http://www.asyura2.com/17/hasan118/msg/118.html
Tweet |
AIの経済効果を考える:雇用は減るのか増えるのか
https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-RR505_automa_IM_20170118140224.jpg
セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフ
By SAM SCHECHNER
2017 年 1 月 19 日 11:51 JST
【ダボス(スイス)】人工知能(AI)の大きな進歩は中間層の仕事にどう影響するのか。企業や当局の間では、急速に変化するハイテク技術と雇用の関係を巡って緊張感が高まっている。
当地で開催されている世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)には、政界や財界のリーダーたちと並んで、IBM、マイクロソフト、フェイスブック、グーグルの親会社アルファベットなどAIの可能性を追求している企業の幹部が集まっている。彼らの討議の大きなテーマになっているのが、自動化の拡大が仕事に及ぼす経済効果だ。
ダボス会議2017
民衆の怒りに触れた「貴族」
先進国の綱渡り:高齢社会で成長維持
欧米有権者の不満と「成長率4%」の壁
企業幹部やエコノミストの多くは、学習あるいは自律的な行動ができるAIが発達すれば、最終的には雇用の純増につながると考えている。つまり、かつての工業化の波と同様に、旧来の雇用がなくなる以上に多くの新たな雇用が生み出され、全体的には繁栄をもたらすという見方だ。しかし、一部には、次の技術革新で得られる利益が不公平にしか分配されない恐れがあり、新たな労働モデルへの移行が多くの労働者にとって厳しいものになりかねないと懸念する向きもある。
「ディスラプション(破壊)の始まりをわれわれは本当には経験していないと思う」。こう語るのは、セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフ最高経営責任者(CEO)。同社はクラウドを基盤にした顧客情報管理(CRM)システムで大きな市場シェアを持つ。ベニオフCEOは「技術の波は生産性の大幅な上昇を生み出すだろう。しかし同時に、はるかに大きな不平等に直面するリスクがある」と指摘した。
グローバルな競争激化と自動化の進展は、多くの西側諸国で雇用および賃金の伸びが停滞している要因の一つになっているとエコノミストらは言う。WEFの委託で行われた調査によれば、先進26カ国の年間所得(中央値)は2008−13年に2.6%減少した。
複数の著名IT企業幹部は、AIなどの技術発展に伴う破壊は、労働者が新たな環境に順応するのに十分なほど漸進的なものになると考えている。例えばIBMのバージニア・ロメッティCEOは17日、「人間か機械かということではない」とし、「それはシンビオティック(共生的)な関係だ。われわれの目的は、人間が行うことに(新技術が)奉仕し、補強することだ」と語った。
しかし、懸念を呼ぶ前例はある。英オックスフォード大学の経済学者、カール・ベネディクト・フレイ氏によれば、産業革命から生じた生産性上昇は当初、賃金の上昇につながらなかった。そして、賃金上昇が実現したのは、新世代の労働者たちが新たなスキルを身につけた後の約80年後だったという。
また米マサチューセッツ工科大学(MIT)の経済学者、デービッド・オーター氏によると、製造業などの分野で多くの定期的な仕事が自動化によって失われた一方で、より低度なスキルの手仕事には成長が見られた。また、より柔軟な人知が要求される高度な仕事でも同様に成長が実現した結果、米国の労働力が二極化されたという。
一部の研究者は、将来的には、配車アプリ大手ウーバー・テクノロジーズなどが手掛ける自動運転車がドライバーの仕事をなくす可能性があるとみている。また、ソフトウエアが執筆や分析など一部のホワイトカラーの仕事を自動化し始める可能性も言及されている。
コンサルティング大手マッキンゼーの新たな調査によると、世界では11億人以上(米国と欧州は1億人分以上)のフルタイムの雇用が自動化可能な仕事に関連がある。
マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは18日、「課題はこうした中間スキルの仕事だ」とし、社会の混乱や重い規制を回避するため、企業は新たな社会モデルを検討すべきだと指摘。「われわれはなんとか、資本リターンと労働リターンが均衡する新たな世界に到らなくてはならない。うまく事を進めなければ、悪循環に陥るだろう」と警告した。
関連記事
人工知能の未来−識者4人に聞く
人工知能に学習させる「考え方のデザイン」
