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【第3回】 2017年2月7日 リチャード・ドッブス,ジェームズ・マニーカ,ジョナサン・ウーツェル,吉良直人
日本の債務は、世界的タブーではなくなる?
超低金利が定着する未来
資本コストをめぐる未来予測のシナリオ2は、「超低金利が定着する未来」である。世界的に日本のような、政府支出の増加と脆弱な経済成長に悩む国が増えることにより、超低金利を定常化することが許容されるかもしれないという。世界一のコンサルティング・ファーム、マッキンゼー・アンド・カンパニーの経営および世界経済の研究所所属メンバーが発表する刺激的な超長期トレンド予測が詰まった書籍『マッキンゼーが予測する未来――近未来のビジネスは、4つの力に支配されている』のさまざまな分析テーマを抜粋して掲載する。今回は長期金利、資本コストを論じる第7章の第3回。
金利を押し下げる
システムが確立される
?金利の上昇を期待するシナリオには、それに反対し、挑む説が存在する。近年、アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)を筆頭に、世界のいくつもの中央銀行が金利を下げ、これまでは存在しなかったマイナス金利の領域に移行することも厭わず、紙幣を増刷し、通貨流通量を増やしてきている。
?金融の超緩和政策は、近年の不況、世界中に影響を及ぼした金融危機、それに緩慢な景気回復が一時的なものと思えないことから実施されてきた。リーマンショックと呼ばれる金融危機の初めから、アメリカ、イギリス、ユーロ圏諸国、および日本は、合計5兆ドルを超える流動性をそれぞれの国の経済に注入してきた。
?こうした行動によって、破滅的なシナリオが現実に展開することが防がれたのは疑いもないが、この金融政策はまた、金利水準をこれまで試されたことのない領域にまで押し下げた。そして、金利がこうした低水準にかくも長い期間引き止められたために、抜け出すのが困難な新しい慣習が生まれてしまった。つまり、地球上の各国政府には、景気刺激策を赤字財政覚悟で実施し、その赤字を低金利に依存して膨らませていく癖がついてしまった。たとえば、世界中の国の財政赤字の合計額は、2009年に4兆ドル近くとなってピークに達した。
?とはいえ、低金利には支払い金利コストに歯止めをかける効果があった。たとえば、2008会計年度と2012会計年度の間に、アメリカ政府の純金利負担額は2530億ドルから2200億ドルに低下したが、これは13%の低下であり、一方、連邦総債務残高が67%増加したにもかかわらず、金利負担額は減少したのだった。
?歴史的には、拡大金融政策は、低成長期の消費支出の拡大と企業投資を刺激するための一時的な対策にすぎなかった。過去5年間にわたる中央銀行による量的緩和策によって、世界の総GDPの成長が1〜3%の間で促進されたことに、大半の経済アナリストは合意している。しかしながら、中央銀行がどのようにしてこの成果を達成したのかについては、今でも議論が分かれている。消費支出と企業投資に与える超低金利の影響や因果関係が、明確になってはいないからだ。
?たとえば、アメリカでは2013年の個人貯蓄率は、金融危機以前の水準に比べて5ポイント高かったのだが、企業投資は第2次世界大戦後最低の水準を保ったままであった。では、低金利はGDPに刺激を与え、成長させたのだろうか?それと言うよりは、むしろ急激に増大した政府支出と、比較的早期に回復した住宅建設部門が、成長を押し上げた主要因だろうと思われる。
?2007年から2012年の間に、アメリカ、イギリス、ユーロ圏諸国は、政府負債の金利支払いを合計で1兆4000億ドル節約できたおかげで、さらに大きな政府支出を行うことが可能となったのだ。超低金利によって住宅建設部門も、当初考えられたよりも早く回復することができた。
?日本では、超低金利は別に新しい現象ではない。1980年代のバブルと呼ばれた信用拡大ブームの後、民間部門が積極的に借金を減らしてきたのに対し、政府部門は需要と経済活動の低迷に対応するため、大規模な財政赤字を許容し続けてきた。同時に、中央銀行は低金利を継続し、金融緩和によりバランスシートの規模を拡大してきた。
