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年金はもう減らされている。物価下落を理由に4月から支給額を減額
http://www.mag2.com/p/news/237789
2017.02.08 『年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座』 まぐまぐニュース
年金額が物価変動率に合わせて上下することをご存知でしょうか。しかも、65歳以上の勤労者の年金額がさらに減額になる可能性があるというから驚きです。今回の無料メルマガ『年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座』では、著者で年金アドバイザーのhirokiさんが、いつものように事例を挙げながら、その仕組についてわかりやすく解説しています。
■平成29年度年金額「減額」とは別に、65歳以上の勤労者の年金額が更に減額になる場合が出てくる
年金アドバイザーのhirokiです! この間の厚生労働省発表で、前年の物価が0.1%下がり、賃金(名目手取り賃金変動率)は1.1%下がりました。これにより、平成29年度年金額は物価変動率に合わせて0.1%下がる事になりました。
● 平成29年度年金額が0.1%減額!一体何が起こったのか?(参考メルマガ記事)
さてそんな中、65歳以上の勤労者の今受給している老齢厚生年金(報酬比例部分)も、今回の物価変動率による減額と合わせて更に減額になる場合も出てきました。65歳以上で厚生年金に加入しているとか、70歳以上で厚生年金には加入してないが、厚生年金の適用事業所で厚生年金に加入できるくらいの働き方をしている人が関係してきます。「給与月額」と「直近一年間の賞与額の合計を12で割った額」と「老齢厚生年金月額」の合計が、47万円を超えると年金がカットされる在職老齢年金が適用されます。
ちなみに、給与(標準報酬月額)と直近一年間の賞与額(標準賞与額)の合計を12で割った額の合計を総報酬月額相当額と言います。
● 標準報酬月額表等(日本年金機構)
● 標準報酬月額とか標準賞与額って何?(参考メルマガ記事)
だから47万円以内に抑えて働けば年金がカットされる事は無かったんですが、平成29年度からはこの47万円が46万円に下がるから今までの働き方だと今受け取っている年金額がカットされるようになる、またはより一層下がる場合が出てくるってわけです。この47万円とか46万円を支給停止調整額と言います。
とりあえず事例。
1.昭和24年2月3日生まれの男性(今月68歳)
● 昭和生まれのあの人は今何歳?ネタにも使える「年齢早当て裏ワザ」(参考記事)
ア.老齢厚生年金(報酬比例部分)132万円0(月額11万円)と老齢基礎年金78万100円(月額6万5,008円)貰いながら厚生年金に加入。
イ.給与(標準報酬月額)は30万円。
ウ.直近一年間の賞与(標準賞与額)は、平成28年7月に36万円、平成28年12月に36万円。
賞与を合算して72万円にした後に、12で割って月額換算すると6万円。
よって、この男性の総報酬月額相当額は給与30万円と、月額換算した賞与6万円を合わせて36万円。
老齢厚生年金月額は11万円。
よって36万円+11万円≦47万円に納まるから老齢厚生年金のカットは無し。
しかし、平成29年度からは47万円が46万円になります。
どうなるのか。
{(総報酬月額相当額36万円+老齢厚生年金月額11万円−支給停止調整額46万円)÷2}=5,000円←月の年金停止額。
だから、今もらっている老齢厚生年金月額が11万円から10万5,000円に減るという事。
今年4月分の年金から支給停止調整額が47万円から46万円に変わるので、実際の年金振込額に変化があるのは6月15日振込分から。
なお、仮にこの男性が今年7月に賞与が支払われないとすれば、直近一年間の賞与から平成28年7月に貰った賞与が計算から外れる為に年金額が変わる。
例えば、今年7月の賞与支払い無しだった場合。
給与30万円で、直近一年間に貰った賞与の合計を12で割った額(平成28年12月に貰った賞与36万円÷12)が3万円になり、老齢厚生年金月額11万円と合計すると44万円になります。
つまり、44万円<46万円となるので年金のカットは7月分からは行われなくなるというわけです。
7月分から年金額が変わるから8月15日年金振込分から変わってくる。
ところで、なぜ平成29年度は支給停止調整額が47万円から46万円に下がったのか。
これも、物価変動とかに影響するんですね〜(^^;;
支給停止調整額の計算式は以下になります。
「48万円×平成17年度以降の名目賃金変動率」
名目賃金変動率の内訳は、前年度物価変動率×実質賃金変動率(平成25年度〜平成27年度の平均)となります。
参考までに前年度の支給停止調整額を計算すると、
48万円×1.003(平成17年度)×0.996(平成18年度)×1.002(平成19年度)×0.998(平成20年度)×1.011(平成21年度)×0.976(平成22年度)×0.980(平成23年度)×0.986(平成24年度)×0.996(平成25年度)×1.005(平成26年度)×1.025(平成27年度)×1.000(平成28年度)=46万9,087円(5,000円未満端数切り捨て、5,000円以上1万円未満の端数切り上げ)≒47万円
しかし、この間の厚生労働省発表の最新の物価変動率が0.1%下がり、実質賃金変動率が0.8%下がりました。つまり、物価変動率は0.999で、実質賃金変動率は0.992って事。という事は名目賃金変動率は物価変動率0.999×実質賃金変動率0.992=0.991となります。よって、平成29年度支給停止調整額は、上記の46万9,087円×平成29年度名目賃金変動率0.991=46万4,865円。
5,000円未満は切り捨てるから、46万円になったわけです。
まあ…年金はいろいろ物価や賃金の変動に毎年影響するわけですね(^^;; これから経済が良くなっていけばいいんですが…。
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『年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座』
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年金は国民全員にとってとても身近なものであるにもかかわらず、なかなかわかりづらくてなんだか難しそうなイメージではありますが、老齢年金・遺族年金・障害年金、その他年金に関する知っておくべき周辺知識をご紹介します!
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