中国企業、人工知能開発で投資拡大
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiE38vW183RAhXIebwKHYjdAAIQFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10504433381807684657504582568170831815222&usg=AFQjCNGkVLU8KENjYf1WwJ28e4YkDB6XAA
自動化で消える職業は全体の5%
ダボスで発表された3つの新リポート
ダボス会議で発表された新たなリポートは、完全に自動化されるリスクにさらされているのは全職業のわずか5%にとどまると予測(写真は伊カッシーノにあるフィアット・クライスラー・オートモービルズの工場)
By LAUREN WEBER
2017 年 1 月 19 日 09:50 JST 更新
スイスの山岳リゾート地ダボスで今週開かれている世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)では、自動化や仕事の未来に焦点を当てた新たなリポートがいくつか発表された。その中から特筆すべきリポートを紹介する。
いずれロボットが人間の仕事を奪うとの話をよく耳にするが、米マッキンゼー・グローバル・インスティテュートの新たなリポートによると、完全に自動化されるリスクにさらされているのは全職業のわずか5%にとどまる。
仕事は消滅するのではなく劇的に変化するのであり、労働者は変化への順応を余儀なくされるという。同リポートは800種の職業と2000種の業務を分析。既存テクノロジーの利用で2055年までに、現在の労働者が担っている業務の半分が自動化される可能性があると予測する。
こうした変化は大量の失業につながるわけではなく、自動化により向こう50年間で世界の生産性が年間0.8〜1.4%向上するとリポートは結論づけている。
ではこうした生産性の向上から恩恵を受けるのは誰か。米コンサルティング大手アクセンチュアの研究によると、社会的・感情的知能といった人間の能力に依存する業務を遂行するために、労働者が技能を磨けるかどうかどうかは企業のリーダー次第だ。戦略的な再訓練のペースを2倍速めることで、自動化の影響を受けやすい仕事の割合を減らせるだろうとアクセンチュアは論じている。
一方、労働者自身は自動化を敵視しているわけではない。1万人余りを対象に実施されたアクセンチュアの調査によると、向こう5年の間にテクノロジーが自分たちの仕事をどう変化させるかについて、楽観視している人の割合は87%に達した。そうした変化に対する準備ができていると回答した労働者の割合も同程度あった。回答した労働者の約半数が高い技能が必要な職種に就いており、残り半数は中程度もしくは低い技能の職種に二分された。
高技能労働者の育成、1位はスイス
とはいえ、近い将来も残っていく職業に就くためにどういった技能が必要かについて10人に4人が確信はないと回答。また、常に技能を最新のものにしておくために必要な訓練を雇用主は提供していないとの回答は過半数に達した。
将来を見据えた労働力の育成は国によって差がある。世界的な人材サービス企業アデコグループ、シンガポールのヒューマン・キャピタル・リーダーシップ研究所、仏インシアード経営大学院の教授らが共同でまとめたリポートでは、高い技能を持った労働者の育成とつなぎ留めに長じた国のランキングでスイスが1位となった。
2位以下はシンガポール、英国、米国、スウェーデンと続く。労働市場が国全体というより特定地域に偏在することも多いため、同リポートは都市のランキングも作成。それによると、デンマークのコペンハーゲンがトップで、続いてチューリヒ、ヘルシンキ、サンフランシスコ、スウェーデンのヨーテボリとなっている。
人材という観点から将来性が高いとされた都市の中には、あまり知られていない小都市も少なからず含まれる。例えば、9位につけたオランダのアントホーフェン、11位の英カーディフなどだ。こうした都市では豊かな生活水準が才能ある人材を引きつけているほか、少数ながらも大企業が存在しているおかげで国際的な経験とキャリアを積める機会もあるのだ。
関連記事
雇用増やすか 自動化のパラドックス改めて検証
海にも自動化の波、無人貨物船は実現するか?
ロボット時代に雇用を確保するための知恵
ロボットが雇用奪う?「自分の職は大丈夫」8割
ロボットが人間より優れている10の職業
http://jp.wsj.com/articles/SB11163456931573304514904582566493718009400
江藤哲郎のInnovation Finding Journey
ここまできた翻訳マシン、AIと働く日はもうすぐ!