?20年間にわたる低成長と継続的な借金の貨幣化により、日本の財政赤字は2011年に年間10%弱でピークを迎え、日本の債務残高の総額はGDPの240%を超える水準となった。こうした高水準の債務残高に耐えていられるのは、日本の債務のほとんどが国内で保有されているからである。
?しかしながら、日本の人口構造の見通しが意味するところは、日本の抱える負債を伝統的な手法では返済できない可能性が高く、政府負債を将来貨幣化することが必要になるかもしれない。言い換えれば、中央銀行が新たに貨幣を発行し、政府の債務を買い取るのである。
?この問題を抱えているのは、日本だけではないのかもしれない。世界各国の政府が、高齢化に伴う政府支出の増加と脆弱な経済成長に直面し、債務を減少させるために苦闘しており、量的緩和のような金融政策や、恒久的な債務の貨幣化といった慣例から外れた金融政策も、中央銀行や政府からタブー視されなくなるのかもしれない。
?この新しいマクロ経済の領域では、旧来の需要と供給の指標に注目する伝統的な視点だけでは、将来の資本コストを考える十分な指標とは言えないのかもしれない。2014年の春に、標準預金金利をマイナスに設定した欧州中央銀行の動きのように、これから先の何年間も、超低金利こそが普通の状態としてとどまるのかもしれない。
?2013年のIMF白書で、経済学者カルメン・ラインハルトとケネス・ロゴフが論争したように、従来の慣行から外れる金融政策の支援に伴うリスクを、政策決定者たちは過剰に騒ぎ立てず、中央銀行の政策操作方針をあまり制限しないようにする必要があるのかもしれない。
『マッキンゼーが予測する未来』より
http://diamond.jp/articles/-/114971
マッキンゼーが予測する未来
金利の未来――
資本コストが下がり続ける時代よさらば
我々はずいぶん長く日本の低金利政策の中で生きているが、程度の差こそあれ、世界的にも同様の傾向にあった。はたして、このトレンドは断絶するのだろうか。世界一のコンサルティング・ファーム、マッキンゼー・アンド・カンパニーの経営および世界経済の研究所所属メンバーが発表する刺激的な超長期トレンド予測が詰まった書籍『マッキンゼーが予測する未来――近未来のビジネスは、4つの力に支配されている』のさまざまな分析テーマを抜粋して掲載する。今回は長期金利、資本コストを論じる第7章の第1回。
資本コストは
踊り場にさしかかっている
?現在の経済環境で資本コストがもっと高くなるぞと警告しても、モンスーンシーズンの豪雨の中で干ばつの警告を発するようなものだ。金融機関の融資窓口をちょっとのぞいてみれば、金利動向にさしたる問題はないとの答えが返ってくるだろう。私たちの持つ直観にも、そうした期待が織り込まれている。
?30年間下がり続けてきた金利のせいで、資本コストは現在も安く、今後もそうだろうとの期待が生まれた。つまり、部分的には借り入れ能力に後押しされて決まってくる。
?資産価格は、短期的には変動するものの、長期的には上がり続けるはずだ、と私たちのほとんどが信じている。
?実際、アメリカの住宅価格は1968年から2008年の40年間、一度も下がることなく年平均6.4%の上昇を続けてきた。
?ブラジルの人口最大の二つの都市、サンパウロとリオデジャネイロでは、2008年以降、住宅価格は倍以上に上がった。ロンドンの住宅価格も過去30年間、10年ごとに倍増してきた。
?1980年から2013年の間に、実質住宅価格はスウェーデンで55%、フランスで85%、カナダでは130%上昇した。
?弱含みの資本需要(何十年も続いたインフラストラクチャーへの低い投資比率)によると豊かな資本供給(数年続いてきた慣例には従わないマイナス金利などの金融政策による)の組み合わせにより、資本コストはかつてない低水準となってきているが、この展開が資産価格の上昇を下支えしてきた。
?しかし、大きな変化が進行している。そしてその変化によって、私たちの持つ資本コストおよび資産価格の将来に関する期待、また私たちが常識と考えていることに基づいた直観は、見直しを迫られている。これまでのトレンドが続かず、変曲点に到達していることは明白なのだが、あいにくどちらの方向に変わるのかは明確とは言えない。
?この変化は、伝統的な需給関係により決定されるのだろうか。だとすると、金利は上昇するはずだ。それとも、2008年の金融危機のときのように、人為的に金利を押し下げた状況を継続させるという、かつてなかったような中央銀行の行動によって決まるのだろうか?
