歴がなくても社会で役立つ働きをしている立派な人はいっぱいいますし、学歴が高くても社会に貢献らしい貢献をしていない方もたくさんいるものです。
?芸術やスポーツで社会に貢献している人たちなども含めれば、単純に塾や学校のテストの成績を人と比べて有頂天になること自体、恥ずかしくてできることではありません。
?もし親が良識と柔軟な価値観を持ち、謙虚な人であれば、その子どもが横柄な態度になるはずがないと思うのです。成績はよくても、表情が豊かでなく、社交性に欠け、挨拶もまともにできないお子さんがおられます。そのうち壁にぶつかって、ちょっと成績がいいくらいでは社会で通用しないことに気づけばいいのですが、悲しいことにいつまでも気づかない大人も大勢います。
?本当の意味で優秀な人は、人格自体が素晴らしいものです。なにげない立ち居振る舞いや言動に他者への思いやりがあふれ、謙虚さがにじみ出ています。
?これに対し、中途半端に優秀な人ほど、上から目線だったり威張る傾向があり、専門分野の知識は多くても、人間的には二流だったりするものです。
?一流の人は威張る必要がなく、謙虚なのにオーラがあり、周囲から尊敬を集める存在になっていきます。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」(優秀な人ほど謙虚になる)という言葉がありますが、そんな稲穂のような子どもを育てるには、親が持つ価値観や道徳観が大事です。
?テストの得点を上げることだけが至上命題のような育て方は、出身校の偏差値だけが自尊心の源という小さな人間を育てます。そしてテストや学校の偏差値でしか他人を判断できないという、視野の狭い、つまらない大人を生み出してしまうのです。
?勿論勉強ができることは素晴らしいことですが、「勉強できるから偉い」ではなく、勉強は「できたらいいもの」、ただし、「勉強ができるだけでは大したことがない」と、「学力の褒め方」にも十分注意を払わなければならないのです。
(※本原稿は『一流の育て方』から編集して掲載しています)
http://diamond.jp/articles/-/116532
中曽副総裁、日銀の金融緩和は為替目的ではない 各国も理解
[高知市 9日 ロイター] - 日銀の中曽宏副総裁は9日、高知市内で会見し、トランプ米大統領による円安誘導批判の背景に日銀の大規模な金融緩和があるとの見方について、日銀の金融政策は為替を目的にしておらず、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の声明に沿ったものと各国から理解が得られている、と反論した。
中曽副総裁は、トランプ氏による円安誘導批判への見解を問われ、日銀の金融政策は「あくまで2%の物価安定目標の早期実現だけが目的であり、為替相場を目的にしていない」と強調。
G20声明で金融政策について「中央銀行のマンデートと整合的に経済活動を支える」と明記されていることに触れ、「日銀の金融政策が声明の趣旨に完全に沿ったものであるとの各国当局の理解は、十分に得られている」との認識を示した。
トランプ氏は保護主義的な発言に関しては「国際社会では自由貿易の重要性が共有されている」とし、各国の相互依存関係が強まっている中で「保護主義的な動きが世界的に進むとは考えていない」と指摘。
同氏が金融規制改革法(ドッド・フランク法)を見直すための大統領令に署名したことには「米国の金融規制の見直しは邦銀の経営、企業のビジネス、グローバルな金融システムに影響が及び得る。帰すうを十分に注意したい」と述べた。
世界的に金利上昇圧力が強まる中、日銀は国債買い入れの増額や指し値オペを実施するなど長期金利の抑制に懸命だ。
国債買い入れオペについて「金額・タイミング・回数は需給環境や市場動向を踏まえて実務的に決定している」とし、「特定の金利水準やレンジを念頭においてはいない」と指摘。オペ運営によって「先行きの政策スタンスを示すことはない」と述べた。
足元の経済・物価・金融情勢を踏まえれば「現在のイールドカーブは適切」との見解も示した。
午前の講演では、現行「ゼロ%程度」としている長期金利目標の引き上げに否定的な考えを示したが、イールドカーブ・コントロール(YCC)のもとでは「経済や物価に対する見方が改善した場合、それに見合って長期金利目標を引き上げても、金融緩和度合いを減じることにはならない」と語った。
もっとも、「2%の物価安定目標になお距離がある」とし、目標の早期達成には「現在の金融市場調節方針のもとで、強力な金融緩和を推進していく」と強調。「使命達成のために必要・十分な国債買い入れを今後も継続していく」とも述べた。
(伊藤純夫 編集:吉瀬邦彦)
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