起業パワー都市(その5)
2017/01/19
江藤哲郎 (ベンチャーキャピタリスト)
私は昨年12月初めに、マイクロソフト本社のあるワシントン州レドモンドのビルディング99でMSR(マイクロソフト・リサーチ)のチーフ・プロダクト・オフィサーであるヴィクラム・デンディと会い、スカイプにAIを搭載した日英のリアルタイム・トランスレータのデモを体験した。まだ発表前の製品だったが、英語から日本語への同時通訳にかなりの自信を持っているようだった。思わず、同行していた日本の大手メーカーやIT各社幹部と目を合わせたが、やはり反応は芳しくなかった。日本語に関しては我々が日本人であり要求レベルが高いことを差し引いても、まだかなり改良の余地ありだった。しかし私は思った。日本語が最後の方に後回しになるよりは良かったと。一方で英中のデモ映像は上海の会議場で収録されたもので、それを見る限り精度は実用化のレベルまで達していた。
シアトルから望むマウント・レーニア ©︎Naonori Kohira
同社はその3カ月ほど前の9月、それまで各部署に分散していたAI開発と事業関連の部署全てをMSRが母体となる形で一カ所に統合した。約5000人の部隊として発足したのがマイクロソフトAI&リサーチ・グループだ。この新しい事業部の活動によりコルタナは勿論、スカイプ、オフィス365などの同社の代表的製品がAIの機能を順次搭載していく。同社の言うAIの民主化の一環であり、現実的なアプローチだ。これらは世界中で使われている正にグローバル・スタンダードのソフトウェアであり、この何億人というユーザーがAIのベネフィットを最初に享受するべきだという考え方だ。
真のオープン化
日本に戻った私は年末に、同社品川オフィスにて80年代のサードパーティ同窓会の様な面々の集まりに参加した。日本のWindows対応ソフトの草分けであるイーストの下川和夫社長の呼びかけだった。そこで伊藤かつら役員配下の現役のエバンジェリストの皆さんから説明を受けた。同社のAIのサービスを受けるにあたり、OSはもはやWindowsである必要はない。MacでもLinuxでもいい、と。素晴らしいことだ。最もユーザー本位の考え方であり、真のオープン化だ。これなら対応ソフトを開発する側もやりやすい。四半世紀ほど前、Windowsソフトを増やすためにコンソシアムを立ち上げた身としては、本当に嬉しかった。アップルとのユーザ・インターフェイス訴訟、IBMとのOS/2を巡る確執、ソフトバンクの孫正義社長にコンソシアム会長就任をお願いしビル・ゲイツと握手して貰ったことなどの数々の記憶が頭を巡ったが、ここにエバンジェリズムは脈々と生きていた。
同社はこれに先駆けオープン・プラットフォームに方針を転換しているが、これには大きな理由がある。主戦場がクラウドに移行したのだ。アジュールに収容してくれさえすれば、その上で機能するOSなどプラットフォーム以上のレイヤーは何でもいいということだ。それらのレイヤーでのテクニカルなギャップはプラットフォーム事業者などBtoBの世界で全て吸収してくれるので、ユーザーはそれぞれが持っている端末からのアクセスが可能になる。
主戦場となったクラウドの提供者は、アマゾン、グーグル、IBMを加えた所謂4強であり、AIエンジンの4強でもある。各社とも技術のオープン化を推進しつつ、スタートアップの囲い込みには余念がない。中でもマイクロソフトとアマゾンはお膝元のシアトルでAI関連の有望なスタートアップにはアジュールとAWSを無償供与している。青田買いのための奨学金供与競争みたいなもので、しかもマシン・ラーニングのモジュールとセットだ。そのためシアトルではAIで有望なスタートアップが多いこと、マイクロソフト・アクセレレータで現在育成する10社は全てマシン・ラーニングかデータ・サイエンスであることなどは第7回でも述べた。こうしてこの地ではAI産業の裾野が広く形成されつつある。
AIといえば、多くの方々がチャットボットを連想するほどになったが、この分野も日進月歩だ。マイクロソフトが以前デビューさせたTayは悪意による攻撃で差別や陰謀論を学習したために停止を余儀なくされたものの、問題となった部分に制限をかけZo.aiとして12月に再公開された。Zoは前述のレドモンドでのデモで見たスカイプにも搭載されるという。日本語対応の精度向上と共に期待したい。