?かつて私たちが経験してきたのは、金利と資産価格の先行きが確実な時代である。金利については、水準(低い)と方向(低下)の両面であり、資産価格についても、水準(高い)と方向(さらに上昇)の両面が常態化していた。
?ハーバード大学の経済学教授、マーティン・フェルドシュタインが語るように、このトレンドは変わろうとしている。「長期金利は、もうこれ以上支えきれないほどの低水準にあり、その意味は、債券やその他の証券価格のバブルが存在しているということなのです。確実に起こることなのだが、金利が上昇すればこのバブルははじけ、そうした証券の価格は低下し、証券を保有している人は誰であろうと損をすることになるのです」
?新興国が工業化と都市化を推し進めるのに伴い、投資ニーズは上がってきている。クマーシからムンバイ、ポルト・アレグレからクアラルンプールにいたるまで、資本集約的な建設プロジェクトがどこでも計画されている。
?新興国のそれぞれがインフラストラクチャーに投資すれば、新たな生産能力、機器、および革新的な技術に乗り換えるために投資しようとする企業が増加し、そのことにより資金需要は増幅される。こうした資金需要が、世界の人口の高齢化と、長期化する政府赤字の状況と同時並行して起こっており、それが需要の高まりをきっかけに、世界の総貯蓄額を減らす圧力となるだろう。
?マクロ経済学のファンダメンタルズに基づく伝統的な見方によれば、需要の上昇と供給を減らす圧力という組み合わせの行き着く結果は、一つしかない。それが、これまでよりも入手困難で、高価な資本の時代の到来である。
?しかしながら、近年実施されてきた、これまでの慣行には従わない金融政策の実施によって、私たちは未知の領域に導かれてしまい、これまでとは異なる、理解しがたい世界の基礎を築き始めてしまったのかもしれない。その世界とは、中央銀行と政府が、経済の成長と低金利を維持できるよういつでも介入し、十分な流動性を経済界に注入してくれるという世界である。
?もちろん各国政府は、低金利がもたらしてくれる利益を享受する主要メンバーの一つであった。だがこれは脆弱な均衡の世界であり、マネーサプライの積極的な拡大期の後には、資産バブル、インフレ懸念、通貨のブームと崩壊、といった危機が到来する危険性をはらんでいる。しかも、この新たな領域に試しに踏み込んでみよう、という国の数が増えてきているのだ。
?事実、かつてタブーとされた拡大的金融政策と政府負債の貨幣化ということが、中央銀行の普通の演目となる新しい世界への移行途中に、私たちはさしかかっているのかもしれない。この未来図が実現するとすれば、私たちが今日知っている資本市場は、まったく懸け離れたものに変わってしまう可能性があり、そうなれば、さらに新たな問題の数々を私たちに突きつけてくることになるだろう。
想定されるシナリオは2つ。次回更新(2月1日予定)で掲載予定。『マッキンゼーが予測する未来』より
http://diamond.jp/articles/-/114953
長期金利が上昇する世界は、
どんな未来なのだろうか
歴史的に長期にわたった世界的低金利は、踊り場にさしかかっている。考えられるシナリオは2つ。一方は、世界的に資本コストが上昇する未来のシナリオ1である。世界一のコンサルティング・ファーム、マッキンゼー・アンド・カンパニーの経営および世界経済の研究所所属メンバーが発表する刺激的な超長期トレンド 予測が詰まった書籍『マッキンゼーが予測する未来――近未来のビジネスは、4つの力に支配されている』のさまざまな分析テーマを抜粋して掲載する。今回は長期金利、資本コストを論じる第7章の第2回。
先進国でも、新興国でも
資本需要は明らかに増大する
