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米国の保護主義が中国の台頭を誘引か(トランプ氏のFacebbokより)
トランプ大統領の保護主義政策が、中国の台頭を誘引する?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170124-00010001-moneypost-bus_all
マネーポストWEB 1/24(火) 16:30配信
世界の貿易額トップ3は中国、アメリカ、ドイツで、世界の貿易額全体に占める割合は順に11.9%、11.5%、7.2%である(2015年、UNCTAD、GLOBAL NOTE、以下同様)。輸出の順位は総額と同じ、輸入では中国とアメリカが逆である。ちなみに、日本は、総額、輸出、輸入ともに世界第4位である。
このデータだけをみると、世界の貿易額縮小は、これらの国々の経済に大きなダメージを与えると思うかもしれない。しかし、各国の経済構造を見るかぎり、そうではなさそうだ。
アメリカの貿易依存度((輸出+輸入)/名目GDP)は21.12%で世界197位、日本は28.11%で189位、中国は33.33%で178位である。アメリカについて輸出依存度(輸出/名目GDP)をみると、8.44%で164位、日本は13.97%で141位、中国は19.21%で第115位である。
いずれにしても、これら3国は、各国との比較でいえば、輸出が減り、貿易量が縮小しても、経済に与える影響は相対的に軽微である。
アメリカについていえば、衣料品から自動車、スマートフォンに至るまで、様々な製品を輸入しているのだが、アメリカのGDP全体額からすれば、大した金額ではない。IT、金融をはじめ、第3次産業が大きく発展しているからだ。また、農業は自給率が高く、エネルギーについては、オイルシェールの開発が進んだことで、海外依存度は年々下がっている。貿易に頼らずとも経済を回していけるだけの懐の深さがアメリカにはある。
ドナルド・トランプ大統領が保護主義政策を打ち出すことで、万が一、輸入に加え、輸出も減ってしまったとしても、大したことはない。国内に生産を回帰させることで、中産階級の就業機会を増やし、彼らの所得水準を向上させることができれば、トランプ政権にとって、そのメリットは大きい。
実は中国に関してもアメリカと同様、貿易の縮小は致命傷とはならない。
中国の経済成長に占める貿易の割合は小さい。2016年の名目GDPは74兆4127億元であり、2015年と比べ5兆5075億元増加しているが、貿易収支(黒字)は3兆3473億元であり、2015年と比べると3297億元減っている。すでに、貿易は経済成長に寄与せず、成長を引き下げる方向に作用しているが、それはGDP増加分に対して6.0%に留まっている。また、貿易収支の名目GDPに対する割合は4.5%に過ぎない。成長は投資や消費によって牽引されている。
中国の貿易構造は、依然として加工貿易のウエイトが大きく、それが約45%を占めている。輸出が今後、減少したとしても、加工貿易分については、原材料、部品などの輸入が見合いで減少することになり、中国側の減少分は付加価値相当分でしかない。アメリカの保護主義による影響は回り回って他国に及ぶことで中国への影響は軽減される。
では、アメリカに輸出しにくくなれば中国はどうするだろうか?
まずは内需を拡大させるだろう。中国のインフラは依然として不足している。鉄道、高速道路、航空を整備し、都市化を進めることで、現在とても非効率な中国の広大な土地、膨大な人口をより有効に利用することができる。内需拡大は長期的な成長を促すことになる。
次に、アメリカ以外の国への輸出を増やそうとするだろう。それは“一帯一路”(*)戦略の加速にもつながる。一帯一路戦略は双方向の貿易量を増やすといった趣旨である。関連各国の中にはアメリカに輸出しづらくなった分、中国に売ろうとするところも出てくるだろう。それを受け入れつつ、一方で資本を投下し生産を助けることで経済的な利益を得ることができる。
【※注:シルクロード経済ベルト(一帯)と21世紀海上シルクロード(一路)の2つのルートにおける中国の発展戦略】
習近平国家主席は17日、世界を代表する政治家・実業家が一堂に会するダボス会議に出席し、講演を行ったが、「中国は人民元安を通じて競争力を高めるつもりはない。今後5年の間、開放を続ける」などと発言している。
世界第2位の経済規模にあり、しかも高成長を続ける中国市場を開放する。自由貿易を標榜し、共存共栄の名の下で、他国への資本投資を加速する。アメリカがこれまで行ってきた戦略を今度は中国が行おうとしている。
結果的に、アメリカの保護主義は中国の台頭をサポートする有力な政策となるのかもしれない。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサル ティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」、メルマガ「週刊中国株投資戦略レポート」も展開中。
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