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[GLOBAL EYE]米半導体企業 変わる勢力図 大手顧客が自社開発
米国で半導体・通信機器関連企業の勢力図が変わり始めた。アマゾン・ドット・コムやアップルというビッグデータを扱うユーザーが、半導体の自社開発を加速している。この結果、インテルやクアルコム、シスコシステムズといった半導体・通信機器大手は価格の引き下げ圧力にさらされるなど、事業環境が悪化している。
アマゾンのワーナー・ヴォーゲルズCTO(最高技術責任者)は日本経済新聞の取材に対し「サーバー向けなど様々な半導体も自社開発していく」と述べた。「需要に適したハードウエアを自ら開発することでコスト削減を加速させる」と狙いを語った。
アマゾンは買収したイスラエルの半導体開発企業アナパーナ・ラボを生かし、自社のデータセンターで使う通信機器用の半導体をすでに開発している。
グーグル同様、データセンター内の通信機器から、それらをつなぐ大陸間横断専用超高速光ファイバーケーブル網まで自社で整備する巨大インフラ企業になっている。これらの設備はいずれも半導体と通信機器を多用するため、社内需要は拡大している。
今後はロボットをはじめあらゆるモノがネットにつながる「IoT」端末向けの半導体開発も進める可能性が高い。
アップルも半導体の自社開発を拡大している。スマートフォン(スマホ)など携帯端末で設計の「モジュール化」を加速させている。機能別にいくつかの部品をまとめて規格化する。各モジュールは自社開発の半導体に最適なようにつくる。
外部に半導体の設計を任せるより模倣が難しくなり、知的財産の保護につながる効果もあるとみている。激しい追い上げをみせている中国のスマホメーカーをかわす切り札の一つだ。
米国では通信大手のAT&Tまで通信機器向けの半導体を自社で設計し始めている。インテルやクアルコム、シスコといった半導体・通信機器大手にとって、大口顧客が相次ぎ自社開発をする動きは大きな懸念材料だ。
顧客側の力は強まっている。アップルは今月に入り、特許料を過剰に徴収したとして米国と中国で相次ぎクアルコムを提訴した。クアルコムはアップルにとって通信半導体の主要調達先。だが、iPhoneの最新モデルでは競合インテルへの発注を復活させるなど、調達先をてんびんにかけている。
半導体・通信機器大手側に、収益確保のために新たな手を打つ動きも出てきた。顧客からの値下げ圧力が強まっているシスコは、新事業への大規模投資を加速させている。25日には米アプリデータ分析ベンチャー、アップダイナミクスを約4200億円で買収すると発表した。
半導体は将来の巨大市場とみられている人工知能(AI)でも重要な役割を果たす。大手ユーザーの自社開発戦略が、さらなる業界再編の呼び水となるのは間違いない。
(シリコンバレー=兼松雄一郎)
[日経新聞1月31日朝刊P.6]
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