?需要側の基礎数値は、明確な長期的傾向を示している。グローバルな投資比率、すなわち世界の総GDPに占める世界の総投資額のパーセンテージは、グローバルな不況の底にあった2009年の20.9%から、22%をわずかに切る水準にまで回復している。投資ブームを後押しする新興国の工業化と都市化に伴い、投資比率の増加が続くことを否定する材料はほぼ皆無である。
?ブラジル、インドネシア、インド、中国は、大量の建築資材を必要としている。世界の成長都市はいずれも固定資本投資ストックを、2013年の10兆ドル近くから25年までに20兆ドル超へと倍増する必要がある。
?都市へと移住する人たちは、住むアパート、自動車を運転する道路、通う学校などを誰もが必要とするからだ。
?ブラジルのインフラストラクチャーの状況を、例として見てみよう。1970年代にGDP比5.4%であった総投資額は、2000年代にはわずか2.1%に低下した。この国のインフラストラクチャーが限界にきていることは、世界中の誰の目にも明らかとなった。2014年のワールドカップ開催中に、雨が降るとレシフェの街の下水道および道路があふれ、水浸しになった状況がテレビ放映されたからだ。
?ブラジルの輸送インフラも荒廃がひどく、未舗装道路の比率は86%にのぼる。国土面積はアメリカの90%あるのに、ブラジルの鉄道網の規模はアメリカの13%以下である。
?ブラジルのナショナル・サッカーチームは、2014年のワールドカップでは準決勝でドイツに敗退したものの、FIFAランキングでは今でもトップ10に入っている。ところが、インフラストラクチャーの質となると、世界経済フォーラムのつけたランキングでは、ブラジルは148ヵ国中114位である。ブラジルが経済成長余力をフルに発揮するには、自国の道路、港湾、空港への投資をすぐに始めなくてはならないことが明らかだ。
?一方、世界中の先進国でも、何十年もの投資不足の結果、積もり積もったインフラストラクチャーの新規、建て替え需要が高まっている。先進国のGDP比投資額比率は、1970年代から急速に低下した。1980年から2008年の間の先進国総投資額は、各国がそれ以前の歴史的投資比率を維持していたと仮定した場合の総投資額よりも20兆ドルも少ない。これは、おおよそ日本とアメリカのGDPを足し合わせた額に相当する。
?ボストンとワシントンDCを結ぶ高速鉄道のアセラは、スピードを落としての走行で、出発や到着の時間が定刻どおりではなく、あてにならないことが多い。しかも、車内でのインターネット接続も低速でダウンロードに時間がかかるなど、使い物にならない。こうした現状のサービスの悪さと欠如をなくし、需要の成長に見合った輸送能力に拡大するにはどの程度の投資が必要なのかを、アメリカの土木技師連盟が推計した。それによると、現状で計画されている投資を維持したうえで、2020年までに1兆6000億ドルの追加投資をしなければならない。
?また、米国運輸省は、公共交通網の状態を「良好な補修状況」に持っていくには、2028年までに、公共交通網への支出を年間およそ40%増額しなければならない、と推定している。全体として、期待される経済成長を可能とするには、私たちの推計では2030年までに、世界中の道路、建物、鉄道、通信、港湾、水利といったインフラストラクチャーの整備と建設に、57〜67兆ドルを支出する必要がある。
?これは、全世界に現存するインフラストラクチャーのストック全体の総額を上回り、1994年から2012年までの19年間に実施された世界中の投資総額を60%上回る数字である。
?こうした各種の投資に、償却済みあるいは時代遅れで役に立たなくなった資本財の代替を含めると、世界中の年間投資額は、金融危機以前のピークであった2008年の投資額、13兆ドルを上回り、2030年までに25兆ドルが必要となるだろう。
