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1999年のBBC放送ドキュメンタリー「タバコ戦争」(Tobacco Wars 165分)は必見です。
三部構成の長い番組ですが、下にリンクを張っておきますからぜひご覧下さい。
タバコ産業は1950年代から、タバコが健康に有害であり、肺ガンや肺気腫の原因になり、
またニコチンに強い中毒性があることを知っていました。
それにもかかわらず贈賄や脅迫などあらゆる汚い手を使って事実を隠ぺいし、
消費者をだまし、タバコの引き起こす深刻な健康被害に目を閉じ、利益を最優先に
追及しました。
しかし1980年代以降、次第に喫煙に反対する運動が広がり、また極秘の内部資料が
曝露されたりして訴訟が増え、タバコ産業は次第に力を失っていきます。
そしてついに間接喫煙(受動喫煙)の害が明らかにされ、これが致命傷となり、
さらに訴訟も増え、業界は一気に凋落していきます。
下にこの番組からいくつか解説やインタビューされた人の発言を引用しますが、
"タバコ"を"原子力"あるいは"放射能"に置き換えれば、そのまま原子力業界に
ぴったり当てはまることに驚きます。
先進国で規制が厳しくなると、規制の緩い開発途上国に活路を見出そうとするのも
全く同じです。
いずれ原子力業界もタバコ業界の後を追うように衰退していくでしょう。
しかし、その前におびただしい数の人が亡くなるでしょう。
------(引用ここから)---------------------------------
タバコ業界はタバコの宣伝に医者を登場させて
「タバコは喉の炎症を和らげる」などと言わせ、
大衆の不安をかき消そうとしました。
また、医学界に圧力をかけ、肺ガンとタバコの因果関係を否定させました。
ファンデンベルグ:
一般消費者の信用を失うことだけは避ける必要がありました。
我々は名の通った医師を買収し、タバコにマイナスになることが発表される度に
「これはまだ証明されたわけではない」
「単なる仮説にすぎない」
「恐怖心をかき立てているだけだ」
などと新聞に書かせたのです。
タバコ業界は50年代後半にはすでに、ネズミを使った実験で
発ガン性を確認済みでした。ある企業はガンを「ゼファー」つまり
「そよ風」といった暗号で表し、実験を完全な秘密にしていました。
ファンデンベルグ:
タバコ業界が提出した研究報告なんて、作り話以外の何物でもありませんよ。
文学賞に値しますよ、ほんとうに。
わたしたちの研究はあらゆる制限を受けました。
研究内容がある一線を越えてしまい、それがタバコのイメージを
汚しかねないものと判断された場合は研究は直ちに中止されました。
タバコ企業が膨大なお金を費やしたのは、研究ではなく宣伝でした。
タバコほど宣伝された商品はほかにありません。
しかし、業界の権力基盤は政治機構の中に組み込まれていました。
タバコの葉がアメリカ連邦議会のすみずみまで生い茂っていました。
タバコ産業はかねてからアメリカ政治の中心的存在でした。
タバコ企業はアメリカ連邦政府に対して絶大な影響力を持ち、
今世紀を通じて議会と行政府に対するロビーイング活動により、
規制を阻止し続けたのです。
大手タバコ会社は、あらゆる手を尽くして、タバコに関する真実が表ざたに
ならないよう画策していました。
バンザフ弁護士:
都合の悪い情報はすべてもみ消そうとしました。
医学を歪めることすらいとわなかったのです。
バンザフ弁護士:
タバコ産業が長年とってきた戦略は、まさに良心のかけらもない、
道徳にもとるものでした。違法ですらあったんです。
バンザフ弁護士:
政府や株主に情報を与えなかっただけではないんです。
意図的にタバコの害を隠し、大衆を欺こうとしたんです。
バンガナー:
タバコ産業は恥ずべき汚点を残しました。
欺瞞であり事実の隠ぺいであり、意図的に世論を操ろうとするものでした。
自分達の利益のために。
バンザフ弁護士:
タバコの広告は全く内容などなく、印象だけを残そうとするものでした。
だからこそ効果的だったんです。
バンザフ弁護士:
タバコ問題評議会は最初から
「タバコは喫煙者あるいは非喫煙者においてガンの原因とはならない」と、
一般市民に信じさせるためにタバコ産業が作った機関だったんです。
バンザフ弁護士:
喫煙と病気の関係を追及しようとする研究は、即座にやみに葬られました。
その代わり、タバコ以外のものと病気の関係の調査は、積極的に奨励されたんです。
反対勢力の拡大と喫煙率の低下にもかかわらず、
タバコ業界は1980年代までには嵐を切り抜けます。
しかしその「事実の隠ぺいと否定」の歴史はとてつもなく長いものです。