アマゾンの動きもAIのオープン化へ向けて加速中だ。2014年に他社に先駆けて発売したチャットボット家電とも言えるエコーはAI搭載スピ―カーで、そのAIの名はアレクサ。出荷が遅れたグーグル・ホームやJiboなどライバルを尻目に、既に500万台以上を販売した。アレクサは家庭やオフィスで人々と会話しながらどんどん賢くなって行く。注目すべきはアレクサのインターフェイスを公開することで、他社の製品やサービスとの接続が可能になったことだ。レノボのスピーカー、GEの冷蔵庫などの家電は今後ユーザーがアレクサと会話をすることによる操作が可能になる。
右肩あがりの自動車向けAIニーズ
私のカークランドのオフィスからほど近くに、交通情報を分析し渋滞予測を含めたインテリジェント・データとして放送局などに提供するINRIXがある。私は2年ほど前にCEOのブライアン・ミステレと会い話したが、フォード、マイクロソフトで幹部を歴任した彼は、自動車のインテリジェント化に20年来取り組むパイオニアだ。INRIXはアマゾンのアレクサを同社の自動車運転席用プラットフォームであるOpenCarと接続し、社内のオーディオを操作するサービスを開始する。運転者や同乗者が喋る声だけで選曲し、音読してほしい本のリクエストもできるわけだ。さらに同社が最も得意とする交通情報は乗車中のみならず、出発前に家庭やオフィスでエコーに話しかければ答えてくれるようになる。
近年ニーズが右肩上がりの自動車向けAIは、その利用法が自動運転から車内エンタテインメントや車内外での情報取得へと広がっている。家電とAIとの接続も米国勢によりどんどん実用化が進む。自動車とエレクトロニクスが未だ基幹産業である日本にとっては、脅威に映るだろう。しかし、その動きを加速させているキーワードがオープン化であり、台風の目はスタートアップであり、彼らの目指すところがグローバル・スタンダードであるということを理解していれば、他国でも打つ手は沢山ある。AIスタートアップの取り込み方次第では、勝ち組になるチャンスもまだまだある。もちろん日本にも。
その日本でAIについて講演をしていると、シンギュラリティについて意見を聞かれることがある。私は昨今問題とされている2045年にAIが人知を超える云々という点より、もっと手前に大きな課題があると考えている。シンギュラリティの遥か手前、2020年代にも会社の中に必ずAIがやって来る。コーポレート・シンギュラリティの時代の幕開けだ。これは日本にとって歴史的なインパクトになる。
世界ではじめて体験する日本
そもそも日本は大企業がリードする企業社会だ。これまで人々は所属企業に尽くしながらその人生を形成してきた。会社の中でのポジションや成果を必死に求めてきた日本人の目の前に現れるAIは、会社と彼ら彼女らとの間に入って来る。AIはすでに経理、法務などのバックオフィス部門のみならず、営業などの現場でも業務を支援し、あるいは顧客に対しても相対し始めている。今後はチャットボットがより進化した形で前面に出て来るだろう。日本は少子高齢化とコーポレート・シンギュラリティの両方を、世界に先駆けて身を持って体験する国となる。
近年、企業の現場では顧客からの注文がより高度化細分化し、特に上場企業は順守せねばならないルールが増えた。しかしそれら全てに対応するためとはいえ、労働時間を増やす方向には行けない。人も時間も増やせない以上、システムにAIにそのリソースを求めていくのは当然だ。そういう意味でも日本はAI先進国となる必然性がある。
実は人々が求めているのは、自分の質問などのリクエストに対して常時誠実に答えてくれるチャットボットAIではないだろうか。いわば相棒だ。パソコンやスマホ、あるいは車内で端末は違っても同じ相棒AIを頼りにしながら仕事をし、話し相手としても共に生活する。そうなれば仕事場でもプライベートでも、AIはもっと身近で欠かせない存在となるはずだ。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8688
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民118掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。