?このように資本需要は明らかに増加している。では、供給側はどうなのだろう?供給側でも、長年大豊作が続いた後の大飢饉のような状態になる可能性がある。過去の慣行に従わない金融政策が実施されなければ、長期資本供給の見通しは、過去20年間の現実を反映したものにはならない可能性が高い。人口の高齢化に対応する政府支出は、2030年までにGDP比の数字が4〜5ポイント上昇すると予想されており、政府予算の赤字と各国の貯蓄率の低下にさらなる悪影響をもたらすだろう。
?最後に、それぞれ総貯蓄額で1位と4位にランクしている中国やインドといった新興国においては、それぞれの経済構造が個人消費の増加へと転じていくため、貯蓄率の低下を経験するかもしれない。
?中国がエコノミック・パワーとして地位の上昇を果たした、という事実以外に存在する数少ない驚くべき現象が、中国国民の驚くべき貯蓄性向の高さである。中国では、老後や病気などへのセーフティーネットが相対的に未整備であり、国民は1960年代から70年代にかけて経験した物資の欠乏と極端な貧困の時代を、まだよく覚えている。
?このことが、中国国民が自分たちの築いた資本を使うよりは貯蓄にまわし、世界1位の貯蓄者となっている理由の一つである。中国の貯蓄率は2000年代初期にGDP比37%であったが、08年には50%を超える水準となった。この年には、中国の年間貯蓄残高は2兆4000億ドルとなり、世界最大の貯金箱を持つ国となった。
?その4年後、貯蓄率こそそれ以上に上昇することはなかったものの、急速な経済成長のおかげで貯蓄総額はさらに大きな額となった。だが、中国の貯蓄率が高い水準のまま将来も推移する可能性は低い。まず、政府が投資への依存を離れ、国内消費への依存へと方向転換を図ろうとしているからだ。つまり、政府は市民にもう少し貯金を使い、消費にまわしていくことを奨励している。
?もし、中国が日本、韓国、台湾といったアジア諸国と同じ道をたどるとしたなら、中国の高水準の貯蓄率が著しく低下する可能性がある。たとえば台湾の貯蓄率は、政府による健康保険および年金制度の改善がなされた後、1995年から2008年の間に、7ポイント低下した。
?中国の貯蓄率が低下する一方で、先進国の貯蓄率は相変わらずがっかりさせられる水準にとどまるだろう。アメリカ、オーストラリア、イギリスといった国々の貯蓄率は、リーマンショック後の不況の後、若干上昇した。だが、それでも貯蓄水準は相対的に低いままである。たとえばアメリカでは、個人貯蓄率は2007年の3%から09年の6.1%に急上昇したものの、その後再び低下傾向に転じ、今も相対的に低いままである。そして、先進国経済の現在の貯蓄率の改善がたとえ20年間続いたとしても、その効果は2030年の世界貯蓄率をたった1%引き上げるにすぎない。
?2030年までに、需給の不均衡は拡大し、利用可能な世界の総貯蓄額に対し、望まれる投資総額は2兆4000億ドルを上回るという結果となるだろう。
?伝統的なマクロ経済学の視点からすれば、世界の望ましい投資額と世界中の人が喜んで行う貯蓄額との間のこうしたギャップは、実質金利に上昇圧力を加え、投資先案件が厳しく選別されることにつながる可能性がある。
?その結果、資本の生産性の改善が堅調に進まないかぎり、世界のGDP成長の陰りにつながってしまうことだろう。
一方のシナリオ2は、次回更新(2月7日予定)で掲載予定。『マッキンゼーが予測する未来』より
http://diamond.jp/articles/-/114961
グロース氏:米経済、ECBと日銀のQEなければリセッション入りも
John Gittelsohn
2017年2月6日 23:39 JST
ジャナス・グローバル・アンコンストレインド・ボンド・ファンドを運用するビル・グロース氏は、世界の中央銀行による資産購入が今後も金融市場を支配し、金利を人為的に低く抑える状態は続くと予想した。
