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遠すぎた日経2万円&1ドル120円。「暴落注意デー」の2/13に備えよ=長谷川雅一
http://www.mag2.com/p/money/32887
2017年2月7日 MONEY VOICE
僕は、日米首脳会談は日本にとって厳しいものとなり、円高・株安の流れが加速すると予想しています。今の状況では1ドル120円以上の円安も日経平均2万円も「ない」でしょう。(『長谷川雅一のハッピーライフマガジン』2017/2/6号より)
プロフィール:長谷川雅一(はせがわまさかず)
1959年、岐阜県生まれ。株式会社プレコオンライン(金融商品取引業)代表取締役社長。2000年より株式投資の研究を始め、日本で初めて「株の自動売買」という言葉を使った著書を出版。株式投資の世界では、「株の自動売買」ブームの火付け役として知られている。現在は、自動売買ソフトの開発、投資教室、メルマガの執筆など、多忙な日々を送っている。
1ドル120円の円安も日経平均2万円も「ない」厳しい冬が続く
■トランプは必ず日本の金融政策をやり玉に挙げる
2月10日に、日米首脳会談が行われます。これに先駆けて、トランプ大統領は、「日本は何年も円安誘導をやってきた」と日本を名指しで批判しました。
これに対して日本政府は、「そもそも為替介入はやっていない(身に覚えがない)。もしも金融政策のことを言っているのなら、各国の了承のもとにやっているし、円安誘導ではない」などと反論していますが、相手はトランプです。いくら正論を述べてもムダです。
来る10日の日米首脳会談で、トランプ大統領は、おそらく(ほぼ100%)日本の金融緩和を「円安誘導」と決めつけて厳しく批判し、「これはアンフェア(不公平)だ。やめろ」と言うに違いありません。
■トランプは一歩も引かない
今回、日本政府は、いろいろな「貢ぎ物」を持ってアメリカに赴くようです。不自然なまでにアメリカに対して低姿勢な日本政府は、トランプの「金融緩和=為替操作だ」とする批判に、どう対応するつもりでしょうか。
さすがに、「ごめんなさい。即刻、金融緩和はやめます」と言うこともできないでしょう。かといって、「これは為替操作ではありません。今後も続けます」と開き直ることもできそうにありません。
おそらくは、「金融緩和は続けさせていただきますが、代わりに『コレ』で何とかご勘弁を」と、用意した貢ぎ物で、お許しを請う形になるでしょう。
しかし、トランプ氏は、「ふむふむ。貢ぎ物はもらっておこう。しかし為替操作はまた別の話だ」と、納得しないに決まっています。
為替相場が円高方向に動くよう、日本が何か具体的な行動をとるまで、トランプは一歩も引かないでしょう。
安倍総理は「ゴルフ外交」で、トランプ大統領と仲良しになって、勘弁してもらおうとするのでしょうか?
これについても、彼は、「ゴルフはゴルフ。交渉は交渉」と線を引くでしょう。安倍総理がいくら、ごまをすりすり「よいしょ」してもムダです。
■2月13日(月)に暴落が起きる?
トランプ大統領のお許しが出ない限り、マーケットには、「日本の金融緩和は、今まで通り継続できないかもしれない」というムードが漂います。
また、そういった「ムード」がある限り、「ドル買いのポジションは、積極的には持てないよね」ということになり、円安が抑制され、為替相場は円高に進みやすくなります。
すでに、10日の首脳会談を控えた今(6日の時点で)、相場には円高圧力がかかっていますが、10日にトランプ氏がハッキリと日本の金融緩和を批判すれば、一気に円高が進む可能性があります。
その場合、週明けの2月13日(月)に、米ドル/円が1ドル=110円付近まで下落する(円高になる)可能性があります。そうなれば、日経平均も18,500円付近までは下落するでしょう。
もちろん、首脳会談がうまく行って、「安倍、トランプが微笑みながら握手」となれば、逆に、2月13日(月)は、円安、株高になるでしょうが、そうなる可能性は低いと見ています。
僕は、日米首脳会談は日本にとって厳しいものとなり、10日以降「円高・株安」の流れが加速するだろう、と予想しています。なぜなら「為替の円高誘導」こそが、首脳会談における、トランプ大統領の大きな目的であり、重要なテーマだからです。
■為替は1ドル=105円以下に向かっている
為替の水準について言えば、たびたび本メルマガで述べているように、110円は「通過点」であり、さらなる円高がありえると考えています。
前回も書いたように、アメリカが(トランプが)嬉しいのは「1ドル=105円以下」です。つまり「日本が困る為替水準」を、彼は望んでいるのです。
トランプ大統領は、とにかく「わかりやすい政策」を実行して、「わかりやすい結果」を示したい人です。
貿易赤字にしても、総合的に見たら、そもそも大した問題ではありません。しかし彼は、貿易赤字だけを、ことさらクローズアップして問題にしています。それは、「わかりやすい」からです。
為替も「わかりやすい」指標です。今、1ドル=何円か?誰でも知っています。
今後、為替相場が、1ドル=105円以下になれば、「私の交渉により、為替の水準が『正常化』された」と、トランプは成果を強調するでしょう。
トランプは何が何でも為替(米ドル/円)を、わかりやすい円高水準である、105円以下にしたいのです。
■トランプは本当に政策を実行に移せるか?