そして、その事実が明らかになるとき、タバコ業界はただこうべを垂れるしかないのです。
ゲーリッツ:
「一日当たり数千人の子供を喫煙に引きずり込むことが仕事だ」と言われました。
「肺ガンで死ぬ喫煙者の欠員補充だ。中学生ぐらいをねらえ」とね。
ビクター・デノーブル博士の発見は「タバコに中毒性はない」と言い張ってきた
タバコ業界にとって、大きな衝撃をもたらす研究結果でした。
デノーブル博士:
突然、配置転換があったんです。広い研究室を与えられ「やった、これは栄転だ」
と思いましたね。ところがいきなり「実験に使ったネズミを全て殺し、研究報告書を
引き渡すように」と言われたんです。
デノーブル博士:
いつも会社から監視されていました。研究を公表するようなことがあれば、
会社に訴えられて牢獄行きだと言われたんです。
ウイリアムズさんが四年間かけて持ち出した文書は、タバコの中毒性に関し、
業界がいかに消費者を欺いたかを示すものでした。
グランツ教授:
タバコ会社を経営する人たちは、道徳というものがまったくかけているんです。
ゴキブリですよ。暗やみが好きで、病気を蔓延させるんです。
グランツ教授:
1963年の段階でタバコ会社はニコチンに中毒性があることを知っていました。
50年代には喫煙がガンを起こす事も知っていて、それを隠すため、
いろいろ工作を続けたのです。
元ブラウン&ウイリアムソンの研究開発部のジェフリー・ウイガンド副社長:
狙われていると感じるようになりました。
旅行の時は色々と名前を変え、わざと遠回りしたりしました。
護衛も二人雇い、家族と私を守らせました。
車にいつも拳銃を隠し、家の中でもそうでした。
何が起きるかわかりませんでしたから。
郵便受けに銃弾が入れてあって、それに脅し文句が書いてあったこともあります。
「タバコ業界はおまえを忘れない。おまえの子供たちがどこにいるかも知っている」
などとね。
ブロイン:
タバコ会社側に責任を認めさせるため、体の続くかぎり頑張ります。
彼らは悪い人たちで、人の命より利益のほうが大切なのです。
これが邪悪でなければ、ほかに何の邪悪がありますか。
欲の皮が突っ張っているんです。
病気、そして死を引き起こすと知りながら、その商品を利益のために売り続けています。
多くの人に死をもたらしながら、そうではないと嘘を言い続けているんです。
タバコの危険が騒がれる今でも、タバコ産業は巨額の利益を上げています。
これはケンタッキー州のタバコの葉の競売の様子ですが、この後、
発展途上国へどんどん売られていきます。
マイヤーズ:
将来、20世紀の歴史が書かれる頃には
「なぜタバコでこれだけ多くの人が命を落すのを防げなかったのか」
と歴史家は首を傾げるでしょうね。
------(引用ここまで)---------------------------------
(関連情報)
タバコ戦争1 Lightening Up 1/3 (YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=0Ay3qlz3oVE
タバコ戦争1 Lightening Up 2/3
https://www.youtube.com/watch?v=oZNcQ4LA1Uo
タバコ戦争1 Lightening Up 3/3
https://www.youtube.com/watch?v=hcGSiQ8SJTI
タバコ戦争2 Smokescreen 1/3
https://www.youtube.com/watch?v=apYC7iZVaxM
タバコ戦争2 Smokescreen 2/3
https://www.youtube.com/watch?v=YhFKVkqH-8o
タバコ戦争2 Smokescreen 3/3
https://www.youtube.com/watch?v=TX29Qls9PDc
タバコ戦争3 Smoking Out 1/3
https://www.youtube.com/watch?v=EXPQmURONGg
タバコ戦争3 Smoking Out 2/3
https://www.youtube.com/watch?v=JK9z42A-hsY
タバコ戦争3 Smoking Out 3/3(Final)
https://www.youtube.com/watch?v=bjvMYeg2kt8
映画「インサイダー」(The Insider) 1999年 マイケル・マン監督 ラッセル・クロウ主演
(この番組に登場するジェフリー・ウイガンドの実話が基になっている)
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