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100円硬貨が不足?ニッケル供給不足の現実味
元素が買えない 自国優先主義が招く危機
「鉱山開発に反対する目的は『カネ』だ」
2017年2月7日(火)
寺岡 篤志
昨年6月に誕生したドゥテルテ政権の鉱山政策が世界から注目を集めている。「責任ある鉱山開発」を掲げ、監督官庁である環境天然資源省(DENR)の長官に環境活動家のジーナ・ロペス氏を任命した。ロペス長官は就任直後から9月までに10の鉱山に操業停止を命令。さらにすべての鉱山に対する監査を実施して、41の鉱山のうち30が基準違反を犯していると断じた。
フィリピンはステンレスの製造に必要なニッケルの最大生産国だ。ステンレスは腐食や酸化に強い耐性を持ち、100円硬貨などにも使われている。もしニッケルの供給が不足する事態となれば、世界の産業界にどれだけの影響が広がるのか。詳しくは2月6日号の特集「元素が買えない 自国優先主義が招く危機」で解説した。
本稿では、フィリピンのニッケル生産最大手、ニッケル・アジア・コーポレーションのジラード・ブリモ社長のインタビュー記事をお届けする。同国におけるニッケル生産量のうち約4割を同社が占める。特に日本向けに輸出されるニッケルに限れば、シェアは7割に達するという。
同社はDENRの監査をパスし、1月11日にフィリピンでブリモ社長にインタビューした際には、自社の鉱山開発の正当性を強調していた。環境保護活動に関しても「鉱山開発に反対すること自体が目的化している」と辛辣に批判した。しかし、現地報道によると、2月2日にDENRが発表した監査の最終処分では、傘下の鉱山会社が停止命令の対象になった。多くの鉱山開発会社も処分に反発しており、反対派と鉱山会社の争いが激化することは必至だ。
(聞き手は寺岡 篤志)
【記事のポイント】
●ニッケル市況の変化
●「我々の鉱山に何の問題もない」
●バッテリー向けのニッケル需要が拡大
ニッケルの市況が大きく変化しています。
ジラード・ブリモ氏
ニッケル・アジア・コーポレーション社長兼CEO(最高経営責任者)。マンハッタン大学卒業後、フィリピンのアジアン・インスティテュート・オブ・マネジメントで経営学修了。1985年よりフィリピン最大の資源会社、フィレックスマイニングで副社長、会長を歴任。2010年より現職。
ブリモ氏:2016年最初の半年はニッケル価格の低迷に苦しんできました。2月には13年ぶりの安値をつけた。どのニッケル企業にとっても大きな経営問題だったはずです。
しかし、後半の半年は市況がやや改善しました。2016年は1900万トンと前年と同水準のニッケル鉱石を生産しました。安値のために稼ぐ力は落ちてしまいましたが、利益は確保できました。
昨年の6月頃からニッケル価格は上昇しています。ドゥテルテ政権の誕生と時期が一致しています。
ブリモ氏:基本的には中国のステンレスの生産が好転したことが原因だと思っています。今のところは政策の影響が、非常に大きいということはありません。環境天然資源省(DENR)の監査で基準違反を指摘された30の鉱山のうち、実際に操業停止となっているのは一部だからです。しかし、どの鉱山が操業停止となるか、罰金が科されるか、その最終判断が近く下される予定です。実際、何が起きるのかまだ分かりません。(注:DENRは2月2日、ニッケル・アジア・コーポレーション(NAC)の子会社、ヒナトゥアン・マイニング・コーポレーションを含む21社に操業停止を命じた)
最終結果の公表も年内と言われていましたが、遅れています。(注:インタビューは1月11日に実施)
ブリモ氏:操業停止を命令するのは、本来非常に難しい問題のはずです。雇用や地域社会への影響がどれだけあるのかを考えると、簡単な決定ではありません。
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【インタビュー後半のポイント】
●「我々の鉱山に何の問題もない」
●バッテリー向けのニッケル需要が拡大
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このコラムについて
元素が買えない 自国優先主義が招く危機
世界各国で自国優先主義が台頭し、調達リスクが顕在化した。 フィリピン発のニッケル供給不安、中国が起点となったリチウム高騰…。 偏在しているがゆえに、囲い込みによって「元素」が買えない時代が来る。 スマートフォンから家電、電気自動車…。生産に暗雲が垂れ込める。 資源を持たない日本が「元素ショック」を乗り越える道はただ一つ。 競争の土俵を変えるようなイノベーションを起こすしかない。 日経ビジネスDIGITALの有料会員向けには、記事全文を公開している。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/16/020200015/020300003
国内年金による不動産投資状況と投資形態別リターン
金融研究部 不動産運用調査室長 加藤 えり子