為替(米ドル/円)については楽観論もあります。
「トランプ大統領は『減税』と『公共投資』を行うと言っている。これにより、どうしても金利が上昇する。結果として、じりじりと円安が進み120円を超える。皮肉にもトランプの政策により、トランプ自身が望む円高にはならないだろう」という見方です。
これについては、「彼の政策が実行されれば」という仮定が付いています。トランプ政権は、表向きには大統領令の連発で「ハデ」なスタートを切っていますが、閣僚人事が進んでいないなど、政権運営は、かならずしもうまく行っていません。
「減税」の規模や内容も、「公共投資」の規模や内容も、いまだ「わからない」のが現実です。
昨年末の「トランプ相場」は、単なる「期待」で買われたに過ぎませんが、今も「期待しかない」という状況に変わりはないのです。
トランプが政策(公約)を実行に移せるか?勝負は「これから」という状況です。
■本当に国境に壁を作るのか?
トランプの政策について言えば、たとえば、メキシコとの国境に建設されるという「壁」についても、まるで幼児のような発想であり、一国が巨費を投じてやるべき政策であるとは思えません。
壁の建設が本当に「国家プロジェクト」として実行されるのか?僕は疑問視しています。
毎日新聞のサイトによれば、メキシコとアメリカの国境には、メキシコからアメリカに通じるトンネルがあるそうです。
そのトンネルは、不法移民をサポートする「業者」によって掘られたもので、その業者に通行料を払えば、簡単にアメリカに入国できてしまうとのこと。
トンネルの通行料は、トランプ政権になって150ドルから500ドルに「値上げ」されたそうです。不法移民サポート業者は、「国境の壁ができてもトンネルを掘るだけさ」と笑っているとか。
このように、効果のない「壁」に、これから何兆円もかけるのでしょうか?
トランプ氏の政策は、すべてがこの調子で、本当に彼の政策に意義があるのか、本当に実行に移されるのか、疑問です。
また、実行に移されれば、こんどはアメリカの財政赤字が問題になります。アメリカの財政赤字はリスクオフ要因ですから、結局、相場は「円高・株安」に動きやすくなります。
■7,000億円使った指値オペの円安効果はわずか60銭
2月3日、長期金利が上昇したことを受け、日銀が指値で無制限に国債を買う「指値オペ」を実施しました。これに投じられた費用は約7,000億円だったと、テレビ東京(WBS)が報じていました。
指値オペ前に、112.60円だった米ドル/円は、指値オペによって113.20円付近まで、60銭ほど上昇しました。しかし週末の米ドル/円の終値は112.60円付近に戻ってしまいました。
いったい、この指値オペに何の意味があったのでしょうか?日銀が、なんとかして円安に持って行こうとがんばっても、マーケットに「円高」の流れができてしまえば、もう、どうしようもないのです(日銀は、金利の操作であり為替の操作ではないと言うでしょうが、金利もまた戻るでしょう)。
7,000億円を投じても、一時的に60銭、円安方向に動かすのが「やっと」という現実。円高の流れを止めるのは容易ではありません。
■1ドル=120円を超える円安も日経平均の2万円も「ない」
現在、為替はまだ1ドル=113円付近にあります(※編注:本稿執筆時点)。やや円高とは言え、日本の輸出企業が「青くなる」水準ではありませんから、日経平均も19,000円付近で耐えています。
しかし、さらに円高が進み、トランプの思惑通り、1ドル=105円付近までくれば、日経平均も18,000円付近までの下落は避けられないでしょう。いったん相場が大きく売りに傾けば、政府の買い支えも効かなくなります。
僕は、状況に何か大きな変化がない限り、今年の為替相場で1ドル=120円以上の円安は「ない」と予想しています。また、前々号で述べた通り、日経平均の2万円も「ない」でしょう。
■吹き止まぬ「アメリカファースト」という嵐
トランプ大統領就任直後、僕は本メルマガに、「これからはアメリカが株高になっても、日本株は上がらない可能性がある」と書きました。
今日(6日)の相場が、まさにそのパターン。アメリカが186ドル高だったのに、日本株はわずか58円高にとどまりました。
僕はまた、「安倍政権を壊すのは、民進党ではなくトランプかもしれない」とも書きました。
10日の日米首脳会談の結果しだいでは、この日を起点に「安倍政権の崩壊」が始まる可能性があります。今後、安倍政権が揺らげば、これまた「リスクオフ(円高・株安)」要因となります。
春の訪れが待ち遠しい今日この頃ですが、トランプ大統領の「アメリカファースト」という嵐が吹き止まぬ今、相場の世界では、まだまだ「厳しい冬」が続きそうです。
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『長谷川雅一のハッピーライフマガジン』2017/2/6号より一部抜粋
※記事タイトル・太字はMONEY VOICE編集部による
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