同氏は6日発表した月次投資コメントで、米10年債利回りは徐々に上昇するだろうが、「米国外の中央銀行による親切な量的緩和政策(QE)のおかげで」、人為的に低い状態が続くとの見通しを示した。「欧州中央銀行(ECB)と日本銀行のQEがなかったら、米10年債利回りは比較的すぐに3.5%に達し、米経済はリセッション(景気後退)に落ち込むだろう」とした。
同氏は1月に、米10年債利回りが2.6%を超えれば債券弱気相場を示唆すると述べていた。
またQEをヘロイン中毒の治療に使われるメタドンにたとえ、「投資家は当面、QEというメタドンに逆らわず、むしろ喜んで受け入れなくてはならない」とし、「量は減らされるかもしれないがQE投与は継続されるだろう。メタドンはヘロイン中毒よりはずっとましだが、不健全な資本主義の均衡を生み続け、いつかはツケが回るだろう」と記述した。
原題:Gross Says Investors Must Embrace ‘Financial Methadone’ of QE(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-06/OKYEE66K50XZ01
ドラギ総裁がトランプ氏に反論−為替操作を否定、金融規制緩和に警告
Jeff Black、Jonathan Stearns
2017年2月7日 00:42 JST 更新日時 2017年2月7日 02:40 JST
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金融規制の後戻りは「非常に憂慮すべき事態」、理由見当たらず
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は6日、ドイツによる為替操作を示唆したトランプ米政権の発言に反論、また同政権が金融規制を後戻りさせようとしていることに警告を発した。
総裁はブリュッセルの欧州議会で証言し、ドイツが「甚だしく過小評価」されたユーロ相場によって貿易面で不公正な優位を得ているとした、国家通商会議(NTC)のナバロ委員長などトランプ政権からの発言に反論。「ECBは2011年以降、外為市場に介入したことはない」と述べ、ドイツの貿易黒字は生産性向上の結果だと主張した。「ドイツは米国との2国間で著しい貿易黒字を抱え、経常黒字も小さくないが、継続的かつ一方的な外為市場への介入はしていない」と言明した。
質疑応答ではトランプ政権が米金融規制改革法(ドッド・フランク法)の改正を目指していることについて問われ、金融危機の再来を防ぐための柱となっている規制を後戻りさせることは「非常に憂慮するべきことだ」と回答。「規制緩和だけはしてはならないのが現状だ」とし、「銀行・金融サービス業界を危機前よりも強固にした規制を、今緩和する理由が正直なところ見当たらない」と語った。
冒頭のコメントでは金融政策について「12月の決定は、ユーロ圏経済の見通しが底堅くなっているとの自信の強まりを示す」と述べ、「同時に、インフレ率が望ましい水準へと持続的に収れんする明確な兆候が見られないこと」を考慮したと話した。
ユーロ圏の成長は2015年以降すべての四半期において「堅調」だとした上で、「インフレ率が確実かつ持続的に目標水準へと収れんするためには、金融政策による支援が引き続き必要だ」と指摘。「ユーロ圏内外で続く不透明性を考慮し、良好な資金調達環境を維持する必要がある」と述べた。
原題:Draghi Says QE Strikes Balance Between Upturn and Weak Inflation(抜粋)
Draghi Defends Europe Against Trump on Currency Wars, Bank Rules
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-02-06/OKYL1Q6VDKHS01
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