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TPPの国内手続き完了へ
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52902617.html
2017年01月19日 在野のアナリスト
神奈川県の小田原市の生活保護担当の職員らが、「生活保護なめんな」と書かれたジャンパーで業務にあたり、市が謝罪しています。この問題で感じることは、市民と一番触れ合う機会の多い職場が、市職員にとって懲役、島流し、と卑下される立場にあることが如何に悲惨か、ということです。逆に見れば、市民より業者と会う機会の多い職場が天国、ということが如何に危険か。市民の中には、確かにモンスターと称される部類の人もいますが、それこそ職員を増員し、きちんと対応できる体制をとらなかった、市の責任がそもそも大きいのです。
しかもモチベーションを上げるのに、市民にその牙を向ければ、当然批判されます。本来は市の体制が整っておらず、担当者に多大な負荷がかかっていること、が問題のはずなのに、です。そもそも不正受給とされますが、支給していない段階では不正受給には当たりません。支給した後、不正があったと認められるので不正受給になるのです。審査の段階できっちり調査し、支給しない理論武装を整える。そのための人員をしっかりと確保し、不正受給に至らない仕組みをつくる、という市側の対応がなく、不正受給者の攻撃ばかりに注力すると、正規にうけとる資格がある人まで萎縮させてしまう、だから批判されるのです。モンスターが問題だ、担当者の負担が大きい、はこの場合において『だからジャンパーをつくっていい』という理由には一切ならない、ということです。
20日にTPPの国内手続きを終了し、取りまとめのNZに通知することが判明しました。トランプ氏の米大統領就任前、悪く言えば当てつけです。その20日にトランプ氏はTPP承認せず、と宣言すると伝わるのですから。しかしTPPに合意した国で、手続きを終了するのは日本が初、こんなところでも『初』に拘りますが、今後の推移はかなり厄介です。
米国抜きの11ヶ国でTPPを発効するケース。これは他の10ヶ国が輸出先としてターゲットにするのが日本だけとなり、工場の移転もすすむでしょうから、日本は安価な製品で溢れるかもしれません。それ単体ではよいことのようですが、強烈なデフレにより円高となり、また競争力の下がる国内の工場は壊滅します。日本はよりサービス業を充実させないと生き残れない、米国型の経済体制に舵を切らざるを得ず、失敗すれば貧困化がよりすすむでしょう。日本は投資や知財の分野が強いわけでもないので、TPPを締結してもメリットがないのに締結した、という最悪の展開になりそうです。
TPPが発効しないケース。これは現状維持になりません。なぜならトランプ氏は国境税を唱えており、実現すれば日本から米国に輸出するものにも税金がかかるからです。否応なく米国との新たな関係を模索しなければいけませんが、日米FTAを結ぶにしろ、TPPをベースにして、さらなる上積みを要求されることが確実で、それを呑めなければ国境税に苦しむことになる。損得は詳細をみなければはじけませんが、いずれにしろTPPをベースにするだけに、そこでの妥協がすでにギリギリだった場合、日本は相当困難な条件でも呑まざるをえないのでしょう。
トランプ氏が翻意し、米国も参加してTPPが発効するケース。ただしこれも再交渉が必要で、もし再交渉がなければ発効もしないでしょう。しかもその再交渉は、さらに米国の意向を最大限に組み入れなければいけないため、今より条件が悪化することは確実です。
日本がTPPに参加しない、という選択肢を明日放棄してしまうのであり、日本が外交的な主導権をにぎる機会を手放した、ともいえるのです。逆に、ここで最初の米国抜きで発効するケースになって、日本がそれでは嫌だ、と難色を示したところで、逆に手続きを完了した後に逃げた、として国際的な信用がガタ落ちになるだけでしょう。安倍政権の『初』もの好きのせいで、国益が著しく害される形になりそうですが、『初物に懲りて膾を吹く』ということにでもならない限り、その愚を悟ることすら安倍政権ではできない、ということでもあるのでしょうね。
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