図表1に、不動産証券化協会によるアンケート結果1から、国内年金による不動産投資実績と検討状況を2013年まで遡って投資形態別に示した。当該アンケートは不動産投資のみに関する内容であることから、回答者の多くは不動産投資への関心が高いこと、基金の解散等の影響で回答数が減少傾向にあることを考慮する必要があるが、私募リートに投資済の回答数が2016年調査では顕著に増加している。一方で、従来からある不動産私募ファンド(運用期間が定められており原則換金をしないタイプのクローズドエンド型)は、2014年までは最も投資済の回答が多い不動産投資形態であったが、流動性の低さと終了時点でのマーケットリスク懸念から、ファンドの償還に伴い投資が減少してきている。国内不動産については、主要な投資形態が従来型の不動産私募ファンドから私募リートに代わってきていることが分かる。また、実物不動産への投資も減少した。実物不動産への投資はリートやファンドなどの投資手法が確立する前のものと思われるが、長期にわたる賃料収入と昨今の価格上昇により、投資額がある程度回収可能となり売却に至ったと推察できる。海外不動産については、海外リートへの投資は減少し、海外不動産私募ファンドが増加してきている。国内で提供されている海外不動産私募ファンドの多くは、私募リートと同様に、定期的に換金のタイミングがある永続運用型のオープンエンドファンドで、不動産評価額から持分価格を算出するため、上場リートに比べて価格変動幅が小さいことが選好される理由となっている。仕組みが類似している国内私募リートの普及も海外不動産私募ファンドの投資増加に寄与していると考えられる。
図表2に、国内および米国の不動産投資形態別にみたリターンを2012年6月からの累積で示した。国内で私募リートの提供が始まったのは2010年11月であり、私募リートのリターンデータについては、2012年6月以降となるため、それに開始時点を合わせている。
国内上場リートは開始時点の頃を底にした急回復により累積リターンが大きくなっているが、変動幅が大きいため投資期間によってリターンも大きく異なる点には留意が必要である。米国上場リートは、金融危機後の回復が国内上場リートよりも早かったため、該当期間の累積リターンは低いものの、過去1年、過去3年の双方で国内上場リートより高いリターンを記録している。国内私募リートと米国オープンエンドファンドは類似の仕組みであるが、借り入れ比率には差がある。国内私募リートの平均が40%であるのに対し、米国オープンエンドファンドは22%で3、国内私募リートの方が2倍近く高い。これらのファンド運用のリターンは、借入れ効果により実物不動産投資と比べて高くなる。国内私募リートと米国オープンエンドファンドでは、実物不動産投資に対するリターンのプラス乖離度が国内私募リートの方が大きいことがグラフからも分かるが、借入比率の違いがその主要因となっている。しかし、リターンの絶対水準については、実物不動産のリターンが高い米国オープンエンドファンドの方が高くなっている。米国の実物不動産のリターンが高い要因は、主にこの間のキャピタル・リターンが高かったことによる。米国実物不動産の四半期キャピタル・リターンは、期中1.5%から2.0%の間で推移しているのに対し、国内不動産の四半期キャピタル・リターンは、2012年にはマイナスで推移、2013年以降も1%未満に留まっている。相対的に米国不動産のリターンは高いものの、グラフは現地通貨ベースであり、国内からの米国不動産への投資については為替を考慮する必要がある。今後、日米金利差が拡大する場合はヘッジコストの増加が懸念材料となる。
より広範な地域や用途に投資できる海外不動産投資は、今後も段階を経て普及すると思われる。国内不動産を対象としたものも含め、投資形態ごとに市況や特性が異なるこれらの商品を組み合わせた不動産ポートフォリオの検討も進展することが期待される。
________________________________________
1 不動産証券化協会が毎年7月から9月に実施。対象は運用資産総額140億円以上の企業年金、共済組合、公的年金から抽出。同協会は回答割合として結果を公表しているが、本稿では回答数に換算した。
2 国内私募リート:AJFI-Open End Core Unlisted REITs 国内実物不動産:AJPI(不動産証券化協会)、米国オープンエンドファンド: Fund Index-Open End Diversified Core 米国実物不動産:NCREIF Property Index、(全米不動産受託者協会)、国内上場リート:東証Jリート指数、米国上場リート:S&P US REIT Index。
3 インデックス構成ファンドの平均LTV。
(2017年02月03日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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